連載小説! 四話
- カテゴリ:日記
- 2010/04/15 17:45:20
第一章 四話 死への恐怖。
俺ははっきり言いたいと思う、ソラは思考は危険だ。
「誰か居るか! いるなら返事してくれ!!」
あの後、火が燃え立つ村の中に入っていた俺とソラはすぐにこの火を起こした原因であろう魔物達と遭遇した。
狼の様な四本の足で毛深い獣、変わっている所と言えば、前歯の二本が異常に長く頭には小さいながらも角が生えていたと言う事。
そして、その数は合計で七匹、俺はすぐに逃げ出そうとした……だが。
「誰か居ないのか! お願いだ助けてくれっ! このままじぉ喰われるぅぅぅううう!!!」
あの馬鹿女は逃げる俺を捕まえると「騎士は暇を守るものですよ」と言いながら魔物の群れに俺を投げ入れただ、はっきり言いたい、お前は姫じゃなくて魔王だ!!
「あぁ、くそ!? 剣が在っても扱えないじゃ、ただの重りじゃねぇか!!」
なんとか逃げ切れているが、これも転生した時にソラが体を弄くってくれたおかげだ、この原因もアイツだけどな。
「少年! こっちに来い!」
俺の耳に図太い声が聞こえ、声の方向を見る、そこにいたのは大きな盾と槍を持つ鎧を着た男だ。
助かった! と思いながら俺は男の方向に向かって走り寄る。盾と槍持ってて鎧着てるんだから戦える者のはずだ。
「少年、冒険者だな! 後ろは任したぞ!!」
「はっ? 後ろって――」
――絶句。男の後ろにいたのは俺を追ってきた狼を数倍大きくした様な奴だった。
って待て、このおっさん! 俺を呼んだのは助ける為じゃなくて、一緒に戦う仲間が欲しかったからか、おい!
「お前の走り方は乱暴だったが、剣を持ちながらあれ程の速度を維持しているのだ、中々のやり手なのだろう!」
「原因はまたあの馬鹿女かぁあああ!!」
あの馬鹿女が改造してくれたせいで巻き込まれたって言うのか!? アイツは絶対に天使じゃない、悪魔だ! もしくは疫病神だ!?
「ガァアア!!」
「クソ、やればいいんだろ!? やれば!」
どうすればいい? 剣の使い方なんて俺はまったく知らないのに――。
俺は向かって来る巨大な狼に剣を向けたまま数秒間だけ考えたが解決策は見出せだせなかった、はは、このまま死ぬのかもな。
それだったら、諦めはつくかも知れない、車に引かれた時は一瞬過ぎて死んだ感覚が無かったけど、これなら死んだ感覚を持ちながらいけるだろ、痛いのは嫌だけどさ。
「グゥルァァァア!」
狼の爪がもうすぐ俺に突き刺さる、数十センチはありそうな爪だ、確実に死ぬだろう。
死んだらソラも悲しむかな……いや、あの冷徹な女が悲しむなんて事は無いか。
グシャ――。
あぁ、爪がとうとう突き刺さったのかな、そんな事を考えながらいつまに閉じていた瞳を開く、案外、痛みなんて無かったな――。
「――え? なんで、お前」
「誰が冷徹な極悪女ですか? う……かはっ」
目の前でソラが口から血を吐きながら、俺を見上げていた、お腹には狼の爪が突き刺さっていて――。
「本当に……地獄送りにされ……たい?」
「ぁ……ぁぁ……ぁぁああああ!!!!」
ソラが――、ソラが――殺された? この狼に――? ソラが、ソラが!!
「テメェェェエエエエエ!!!」
剣を振り抜き、狼の爪に向かって放つ、剣を振り上げて本気で振り下ろした俺の剣は一瞬の硬直も無く、狼の爪を切り落とす!!
許さない――、ソラを殺した事を許す訳にはいかない。
「グルァアア!」
狼が無事なもう片方の爪で俺を切り刻もうとする、俺は無造作に剣を爪を向かってくる方向に出しそれを受け止めた。
「なんだ――、全然軽いじゃないか」
あぁ、さっさと倒す事を選んでいれば、死ぬなんて考えなければ、ソラは死ぬ事が無かったのに……。
「ソラの受けた苦しみを思い知れ、この犬っころが!!」
爪を弾き、狼が後ろに距離を取った瞬間、俺は地面を蹴り飛ばし、狼の懐に入り込む。
そのまま剣を狼の下に入れ、一直線に切り上げた、狼は――、真っ二つにされて地面に崩れ落ちた。
「うぉぉおおおお!!」
その声に気づいた俺は振り向く、さっきの鎧を着た男は狼の二匹と戦っており、残りの五匹は――、倒れているソラに向かっていた。
「――触れるな!!」
ソラと俺との距離は60m弱、狼は20m弱、そんな圧倒的に間に合わない距離を俺は一瞬で詰めると、一番手前の狼を一閃、両足両手切り落とす。
「ガァ!」
もう一匹の狼は高く飛び上がりながら、俺に喰らい付こうとして来るが、俺は剣から左手を離し、軽く地面を蹴る、そして狼の顔を掴むとそのまま地面に押し潰した。
「ッ――!!」
声もあげる事が出来ず狼は死ぬ、そして残った三匹が俺を取り囲んだ。
「いい加減消えろよ、お前等」
俺は三匹を見回しながら睨みつけ、唐突に動かなくなった狼達の首を撥(は)ねた――。
あはは、こんなにも簡単なのに、こんなにも弱かったのに、俺が最初からやってればソラは生きていられたのにッ!!
「くそぉぉぉおおおおおおお!!!!!!」
面白かったです☆