消えた翼 (1)
- カテゴリ:自作小説
- 2010/02/08 19:42:59
このお恥ずかしい小説を載せる前に一言。。。
イラストや小説などの冊子作りをしているグループに、一度だけ参加した際に作ったお話。
もう5年近く前だから、たぶん 載せてもいいでしょう(^_^;) 手直しもしてもいいでしょうw
もし、その時のメンバー様がいらっしゃったら言ってくださいね~ 削除しますので~
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宙に浮いたこの感情を、これからどう扱っていけば良いのか。
想いの人は振り向かず、私は大切なものを無くしてしまった。始まりも終わりもないこの身体が、やけに重くのしかかる。
暗闇に堕ちた私は、いつしか己を呪う醜い悪魔と成り下がるでしょう。
神の声を聞くことなく生まれ堕ちた俺は、やはりそういうことなのだろう。
誰もが当然に受け取るものを俺は受け取ることができず、自分の置かれた立場を理解するのに少し時間がかかった。
気になさらないで下さい。貴方を怨んではいません。むしろ憐みを感じます。不愉快な感情を垂れ流しにする人間を 貴方は億単位で感じているのですから。
魂の故郷 天界。
至上の楽園と人はいうが、ここには花畑も川も存在しない。あるのはどこまでも続く広い空間。様々な色で霞がかかった明るいその空間には人の形をなすものは何も無く、色鮮やかな魂が綿毛のように舞い踊り、他の綿毛とぶつかっては色を鮮やかに変化させていた。
彼らには実体を得ていた時のような強い欲や感情はない。彼らは舞うことに喜びを感じ、舞うことで過去の記憶を無くし、そして再び地上で誕生する。くすんでしまった魂も、周りの魂に刺激され輝きを取り戻す。
今、一つの綿毛が宙に浮かび上がった。それは一点の狂いも無く垂直に、上へ上へと進んでいく。その綿毛の色は、淡い緑や赤子の頬のような桃色に変わり。空のように澄んだ青になったかと思うと、夕日のように真っ赤に光った。その光が変化を繰り返しつつ、徐々に周りの景色と同じ色になり、最期二度点滅して、その綿毛は見えなくなった。
どこかで産声があがる。
そんな華やいだ空間の地下。鮮やかな魂達には想像も出来ないほどの地下に崩れた牢獄があった。
壁のいたるところはひび割れ、鉄格子の鉄は錆び付き、配管からは泥水のような液体が悪臭とともに漏れ出している。
ここに上階の光がくるわけもなく。廊下の足元を照らす電灯は、かなり遠い所に一つあるのみで、光は隅々に行き渡らない。暗闇が大多数を占めるこの地下で、牢獄内の蛍光灯だけがぼんやりと辺りを照らしている。だが、その光も時たま、パチパチと音をたてて消えた。
灯りが消えると辺りはやっと見えるくらいで暗闇に近い。
視覚を奪われ、聴覚だけが異様に反応する。汚水が下へ下へと流れ落ちる音が、耳に大きく聞こえた。遠くで小動物が地を這う音も聞こえる。
そしていつしか第六感が働き、そこにいる罪人のぎらつく四つの視線を感じるだろう。
次に灯りがつくと、若い女が鉄格子の前に立っていた。
たった今台風にでもあったかのように、女の身体は汚れ、傷ついていた。濡れた髪は身体に張り付き、荒い息遣いを如実に表している。充血した眼は悲しんでいるようにも、怒りに燃えているようにも見えた。
しなやかなその手がぎこちなく動き、目の前の鉄格子を掴む。
その先には対照的な男が二人。
女は掴んだその手を一・二回揺らし、さらに強い力でそれを揺らした。呼吸は激しさを増し、静かなその地下にうるさく鳴り響く。
荒い息はそのうち嗚咽に変わり、バランスを崩した女は鉄格子にしがみつきながらその場に崩れた。
孤独と絶望が入り混じった彼女の泣き声は、無慈悲にも静寂に飲み込まれた。
しゃがみ込んだ拍子に髪が垂れ、破けた服から背中が覗けた。左右の肩甲骨には添うように深い亀裂がある。その生々しい傷から血が溢れることはなかったが、見る者に畏怖の念を与えることはできるだろう。
「私を見て……お願い」
水音にかき消えるほどの小さな懇願。
牢獄に入れられている二人の罪人は、蝋人形のような冷たさで女を見ようともしなかった。
彼女の目に再び熱い水が溢れ出、零れ落ちた。
疲労とともに溢れ出るこの水は何なのか、どこから湧き出てくるのか。彼女には理解できなかった。
それは人間の感情。天使である彼女には理解出来るはずもない。
天使の役目は、人間界に神の意向を示唆すること。そのためには過ぎた感情など必要ない。だから彼らは涙を流すことは決してない。また神の意向に逆らうことなどあってはならないことだった。
その天使が地上で罪を犯した。






























嬉しい! ありがとうね!(^^)!
小冊子に15ページ分だから、まだまだ続きます(^_^;)
よかったら読んでください♪
続きが気になって気になって、毎日ここに訪問しにきそうです(笑)
神に意思に逆らう天使→ルーシファーみたいですね。