Nicotto Town



吉野 弘 「心の四季」

雪の日には必ず心の中に流れる歌
合唱組曲心の四季 より 「雪の日に」


           雪の日に     

              雪がはげしく ふりつづける
              雪の白さを こらえながら

              欺き(あざむき)やすい 雪の白さ
              誰もが信じる 雪の白さ
              信じられている雪は せつない

              どこに 純白な心など あろう
              どこに 汚れぬ雪など あろう
               
              雪がはげしく ふりつづける
              うわべの白さで 輝きながら
              うわべの白さを こらえながら
              雪は 汚れぬものとして
              いつまでも白いものとして
              空の高みに生まれたのだ
              その悲しみを どうふらそう

              雪はひとたび ふりはじめると
              あとからあとから ふりつづく
              雪の汚れを かくすため

              純白を 花びらのように かさねていって
              あとからあとから かさねていって
              雪の汚れを かくすのだ

              雪がはげしく ふりつづける
              雪はおのれを どうしたら
              欺かないで 生きられるだろう
              それが もはや
              みずからの手に負えなくなってしまったかの
              ように
              雪ははげしく ふりつづける

              雪の上に 雪が
              その上から 雪が
              たとえようのない 重さで
              音もなく かさなってゆく

              かさねられてゆく
              かさなってゆく かさねられてゆく

高田三郎 作曲 吉野 弘 作詞の この歌
曲の美しさ 激しさもさることながら
言葉の深さに 心がふるえます。

80年代に合唱やっていた人なら たぶん ご存じのこの歌

詩人の吉野弘さんは
もしかしたら とても「よい人」「清い人」と思われていたのでしょうか
そうして 本来 人間は 100%清くはありえない
にも かかわらず
そう 信じられている 切なさを 雪に託して 詩にしたのでしょうか

共感をおぼえます

アバター
2010/02/23 14:53
nagataさん 

その小説は知りません 初めて聞く・・・
アマゾンでしらべてみようかな

木原敏江さんの「摩利と新吾〜ウェッテンベルク・バンカランゲン」のシリーズ
中盤ぐらいで でてきた ささめちゃんという苦労人の女の子が
つらいことがあったとき 「水にふる雪」をとなえて たえていた
そういうエピソードがあります

水におちてきえてゆく はかない雪

愛しても 愛しても 実らない 哀しい愛ですか

切ないですね
アバター
2010/02/23 01:15
雪 といえば 「海に降る雪」 映画化もされた 小説がありました
降っても 降っても つもらない 海に降る雪
愛しても 愛しても 実らない 悲しい愛の形を描いた物語




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