「桜」
- カテゴリ:小説/詩
- 2010/04/02 12:12:03
太平洋戦争のまえ 満州という国で働く男に嫁にいった
お手伝いさんがいて いわゆる上流階級の生活してた
子どもが ふたり おじょうちゃま おぼっちゃま
*
ある日 突然 着の身着のまま 子どもをつれて あるいは抱いて
夫は国の勤めで働いていた わたしひとりで守り抜こうと
子どもは いつしか ふたり ふえて
わたしひとり 子どもをつれて
10才になる長女が ねんねの次男を おんぶして
赤ちゃんが またひとり 生まれ 死んでしまった
流浪の逃亡 奇跡 奇跡のめぐりあわせ
夫が来た 爆撃された橋のこちらに歩いて
*
おばあちゃんと縁側で
もう なんど きかされたか知れない
引き上げで ぼろぼろの服を着て
なにも持ってなかった 貧乏をした
それ以上は 語らない
芋ばかり食べていて 長男は いまでは芋が嫌い
心の傷 そんな言葉は当時なかった
貧乏をした みんなみんな貧乏だった
子どもは また ひとり生まれた
*
おばあちゃんと縁側で
遠い遠い 昔話
わたしの知らない 知る由もない
語る おばあちゃんの顔の皺
おばあちゃんと縁側で
春の風に吹かれながら
ひとくち ひとくち 桜餅


























あの時があって今があるわけだけど。
なんて言っていいか分からないほど。
「そんなこと知らない」
体感として知らないってこと山ほどありますよね。
今は今で、昔とは違う問題が山積みになっていて…
たとえ貧乏でも『子は宝』
今はちょっと違うようですけど・・;;;