Nicotto Town ニコッとタウン

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「桜」


太平洋戦争のまえ 満州という国で働く男に嫁にいった
お手伝いさんがいて いわゆる上流階級の生活してた

子どもが ふたり  おじょうちゃま おぼっちゃま

    *

ある日 突然 着の身着のまま 子どもをつれて あるいは抱いて
夫は国の勤めで働いていた わたしひとりで守り抜こうと

子どもは いつしか ふたり ふえて

わたしひとり 子どもをつれて
10才になる長女が ねんねの次男を おんぶして

赤ちゃんが またひとり 生まれ 死んでしまった

流浪の逃亡 奇跡 奇跡のめぐりあわせ
夫が来た 爆撃された橋のこちらに歩いて

    *

おばあちゃんと縁側で
もう なんど きかされたか知れない

引き上げで ぼろぼろの服を着て
なにも持ってなかった 貧乏をした

それ以上は 語らない

芋ばかり食べていて 長男は いまでは芋が嫌い
心の傷 そんな言葉は当時なかった

貧乏をした みんなみんな貧乏だった
子どもは また ひとり生まれた

    *

おばあちゃんと縁側で
遠い遠い 昔話
わたしの知らない 知る由もない
語る おばあちゃんの顔の皺

おばあちゃんと縁側で

春の風に吹かれながら
ひとくち ひとくち 桜餅

#日記広場:小説/詩

アバター
2010/04/04 13:35
もうほんと、今とは全然ちがうから。
あの時があって今があるわけだけど。

なんて言っていいか分からないほど。
「そんなこと知らない」
体感として知らないってこと山ほどありますよね。

今は今で、昔とは違う問題が山積みになっていて…
アバター
2010/04/04 07:55
わたしもよく祖父に聞かされていました
たとえ貧乏でも『子は宝』
今はちょっと違うようですけど・・;;;



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