Nicotto Town



後編 感想待ってます♪

『もう少し、普通に伝えられなかったのか? 俺だって大好きだったらユキに曲を聴かせてたんだぞ?』
『安心してくれ、俺の作った最高の曲は――、絶対届けるから、それじゃ、お願いしますね。死神さん』
「うん、任せて、ちゃんと渡すから」

ユキが出て行った病室に一人の少女が入って来る。
その手に握っているのは大きな鎌だった。

『絶対に渡してくださいよ? 渡さなかったら恨む、呪う』
「私は死神なんだから呪うのは無理、安心して、ちゃんと渡すから」
『それじゃ、俺は寝ますね。連れてってください。あの世に』
「了解。ゆっくりお休みなさい」



後日彼は死んだ。
三日持つとか言っていたはずなのに、結局彼は二日で死んだ。

「あーあ、やる事がないなぁ~」

公園で一人呟く、もう一人しか居ない。
だけど、そこに人影が現れる。

「ユウキ?」
「ユウキとやらじゃ無くて悪かったな」

そこにいたのは無愛想な弟だった。
その手には一枚のCDがもたれていた。

「そのユウキって奴からの送りもん」

弟がそれを投げ渡してくる。
そしてCDの中には一枚の手紙が挟まれていた。

『大好きだったユキに、最高の一曲を――』

それを読んだ私はそっとそのCDを抱きしめた。
この曲を聴くのは今じゃない。
私が何かで挫けてしまった時に聞こう。
今聞いてしまうのはとっても……とっても勿体無いから。

「ありがとね」
「俺は渡せって言われただけだから」
「少しは可愛くなってくれればいいのになぁ……」
「男が可愛くても気持ち悪いだけだ」

そう言いながら弟は去ってしまった。
私もそして立ち上がった。

「ユウキのばーか」

小さく言葉を呟き、ユキは晴れた空を見た。
夏休みのいつまのにか過ぎ去ってしまった。
彼の横で曲を聞く毎日は終わってしまった。
だから、彼の事は全て忘れようと思う。
そして、彼が聞かせてくれた曲がが大好きだった事だけ覚えていよう。
自分の愛した人物は音楽を奏でる人だったと覚えておこう。

「だから、ユウキも忘れたら怒るから、約束だよ?」
『はいよ、約束だ、絶対に忘れないよユキ』

そこにはいないはずなのに、私の真横のブランコには彼が座っている気がした。

『「大好き」』

ブランコから降りて彼の口に自分の口を合わせた瞬間、風が彼を連れ去っていく。
霧の様に消えてしまった彼を見て、私は公園から去った。

「それじゃ、行くわよ」
『無理言ってすみません。死神さん』
「本当に無理な事言われて困った。もう一度彼女と逢いたいだなんて」
『これで吹っ切れた』
「見てれば分かった。最後にキス出来て本望?」
『あぁ、とても本望だ』

そこにいたのは鎌を持つ少女と壊れたギターを持つ少年だった。

『最後に一曲だけ、響かせよう』

彼はブランコに座り、壊れたギターを持ち、音を鳴らした―――。
音はこの世界に響く。だけど、誰も気づく事は無い。気づく事が出来るのは鎌を持つ少女だけ。
それでも彼は音を奏でた。彼の最後の思い出は少女に音を聴いて貰った事で――。
彼女と共に過した短い時間を思い出す事だった。

『曲名は――』

そこで彼の姿は完全に消え去った。公園に残ったのは少女だけ。

「天使の旋律」

少女はぼそりと呟き、その場から消えた――。
貴方には彼の曲は聞こえましたか? そして、貴方は今、大好きな人に歌(言葉)をかけられますか?

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2010/04/01 19:18
黒猫さん←最初は関係を表し、次に悲しみ、最後に感動を置いて作って見ました!

olive*+さん←ありがとうー! 歌と言う言葉は心に伝わってくれたかな?

彩さん←今も耳を澄ませば聞こえるかも?
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2010/04/01 18:59
歌かあ。歌うけど好きな人には聞かせられないかも。
天使の旋律、聴いてみたい♪
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2010/04/01 16:16
最後の言葉は奥が深いですねぇ bb
よかったです♪
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2010/04/01 13:37
とっても感動できました♪
前編・中編・後編だけなのに
じ~んてきちゃいましたww
神羅sの次の小説にも期待させていただきますw
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2010/04/01 12:35
てくちゃん←後であれお願いね♪

奈津榎←こっちだって負けないよー?
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2010/04/01 10:10
すごぉ~い!!

あ、ウチの小説も見てね!初更新したから!

神羅君にはまけないよ~!!((笑))
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2010/04/01 06:20
おぉ! これか!
すごいなぁ〜♡
最後の言葉がグサッと・・・((汗
きてしまったww

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2010/03/31 23:19
二人ともありがとうですねー。
プロみたいなうまくはないけど、上手って言われて本当に嬉しいよー!
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2010/03/31 21:49
凄いです!凄い凄い!一気に読みこんじゃいました!!
文才能力のない自分には本当に感動します!!
僕はギター全然できないけど持ってて
音楽も大好きだからとっても感情移入して読んでしまいました!
歌はいいですね‐元気になったり笑ったり泣いたり
この小説は歌と同じくらい心に響きますよ!!☆:*・゚(●´∀`●):*・゚
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2010/03/31 21:48
おおww凄い!!

プロみたいで凄い!(実際、文章理解力ありませんので・・・・;



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