【あらすじ】藤原広嗣は鎮圧されたが、遷都先の恭仁京における朝廷の施設の造営は一向に進まない。真備は行基に施設の造営を手伝うよう再三話を持ちかけたが、行基は頑として応じなかった。真備は聖武天皇と行基を対面させようと、天皇を行基のもとに案内する。しかしその途中、藤原仲麻呂の手の者によって襲撃される。何とか逃げて天皇と行基の対面に成功するが、２人の話は真備の思惑をよそに、大仏造立に傾いてしまう。真備は政情不安や飢饉の影響で民衆が疲弊している時に、大金が必要な大仏の造立に断固反対するのだが…。

【感想】後編になってやっと大仏が出てきました。この作品だけ見るとわりと面白かったのですが、やはり長年にわたるストーリーを３時間でまとめようとしたせいか、どうしても語りきれてないという感じが否めません。いわゆるクロニクル的とはまた違う、数十年の歴史を真備と大仏を主軸として紹介したといったところ。他にもいろいろあったのですがそれが全部省かれているので、これだけ見たのでは歴史を理解したことにはなりませんね。まぁそれはそれとして、今日は実に含蓄のある言葉を行基が発しました。「道を外れてこそ玄昉は、仏に近づいた」。深い、深いです実に。破戒僧であり、最後は安積親王の暗殺に手を貸すという、僧にあるまじき存在。しかし彼こそが大仏造営の発案者であり、最も強く願っていた人物でもありました。私はこれを聞いて、親鸞の「善人なおもて往生す、いわんや悪人をや」という一説を思い出しました。親鸞は行基よりずっと下った鎌倉時代の浄土真宗の開祖です。なので直接関係はないとは思うのですが、日本の仏教に根ざした思想なのかもしれません。私ごときがこのような仏教思想の深遠を語る資格はないと思うのでここでは書きませんが、玄昉が自ら殺した親王の血で汚れた大仏の絵図を見た時の気持ちを思うと、涙を禁じえません。

【史実とはこう違う】この時代、ほとんど古代なのでわかっていることの方が少なく、後からついた尾ひれの方が遥かに多いので、ここがこう違うという指摘はなかなか難しいです。ただどこを見ても玄昉が安積親王の暗殺に関わったという話は載ってませんね。それどころか、それが仲麻呂による暗殺だったのかどうかすら、まだはっきりわかっていないようです。それから藤原仲麻呂の乱、私には恵美押勝の乱と言った方がなじみがあるのですが、この原因は光明が死んだからだけではなく、孝謙天皇が悪名高き破戒僧・道鏡を寵愛し、仲麻呂がそれに対抗しようとしたところから始まったようです。２度の遣唐から生還した真備が仲麻呂征伐の指揮を執ったのも史実ですが、真備が諌めるべきは仲麻呂ではなく道鏡に操られていた孝謙の方だったと考えられます。しかし実際の真備はそこまでの力はなかったのでしょう。なので、ドラマでは道鏡の登場とその権勢がまるっとカットされていたことになります。あと、仲麻呂は死没時５８歳、真備にいたってはその時７０歳でした。仲麻呂の方が年下だったんですね。にしても７０には見えませんでしたね、真備ｗ

【あらすじ】派遣社員の花は、上司から取引先とのゴルフコンペでの接待役を頼まれる。花は断るが、出ないとクビと脅されしぶしぶ出場。そして素人とは思えない腕で活躍、最後もわざと外そうとするが跳ね返ってホールインワン、図らずも優勝してしまう。仕事はクビになり、父が抱えていた借金の返済が滞る。借金は２億、母は小さな食堂を切り盛りしており、受験生の上の弟と、まだ幼い弟と妹を抱え、その上新聞配達のバイトまでクビになってしまう。そこに、コンペで花のショットを見かけた醍醐という男が、花をスカウトにやってくる。

【あらすじ】つい暇なので見てしまった。悪気はなかった。ストーリーはスポ根の王道。貧乏だが天才の父の血を継ぐ主人公が、イジワルなライバルや憧れの先輩などと人間模様を繰り広げながら、成長していく姿を描いている。しかしあちこちにコメディっぽい要素が見られ、マジメに作っているのかふざけているのか、どうにも微妙な線である。多分普通なら見ていないところだが、ディケイドの井上が憧れの先輩役、ライバル役に片瀬那奈エキセントリックバージョンとあっては、見ないわけにもいくまい。特に片瀬は硬軟こなすこれから期待のできる女優だと思う。あのジョージアのＣＭに出てる人ね。それからコーチ役に石黒賢。この人最近仕事選んでないなｗ　そして花の下の弟役の上妻成吾も見逃せない。なーんかよく見た顔だなぁと思ったら、昨年度天てれサーカス部で大活躍した成吾じゃん！　てれび戦士やめたと思ったらこんなところに出てたのね。同枠の前番組・木下部長とボクと同じように、気軽に見れるドラマなので、暇な人にはオススメ。