Nicotto Town



白雪姫と雪の女王

「とりあえず上がって」
ちょっとためらったが上がることにした。
「何かいる?」
「いや、良い。」
リビングに通される。
「座って」言われるままにクッションに腰を下ろす。彼は向かい側に座る。
少しの沈黙の後「ごめん」彼が言った。
「何が?」
「今までごめん。もう昔とは違うんだよね」
何も応えられない。
「嫌いになったんだろ。だから冷たいんだろ。いつまでもごめん。」
「後悔してるのか」
「いや。そうじゃない。後悔してないよ」
そう言うとこちらに顔をあげにっこり、いつもより温かくていつもより淋しそうな笑顔。
「今は応えられない。ごめん。」精一杯の応え。上手く話せないのはどうして?
「分かった。」
ゆっくりと頷く。「まだ想ってて良いか?」
「勝手にしろ」私らしくない、顔が火照るの感じてそう思う。
「じゃあな」逃げるように立ち上がる。「すまなかった」
「いや気にするな」彼のお城を後にして自分の家へと帰る。
自分の部屋に入る。そっと壁に耳をつける。聞こえないのが何故だかすこし切なかった。

―この人が好きなんだ。昔からこの人に憧れ共に大きくなった。この人と一生を誓った―

アバター
2010/04/24 15:57
恋心は、切ないですね・・・



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