内心八雲。 №3 この部活で。続き。
- カテゴリ:自作小説
- 2010/05/06 22:26:45
≪コンコンッッ≫
「「失礼します~。」」
初めて入る部屋は、小さな部屋で。
窓が2つあって、隅の方に職員用机が置いてあった。
要はそこに伏せていた。
「先輩・・・?」
「あぁ、起しちゃ駄目だよ。」
「え・・・?寝てる感じ?」
「いや・・・寝てる訳ではないと・・・思う。」
そんな会話をしていると、いつの間にか要が顔を上げていた。
「うん・・・?」
「あ。先輩大丈夫ですか?コンタクトしたまま寝たら・・・」
「おー。さんきゅ。あ、昴さ・・・
冷えたタオルと温めたタオル持って来てくんねェ?」
「あ、はい。んじゃあ嵐ちょっと待っててね。」
「あ~うん。」
昴はそのまま部屋を出た。
名前呼びだったっけ?とか思いつつも、
今思えば嵐と合奏中以外は全員名前だった、などと思っていた。
その間に第4部室の前に来ていた。
「失礼しまーす・・・」
誰も居ない部室はがらんとしていた。
奥にある倉庫にタオルがあったな、とうろ覚えの自分の記憶を頼りに
倉庫に行った。
「んーん・・・タオルの棚的なもんがこの辺に・・あ!!あった!!」
そこからタオルを3枚とって、冷やしたり温めたり。
準備するとそのまま要の居る部屋に足を進めた。
「失礼します~」
「お前な、ちゃんと入れよ・・・」
「いやぁ・・語尾を伸ばすのが癖なんですよ~。」
わざとらし結構伸ばしてみると、要は疲れた顔でふっと笑った。
「それよりなんでタオル?」
「あれ?言ってなかったか?
合奏中に眼とか耳とかいろいろ使い過ぎで超いてぇんだよ。」
「え・・!?そんな・・無理しちゃだめですよ??」
「まぁ、もうこれが合奏終わった後にする事ってなってっからな。」
「そんなに前からなんですか?」
「指揮者するようになってから2週間・・くらいだから去年の11月くらい?」
「え・・・」
「そんな顔すんなよ・・」
要は困ったように笑った。
しかし昴は、なぜこんなに人の為に無理が出来るのかと不思議だった。
「要先輩は・・・優しいんですね。」
「は?そんな事ねぇよ。もっと的確に、全員に良くなる事とか言えたらいいんだけどよ。これ以上やってたら眼が痛むからな。本当に駄目だよ。」
「そんな事ないです。あたし・・・前の学校で吹奏楽部だったんです。」
「知ってるよ。」
「え・・??なんでですか!!?」
「いや、コンクールってもんをしらねェのかよ。」
「あぁ~・・・」
「しかも俺らとお前らで超仲悪い強豪校って言われてたからな。」
「た・・確かに。」
昴はそんな事すっかり忘れていた。
というより、忘れたかった・・・の方が正しいのか。
もう今の学校生活だけで
いっぱいいっぱいだったと言う事にしておこうと心に決めた。
「俺はお前の横に居たクローン人間の方が印象強いけどな。」
「あぁ・・・ですね。」
クローン人間。というのは、昴と幼馴染で、
喜多河高校吹奏楽部の1年生の双子のそっくりさんだ。
それはそれは似ている。見分け方は本当にごく小さなものだ。
眼の下に泣きぼくろがあるか無いか。
それ以外は全く一緒だ。
兄の方が新(あらた)。弟の方が星(せいや)。
繋げたら新しい星。という、ちょっと手のこんだ名前だ。
泣きぼくろがある方が新。無い方が星だ。
「まぁ・・新と星は一種の名物でしたよね・・・」
「俺は嫌味な双子としか思わんがな。」
「はい・・・」
新と星は、見た目以外は本当に馬逆だ。
新の方はとても穏やかでお兄さんな雰囲気がある。
打って変わって星は皮肉屋で漫画・ゲーム好き。
要の言っている嫌味の大半は星が言っているのだろう。
「まぁ。その方が燃えるけどな。」
「これ以上練習するんなら本気で止めますよ。」
2人が話している間にいつの間にか嵐は居なくなっていた。
「あ、もう6時。先輩、眼まだ痛みますか?」
「・・・・」
「あれ?先輩?」
要からの返答はいつまでまっても来ない。
おそらく寝ている。
昴はそっと要の眼に乗っているタオルをどけた。
「お。格好良いかも・・・」
「ん・・・」
要が起きるまで待っていた昴が学校を出たのは
7時を回っていた。
いやぁ。なんかどんどん話がおかしくなってる気もしますなww
でも頑張りますぞww
次回~は・・・
№4 丸一日デート ?
的な?なんか今まで学校の事ばっかだったんでw
たまには遊ばなければw
タイトルが気になるぅ~w
ちょ、まって眠くて理解できへん(誰
明日読むわw