Nicotto Town


時にはサムいこと言ってみたりして


消えた翼 (ラスト)

エミニーの死体は消え、現実世界のジョーイがこちらを見つめている。
 光は堕ちて、三人以外は闇に溶け込んでしまった。
 「もともと、僕の魂は下界に降りるほど低級なものではなかった。最高位の天使になれるほどのものだったのだ」
 交互に話す彼らは、時を惜しむかのように語り続ける。
 「しかし、生まれる前の魂の状態であった俺を悪魔が天界から掠めっとった。そして僕は地上で誕生した」
 「貴方が天使……そんな、神はそれを」
 「知っていたさ。だから何度も俺を助けようと試みた。けれど、僕は魔界から地上に誕生した。俺の魂はこの闇のように黒く濁っている。神は躊躇したんだ。俺を天界に戻して、果たしていいものかどうか」
 神の無責任な行動に、メリッサは苛立った。
 だから禁書を出して関わりを絶ったというのか。この男は被害者だというのに。
 男のために悲しんでいると、舌打ちと笑う声が聞こえる。
 「可愛そうなのは君だよ、メリッサ」
 近くに腰をおろし、涙と血で濡れた頬を両手で優しく包む。穏やかな愛しい笑みを浮かべる男からは、愛が一切感じられない。
 「僕が死んで天界に戻っても、僕は何も変わらない。幾度生まれ変わっても、魂は浄化されず、地上で狂喜乱舞を繰り返す。言わば、今回の人生は下見といったところだな。世界は簡単に破滅させることが出来る。次に生まれ変わったのならば、ちまちまと屑を殺しはしない。 だが、神がその考えを知ってしまった。だから、君はここに存在する」
 そう、敵意と尊敬の念を含めた目で見つめられ、メリッサは困惑した。ここにいるのは神の意思ではない。眉間にしわを寄せてジョーイを睨みつけるメリッサを現実世界のジョーイが嘲笑った。
 「お前の意思は本当に己のものか? 自分を確立できたのはいつだ? いつから記憶はある? その記憶が本物だと言い切れる自信は?
 教えてやろう。お前は神が創ったただの人形だ。この世界の住人と同じように、「天使」という役割をこなしているだけ。 そして、俺をここに繋ぎとめておくための道化にすぎない」
 身体から軋む音が聞こえる。男の言っている内容が耳に入らず理解できない。
 私は天使だ。何人もの人間に神の意向を示唆してきた。これからもずっと神に仕える。
 「だが、そんな人形のおかげで神は僕を捕まえることができた。天使は無駄に小賢しく、そして僕にとってはそちらの方が裏をかき易い。 逆に君は純粋だった。君との生活は、それなりに楽しかったよ。だからつい、神が僕を捕まえに来たと、エミニー、外の僕が教えに来るまで遊んでしまった」
 闇の奥から眩い光がこちらへと向かってくる。
 「ここで捕まらなかったら、僕はまた生まれ変わることが出来たのに。悪魔として生きた方が、簡単に地上は綺麗になる。神は人間に対して寛大すぎるのだ」
 残念そうにジョーイは呟く。そしてメリッサを見つめてほほ笑んだ。
 「ねぇ、君は天界に戻れると思うかい? 君の役目は終わったんだ。ただの人形に戻って、動かなくなってしまうのかな? 楽しみだね」
 崩れ落ちる身体に、ジョーイの声が降り注ぐ。

 外が白み始め、部屋は青みを帯びていた。
 なにも無い真っ白な部屋で、硬くなった死体が一つ、部屋の隅に横たわっている。
 「そこにいるのは誰だ! ジョーイ貴様か!」
 大勢の警官がその部屋に突入した。
 そこには水滴が落ちたかのように濡れた地面と、空っぽの死体。そして静寂



  終わった・・・ので、寝ます・・・・・・

#日記広場:小説/詩

アバター
2010/02/23 22:42
読んでくれてありがと~^^

実は書いた後風邪ひきまして(^^ゞ 兄貴のがうつったみたい(~_~;)
治ったかな~と思ったら、今度は花粉症です…。゚(゚´Д`゚)゚。
アバター
2010/02/22 20:13
お疲れさまでした!
読む方は毎日1話ずつだから楽だけど、
書かれたbonanさんは大変だったでしょうね~。




Copyright © 2026 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.