私的、蔵書から排除しないライトノベル選 2/2
- カテゴリ:小説/詩
- 2010/01/19 00:01:13
(1/2 より続き)
〈悪霊〉シリーズ 小野不由美
すでに名が挙がっているひとだけど、面白いんだからしかたがない。
多彩なキャラクターの楽しさもさることながら、開始時の少女小説のゆるさを徐々にブッちぎって本気で身の毛のよだつホラーに、さらには……で顎が落ちた。
そういや作者の夫君は……と納得。
当時の少女小説の「お約束」を逆手にとって、こんな企みを作品にするのが凄い。
ちなみにアニメ版はコミックを元にしていて、ミステリで言えば探偵が関係者を集めて「さて」と言う前で終わっている。あぁもったいない。
リライトして再刊、という噂が随分前に流れたが、社会情勢の変化もあるし……どうなるかなぁ? 面白いのにね~
間違っても続編の〈ゴースト・ハント〉を先に読まないように。
ネタ割れするのはもったいなすぎる。
現実世界が舞台の作品
『高天原なリアル』 霜越かほる
ゲーム開発会社のOLと声優の母を持つ女子高生が、恋愛ゲーム発のバーチャルアイドルをめぐる騒動に巻き込まれる。
いかにもな裏側を描く業界への皮肉っぽい目と、物を作ること・フィクションへの愛情とが、ともに感じられて面白い。
イラストは最初のスーパーファンタジー文庫バージョンの方が作品の空気にあっているように思う。
作者のPN、当然自然に「しもごし」と読んでいたら「しもごえ」だった。
そういうヒネた感覚が、一筋縄でいかない話を生んでいるのだろうか。
しかし出版社さん、〈ヘルズガルト戦史〉の続き、出ないんですか~(泣)
『天夢航海』 谷山由紀
超常現象がないわけではないけれど、魅力は少女たちの疎外感と心の揺れ、思春期の痛みを書いた青春小説の部分こそが魅力なのでこっちに。
人物の書き分けの甘さなどの弱点を補ってあまりある、瑞々しさと現実感がある。
『AURA ~魔竜院光牙最後の闘い』 田中ロミオ
いだだだだだ。
思春期真っ最中だと逆に読むのがしんどいかもしれない。
スクールカースト糞喰らえだけど、ヒロインみたいな妄想戦士も他者と向き合ってないって意味で困ったもので(てか、過去周囲にいて迷惑かけられた経験アリ)。
彼女を「世界」につなぎ止めようとする、主人公の自爆覚悟の行動が、周囲を動かし、いっとき祝祭空間が出現する。
現実的じゃない寓話かもしれないけど、お話としてとっても正しい。
いや、だって格好いいじゃん、やったことが滑稽で格好悪くても、他人の為に懸命になれるのって。
『人類は衰退しました』も抜群に面白いけど、あえてこちらを。
〈minor club house〉シリーズ 木地 雅映子
普通じゃありませんけど、なにか?
あの『氷の海のガレオン』の作者による学園生活もの。
型破りで明るい青春ものに見えても、当然のように、抱えるものを持つ子どもたちや「世間」との齟齬が描かれる。
潰されずに生き抜いてくれ、幸せに自分の足で立てるのが見れますように、と祈るような気分になる。
『ソリッドファイター』(完全版) 古橋秀之
すでに名前が(~以下略)
売れずに三分冊の一巻しか刊行されなかった格ゲー青春小説全編を一冊本にして刊行。
いわゆる「俺より強い奴に会いに行く」。
胸揺れでorzなややな抑え気味の第一部は、この小説で言えば「ガタが出てる間に先行入力完了!」仕込みは上々、な状況。
これで続きを刊行しないなんてもったいなすぎる。
ゲームに打ち込む青春(何より楽しんでいる、ってところ)にワクワクさせられる。
こんな風に何かに夢中になれる人は、そこから離れたって人生を愛して生きていける。
乳か? そんなに乳か? になるけど(別に下品な話じゃないよ)、いいのだ、本当に楽しいから。
恋まで行ってない、でも友人以上のヒロインもイイ感じ(今後上手くいったらいいネ)。
書籍コードを取得してないので、イベント売りや通販のみの販売だった。
アマゾンでは現在、おもちゃ扱いで販売中だそう。
理不尽だなぁ……面白いのに。
なんというか、こんな感じ。
ライトノベル絡みで最近ぐたぐた考えている。
そのうち思うところを書いてみたいけど、その前振りというか、わたしがラノベに求める「面白い」はこんなもの、という話。
「自分が思う面白いはコレだぜ!」「いや、これがないのはナシでしょう」ってのがある方、ひとこといただけるとうれしい。
よろしくお願いします。
評判はいいみたいですけど、『バカとテストと召還獣』は読んでいません。
学園ものはあまり読まないもので(たまに作家買いするくらいかも)
アニメも一話は見たのですが、個人的に好みとは違うみたいです。
読んだら面白いかもしれないんですけどね〜
今見ているラノベ発アニメは、以前も書いた〈戦う司書〉と『デュラララ』くらい。
『デュラララ』は最初の一冊しか読んでないのですが(作者がやや題材を持て余している感があったので)、後に出た別の本を読んだら技量が驚くほど上がっていたので、お薦めかもしれません。
ただ問題は作者さんの刊行ペースが速くて、ほとんどの作品世界が繋がっているらしいのにフォロー仕切れそうにないこと。
こういうケースも珍しいかと。
「バカとテストと召還獣」を読んでみたいと思いつつ
まだ手に入れてないのよね
アニメより原作先に読みたくて、アニメが積録になっている始末
面白いのかなぁ??
