Nicotto Town



小説その5(太陽と月の神話)

題名決まりましたよ~






横からきた衝撃に吹っ飛ばされ木の幹に強かに頭をぶつけた。頭が揺れる。体が支えられなくて倒れてしまった。
「市原さん!?血が……」
月見が慌てて近くまで来て慌てて来て血を拭い始めたようだ。目眩がしてよく見えない。
「貴様!何の用だ!」
「――様からの伝言だ」
血を拭いて安静にさせようとしていた月見が震えている。何が起こったんだ?
「その娘は――の巫女の娘か」
聞こえない
「――様の計画の妨げとなる」
聞こえない
「この子はサエの孫だ。貴様らなどに渡すか。」

そこまで聞いた瞬間目の前が真っ暗になった。




……夢を見た。
「あら、ひさしぶりねぇ」
「孫の顔を見に来たんだが。寝ているのか?」
「俺のひ孫だからな。顔は見たい」
男の声が聞こえる。此処はどこなのだろう。
「お、目ぇ開けたぞ」
「サエの面影があるな。――の面影もある」
人の顔が見える。だがよく見えない。曇りガラスを通して見ているようで顔がはっきりと見えない。片方は黒色の髪、もう片方は緑の髪……緑? この世界に緑の髪って有りなのか? だけど何故か懐かしくなって泣きたくなった。
「お、おい泣き始めたぞ!?うわ、どうしよう」
「――は子持ちだろう。育児には慣れていないのか」
「俺があやすと泣き始めるんだよ。ああ……よしよし」
体が持ち上がる感覚がする。緑の髪が困ったように揺れる。それが案外楽しくて笑った。
「わ、笑った」
「さすが、サエの孫だな。豪胆だ」
この二人、いいコンビだな。そう思っていたら、意識が遠くなった。
「いいか、お前は俺の子であり――兄者の巫女だ」
そう聞こえた。




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