私は白い部屋に立って目の前にいる２人の少女を見ていた。

１人は紅い浴衣ドレスを着ていて肩でそろった黒髪が美しい少女だった。

もう１人は色違いの蒼い服で長い髪をサイドアップにしていた。

仲がいいのだろう。２人は小物をすべてお揃いにしていた。

彼女たちには私が見えてはいないらしい。

ある日いきなり蒼い少女が言った。

「今日殺される夢を見たよ。」

紅い少女はビクッっと体を震わせ無言になった。

そして蒼い少女はまた夢を見る。

紅い少女が自分の枕元に立ち、裁ちばさみを自分に向けているのを。

私が見たのは紅い少女が蒼い少女の頭に裁ちばさみを突き刺し、

悲しそうな顔をしているところ・・・。

次の日蒼い少女が言った。

「また殺される夢を見たよ。」

怯えた目で蒼い少女を見る紅い少女。昨日より服の紅が黒に近い・・・

「あぁ・・・まだ許してないのね？」

「ごめんなさい。」

長い沈黙が２人を包んだ。

「もう遅いから帰りましょう？」

２人は白い部屋から出た。

ここはマンションなのだろうか？

いくつもの部屋が横に並んでいる。

そして白い部屋は２階にあるらしい。

２人が階段を下までおりたどのとき

パァン。と派手な音ななった。

見ると蒼い少女が倒れている、胸から血を流して。

紅い少女が階段の上を見ると白い男が蒼い少女に銃を向けたまま立っている。

私はその光景をただ見ていた。

最初からを私は思い出してみる。

まず１日目、蒼い少女が見た夢は

杭を持った紅い少女が蒼い少女の額を抉り微笑む夢。

でも２日目の夢で紅い少女は悲しんでいた。

３日目は紅でなく白に殺された。

これはどこまでが夢だったのだろう？

私の想像をお話します。

まず２人の小物はすべて同じ色でした。

ここから私はもともと服も同じ色だったのではないかと。

そしてこれは完全に勝手な推理ですが

蒼い少女は過去に紅い少女を殺した。そのとき蒼い服が血で紅に染まった。

それを許せなくて蒼い少女を永遠に夢で殺し続けている。

本当は殺したくない。

でも紅い少女は服がお揃いの色になるまで許せないのではないか・・と。

紅い少女の服の色はだんだんと黒に近づきます。

蒼い少女の服もきっと紅にそめられいずれ黒になる・・・。

そして白い部屋から出ようとすれば白が蒼を殺す。

完全なループです。

彼女たちは夢にとらわれ続けているのではないか。

私には祈ることしかできません。

早く彼女たちが夢から抜け出せるようにと。