声
- カテゴリ:小説/詩
- 2010/01/22 00:55:46
しんじゃえ
頭の中で しんじゃえと 声がする。
ずっとずっと きこえてる。
どこかで 聞いた事のある声。
でも 知ってる人の声じゃない。
殆ど聞こえないような
小さな声になる時もある。
他の事が考えられないくらい 大きな声で
頭の中でずっと 聞こえ続ける事もある。多分また
私の中のどこかが死んだんだと思う。
人はなぜ 生きているのだろう
私は何のために生まれてきたのだろう
ずっと ずっと 考えてきた。
死ぬのは 怖いからだろうか?
死ぬのが怖いとは 感じた事が無い気がする声は やるべき何か
私がやらなければならない事がある時は
小さくなる
その時は 殆ど聞こえないといっても良い
私はずっと探してきた
何のために生まれてきたのか の 答えを
やっと やっと 見つけたそう思って 十五年暮らした
つらい事は 沢山あったけれど
それでも どこか しあわせだった。
でも
今日また 私の中のどこかがしんだ。
それは
見つけたと思った 生まれてきた理由。今までも些細な事で
私の一部は 死んでいった。
そんな時 私は大声で泣いた。
赤ん坊のように・・・
私は 何時間も泣き続けた。
とめようと思っても とまらない嗚咽
否、とめようという考えさえ
頭に浮かばなかった。
でも 今日のは 違う。
私の中の とても大きな何かが
今日 しんだ。
涙も 出ない
何も 感じない
何も 聞こえない
何も 見えない。人は どうして生きているのだろう
死は 怖くない
死ぬ時の痛みや苦しみが怖いからだろうか
もし 目の前に二つの薬があって
その一つを 誰かが目の前で飲んで
あっ と言う間に苦しまずに死んでしまったら・・・
もう一つの薬を飲む人は
どれ位いるだろう
死は 怖くない
生きている意味を 生まれてきた理由を
無くしてしまったら
人は どうしたら良いのだろう今日 私のどこか大きな所が しんだ。
しんじゃえ と 誰かの声が くりかえす
今日の声は 鳴り止まない
こだまのように くりかえす
しんじゃえ しんじゃえ しんじゃえ