タケシの武勇伝…第二部(8)
- カテゴリ:自作小説
- 2010/01/20 01:24:03
---第1部あらすじ---
将来を有望視された野球少年北野健(タケシ)は、中学3年の冬、不慮の事故で野球ができなくなってしまう。
その後、成績不振者が集められる夏休みの補習授業で佐々木真也(シンさん)と出会い、彼から事故の裏事情と手術とリハビリをすればもう一度野球ができるようになると教えられる。
自分を応援してくれる人々の思いに触れたタケシは、手術後のリハビリに励みながら2学期を迎えることとなった・・・
≪不意打ち≫
「ところで、お前たち注文まだだろ。全員好きなの頼め。遠慮すんなよ。おう!…つっても定食だけだぞ。俺も金持ちって訳じゃないからな。わははーっ!」
「えっ、奢ってくれるんですか!?」
ゴリ山さんは、手を上げて店主を呼ぶと好きなものを頼むよう4人に言った。一瞬呆気に取られたが、何のつもりかゴリ山さんが奢ってくれるというからには遠慮する訳にいかなかった。下手に断って機嫌を損ねられたら事だからだ。とはいえ、学生相手の定食屋だけに一番高くても800円のスペシャル定食なのだが・・・
ただし、この場合何を頼むにしても最初に言葉を発するのは非常に勇気の要ることなのだが、マサミが間髪あけずに発言した。
「先生は何を頼まれたんですか?自分も同じものが良いです!」
「オレか?オレはビールとスペシャルだ。じゃあ、お前ら全員スペシャルにするか、おう!」
マサミが「はい!」と応えるのに続いて、3人も声を合わせて「はい!」と返事した。
「おやじさん、こいつらにスペシャル4つ頼んますわ!」
スペシャル定食を頼んだ者にだけ先にタルタルソースが盛られた小皿が出されるのだが、実は、目敏くそれを見つけたマサミが下手に時間をかけないよう機転を利かせたのだ。隣に座るシローちゃんが、ゴリ山さんから見えないように肘で小突いてウインクした。マサミのベストな判断を褒めたのだ。
その後、4人はまたお見合い状態を保つしかなかった。怖い怖いゴリ山さんの前で普通に会話できる学生など校内に一人もいない。料理の音とゴリ山さんのゲップの音に包まれて、4人は1秒の長さをイヤというほど味わっていた。
すると、突然ゴリ山さんがデカい顔をテーブルに突き出すようにしてしゃべり始めた。
「おう、そうだ。4人揃ったからちょうど良い…どうだお前たち、野球部に入らないか?」
4人は、首だけ向けた格好で一斉に目を丸くした。もちろん誰も予想すらできない言葉である。まさにゴリ山さんの不意打ちだった・・・
※※つづく※※
漢(おとこ)はこうでなくっちゃ。
補習4人組がそのまま野球部のメンバーになるとは…。新・野球部誕生ですか!?
しかし奢る理由はやはり野球部にあったのでしょうか?
タケシは野球部には入るでしょうが
他の人達はどうなるか楽しみです
野球部のお誘いですね~♫♩♬
これは、タケシ君は、断るわけにはいきませんねぇ~
それに怖いゴリ山先生のお誘いだし・・・・・^^;
やはり「同じものを」と言うのが無難なところ。
タルタルソースを目ざとく見つけたマサミさんの機転はなかなか。
昔の先生にはいたけれど、いまはどうかなあ。(笑)
おんぼろ野球部、立ち上げエピソード開始!