「御伽噺」
- カテゴリ:小説/詩
- 2010/03/31 15:05:15
むか~し むかし
あるところに ウサギとキツネがいました
ウサギは いつも檻のなかで
おじいさんに飼われていました
ウロウロ そっとキツネが来て
おいしそうに ウサギのことを見つめてました
キツネは畑に いっぱい足跡をつけて
おじいさんは「こりゃあ きっと なにかいるぞ」
ウサギはときどき
おじいさんがみているときに
畦に植わったクローバーを
おいしそうに食べていました
しとしと さびしい秋の雨が降りだすころ
おじいさんは ぎっくり腰で動けなくなりました
ウサギは檻から出してもらえず
かなしい気持ちになりました
遠くから見ていたキツネは
ウサギのその様子に
なんともいえず 近づいて行きました
「どうしたの なにかあったの」
いつも おいしそうだと思ってみていたウサギ
きょうは少しちがうようにみえます
檻に近づいて 檻の隙間に鼻をさしこみ
ペロペロと ウサギをなめてやりました
ウサギは生まれてこのかた
キツネのことを見たことがありませんでしたが
本能で 危険を察知しました ところが
キツネにペロペロされていると
なんとも 気持ちが安らいでゆくのでした
ジッとして 安らかにしていました
雨が晴れ いつのまにか動けるようになった
おじいさんが厠(今でいうトイレ)に立ち
ウサギのことが気になって みにゆきました
キツネがウサギを なめているではありませんか
驚いてキツネは逃げました 一目散に
おじいさんは 杖を持っていたのです
キツネは あちこちで畑を荒らすたんびに
棒切れで 追い回されてきたのでした
逃げたキツネは ひといきつきました
ふと さっきのことは忘れてしまいました
ウサギは おじいさんが元気になったので
クローバーを食べにいけるようになりました
キツネは かわいそうな動物や人間をみつけると
近づいていっては ペロペロしてまわりました
ときには 後ろ足で土を蹴ってかけられたり
ときには 棒で追い返されたりもしました
それでも かわいそうな動物や人間をみつけると
ペロペロしにいかないでは いられないのでした
ウサギとキツネ しあわせに暮らしましたとさ



























