山あいを走るバスの怪②
- カテゴリ:マンガ
- 2010/04/24 19:04:45
文香は急にいやぁな感じがしました。運転手の頭が右や左、前や後ろにぐらんぐらん大きく揺れているのです。揺れた頭のまま、運転席からでてきます。立ち止まって、文香の方へ、ふりむきました。くすんだ土色の顔が、ゆがんでいます。目が合いました。
暗い穴のような目でした。そらしたいのに、そらせません。声も出せませんでした。じっと見つめられているうちに、文香の体は、つめたくなっていきました。
揺れている運転手の顔が、いきなりがくんと右にかたむきました。異様にかたむいた頭は、肩の上で、ぐらぐらゆれています。口のはしに、つーと、赤いものもたれています。
運転手に気がついたおねえちゃんが、
「ち、血。く、く、く、び、が」
と文香にしがみついてきました。
乗降口から入ってきてきりが、運転手の足元をただよいます。こいきりに誘われるように、運転手はバスをおりていきました。
「ついてこぉぉい」
と、声が聞こえます。文香は、かたてでおねえちゃんをおしのけました。
「ふみっ、どうしたのよっ」
おねえちゃんがさけびました。
「ついてこいっていってる」
「いってないわよっ。なにも聞こえないよ。しっかりしてっ」
体を思いきりりゆすぶられて、ふみかは、はっとおねえちゃんをみつめました。おねえちゃんは、また文香をゆすぶりました。
「しっかりして、ふみか。し、しずおばさんちへもどろう。ね、ふみ」
おねえちゃんは、声も体もふるえていました。
はじめて文香もふるえだしました。運転手についていこうとしたなんて、どうかしています。運転手とめがあってから、じぶんじゃなくなっていたような気がします。がくがくふるえながら、おねえちゃんといっしょに座席からすべりおりました。あの運転手がいったいなにものか、考えている余裕はありませんでした。はうようにドアへ向かいました。
つづきは、③で。
続きみたい!!w
今度も見ま~す!
楽しみにしてます