えー、なんていうかゲリラ戦多発地帯です。
昨今「戦力」とみなされているものは何だか偏ってきてるな〜と思いますが、そこからズレた面白い物も一杯あります。
お行儀悪く(カテゴリをブッ千切るような)て、面白い本があったら教えてやって下さい。
なんか、未踏の地がここに広がっている気がする^^
〈minor club house〉の作者、木地雅映子は群像新人文学賞で優秀作受賞でのデビューでした。
最初の定義からは外れています(たいした意味のないカテゴリ分けなんですが)
『氷の海のガレオン』の名を出していて、失念してるのだからなんともはや。
現実世界舞台の話……と考えるうちに最初の定義づけが頭から消えていました。
読んでいただいた方がある文を削除するのは良くないと思うので該当部分は残します。
申しわけありません。……恥ずかしいorz
akaneさん
現在「売れる作品」と似たものだけを作っていると、新しいものは出てこないし、似た物がふえて飽きられ、結果売れる物がなくなっていくと思うんですけどね〜
お約束を逆手に取る書き手さんもいるけど、難しいな、と思います。
ナイR@TEPさん
ややマイナー寄りですが、面白いですよ〜
「ニャル子さん」とはまた、名状しがたい物を……
買ってきてまだ読んでないときにブログネタにしましたけど(萌えクトゥルーにおどろいてw)
大受けしつつ読みました(けど、クトゥルーネタ等を知っているの前提なので確かに薦めにくいですね〜)
まぁ、さすがにいくつかはタイトルに見覚えはありますが・・・。
最近ので、ツボにはまったのは、某「這いよれ、ニャル子さん!」ですかねぇ~、他人には薦めませんがw。
ラノベのくくりからはみ出そうで、でもおっしゃる通りラノベだから出来た小説ですよね。
悪霊シリーズの1巻目は、貸した友人が音信不通なので、リライト刊行されたら泣いて喜びます!
ラノベが、売れ筋から外れたものを出そうとしなくなってきている風潮は、私も感じています。
実際にお約束を少しでも外したものは売れていないようですから仕方ないのかもしれませんが。
でも、そういう「少し実験的でマイナーな作品」を好きになりがちな私としては、寂しくて悔しいです。
もっといろいろな壁を突き抜けた、大胆で勢いのある作品が出てこないものかと思います。
〈十二国記〉の英訳が出た頃だったかな? 小野さんが海外向けのインタビューに「少女向けホラーのリライトをしている」旨答えてるんです。
本人も頭から拒否しているわけではないかと。
ただ社会情勢が変わってる(通信関係wとか、続編が出せるかに関しては法医学関係とか)ので色々難しいのでは、と思います。
面白い、と思う本はやたら絶版にされて、口惜しいやら、淋しいやらです。
貼り付け時の修正作業忘れた……のかな?
Cabbageさん
出てからやや経っていて、入手しづらくなってる物が多いです。
面白いと感じるものは、あまり売れないらしくってorz
すぐに絶版や品切れ再版予定なしになるので、本を手放しづらくなりました。
リライトのウワサのでどころは再刊にうんと言わせたい出版社側からの提案かなと想像してるんですが、
どうかなー。それにしても「悪霊がいっぱい!?」から20年が過ぎましたね。
ここまでの中で読んでるのは、小野さんの本だけです。
手に取る前に入手できなくなってる本が出てきている・・・。もったいないです。
これでは人生損していると思うので本腰入れて読んで見る♪
P.S 最近、新書に飽きてきたし、アマゾン送料無料だし♪