おおとうとさん
- カテゴリ:その他
- 2010/05/01 15:53:37
なんだかおもしろい。
不意に思った。
{あ、倒置法。
[あれ?これって倒置法なのかな?
(違う気がするけど、
語順を換えて楽しくしよう
ということに違いは無いか。)
]
}
本を読んでいて、本の内容以外で面白くなった。
「お兄さん」と言うけれど「お弟さん」とは言わない。
音の響きとして良くないし、言いにくい。
逆に「にい」だけでは、あまり言わない。
少なくとも、整った日本語としては使わない。
話し言葉として、方言や、くだけた話し言葉として使う。
会話の中で人の愛称などで「にい」と言う。
一方、弟は、「おとうと」以外、くだけた表現も無い。
弟には、フォーマルもカジュアルも無いわけだ。
{おっと、外来語が出てきた。
[僕はとっさに「フォーマル」の日本語が思い浮かばなかった
(「カジュアル」は「くだけた」で良い)
二つの語を組で書くので、外来語にそろえた次第。]
「丁寧」「正式」では置き換えにくいだろう。}
外来語が出たついでに書くと、英語の「brother」は、兄でも弟でもなく「兄弟」。
しかし、僕の勝手な印象だが、映画などで聴く「brother」は弟に近い気がする。
ギャングの下っ端が、「下っ端同士」として「ブラザー」だったりするので「下っ端」が重要な気がする。
余談ついでに、「sister」は、修道女や尼の意味もある。
もしかしたら、日本の職人や芸人が「弟子」をとるように、カトリックに遣える「娘や妹」なのかもしれない。
ただ、修道女は、信者から見て、丁寧に接するべき相手で、一面で目上のような印象もある。
だから僕には、「シスター」は「姉」の印象が強い。
(って言うか、黒いシンプルな服を着たシスターを見ると、僕は無条件で「お姉さん」と感じてしまう。もう中年にさしかかったおじさんなのだが、ずっと年下のシスターでも「お姉さん」。逆に、神社の巫女はお嬢さん^_^)(バカ)
まあいずれにしても、僕の勝手な心象である。
ひるがえって、「お兄さん」を見ると、事情が複雑に感じる。
事務的、あるいは格式的には「あに」と読む。
日常的な生活感の中で丁寧なのが「お兄様」「お兄さん」。
くだけた表現で「おにい」をたまに使う。
弟はそこまで細かくない。
要するに、「兄」は社会的な上下関係が重要なんだ。
現代の日本では、「産まれた順」程度にしか意味は無いが、昔は家系の中での責任者にならなければならない。
家の責任を持つからには、社会的な責任にも関わる。
言葉というのは、生物の個体と個体のあいだで情報を交換するための道具だ。
従って、言語は社会のものであり、社会の要請によってつくられる。
「兄」が「弟」よりも複雑な理由である。
話が固くなってきた。
僕は、もっとふにゃふにゃに書くつもりだった。
「おとうと」に「お」「さん」を付けて「おおとうとさん」。
ひどいものだ。
じゃあ、「おにいさん」から「お」「さん」を盗ると「にい」。
くだけている。
くだけ過ぎている。
「あに」のくだけた表現で「あにい」「にい」などになったはずだ。
「あに」が標準なのである。
じゃあ、「おとうと」をカジュアルにすると、
「とうと」、、、?
「と」、、、、?
これでは「父」になる。
くだけた表現にもできない。
どうにもならない。
語源とは、どのような言語にもみられる現象だが、音数が少ない。
原始的な言語は、単語の数も少なく、発音も単純だったはずだ。
例えば身体的な表現。
「目」「手」などは一音。
「指」「足」など二音。
「空」「山」も二音だ。
「おとうと」は四音で、長過ぎる。
語源が想像できない。
もしかしたら「あに」は、「あに」じゃなくて、原始日本語では「に」で、発音が「にぃ」だったのではないか。
さて、ここまで全て想像だ。
根拠のある学問ではない。
僕が過去に読んだ新書などの知識に関連するので、「根も葉も無い」ものではないが、想像の範囲は超えられない。
まあ、頭を使うことが楽しい、というのは、こういうことだ。
そうした記事でした。
{ちなみに、こちらは中公新書か岩波新書で読んだ。
[細かいことは忘れた。
(古事記などに書かれる「いざなき」「いざなみ」
これは「誘う」の古語「いざない」である。
誘う男「いざなき」
誘う女「いざなみ」
地上へ誘い合って降臨した神の意味である。
「き」「こ」が「おとこ」の語源で、
「み」「め」「な」が「おんな」の語源だ。)
「天」を古い日本語では「あめ」と読む。
「雨」は「天」から降ってくるものだから「あめ」なのだ。]
}
{お!今年の天気を反映した締めくくりになったぞ!
(ちゃんちゃん♪)
}