Nicotto Town


およよ・れおポン


横顔の文化(造形とMJの整形のこと)

僕は、マイケル・ジャクソンの「BAD」以後の顔の変化がいやだった。

「なんでそんな整形をするのだろう」という気持ちだった。

美容整形をする人の中には、精神的な依存症として、整形せずにはいられない人もいるという。

年々、整形を重ねるマイケルに、少し狂った感じを受けた。

以前、スマップスマップに出演した時も、鼻の整形の痕が気になってしまった。

ところが。

ところがだ。「THIS IS IT」を見ているあいだは、整形は全く気にならなかった。

繰り返し見ても、気にならない。

そもそも、「THIS IS IT」を見始めた時などは、整形のことなど忘れていた。
そして、忘れたまま繰り返しBlu-rayを見て、何度か見た時に、ふと、「そう言えば整形が気にならない、なぜだろう?」と思い出した。

次に、意識的に「THIS IS IT」を見ると、整形なのがわかる画像もけっこう多いのだ。

それなのに、映画を見ている間、整形のことを忘れてしまう。

不思議に画像を見ていて、なんとなく感じる。
マイケルがカッコ良く見えるのだ。

ステージ上のマイケルは、カッコいいのである。

しげしげと、マイケルの横顔を眺めていると、サマになっている。

青っぽい照明の中にたたずむマイケル。

そうだ、照明だ。

暗い中に照明で浮かび上がる横顔がカッコいい。

ステージ上で格好良く見える形なのだ。

日常的に、個人的にカッコいいように整形してるのではなくて、ステージ上でカッコいいような形を選んでいる。

照明が当たった時の、陰影がきれいに出る鼻の高さ。


西洋のコインは、国家的な人物の、「横顔」のレリーフが多い。

もともと、鼻の高い白人は、自然な発想として、彫刻などでも、横顔の美しさが発達したのに違いない。

日本では、立体的な作品は正面に美意識がある。
能面は真っ正面の美を追求し、その上にたって、様々な方向の表情を付ける。

お寺の門に、阿形吽形の像などがあって、これは、パッと見、斜めに向いていて横顔の美のように思う人もいるかもしれないが、そうではなくて、門をくぐろうとする人物の位置を見据えている。

寺の門をくぐろうとする人物こそ重要であり、それと真っ正面で向かい合うのが、阿吽だ。

顔は真っ正面で向かい合い、光が横からさすという造形である。


少し話がそれてしまった。
マイケルの考えである。

マイケルはアメリカ人だ。
ヨーロッパ的な美意識の中で育っている。
そして、アメリカらしく、ステージ上でのパフォーマーとして感性を磨いた。

優れたアーティストとして、マイケルは、自分の顔をステージ上の造形物にしたのではないか。

「THIS IS IT」で、メンバーに指示を出すマイケルを見て、マイケル自身が、ステージ上のマイケルに指示を出す感性を持っていると確信した。

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