握った手
- カテゴリ:自作小説
- 2010/05/08 16:08:50
日が南南西に傾いた頃
彼は帰って来た
おかえりなさい
心の中でだけ呟く
彼から話しかけられた時だけ
私から話しかける事は禁じられている
「行くぞ」
「はい」
手ぶらで部屋を後にする
いつも部屋から見ていた
海 という所に向かう
それは透明で
太陽の光を受けると
輝いていた
彼の部屋にあった
宝石達のように
船は4階
地下には乗ってきた車に食料などの貯蔵室
1階は使用人の部屋
2階はダイニングやお風呂 会議室など
3階が彼と私の部屋
私の部屋は
天蓋のついたベット
彫刻の入った木製のタンス 机
革張りで座り心地の良いソファ
白とココア色で統一された部屋
そして丸い窓は
海を切り抜くようにしてあった
憧れです^^