蝶と水面(みなも)
- カテゴリ:小説/詩
- 2009/02/08 11:45:59
蝶が水辺に飛んでくる
ひらひらり ひらひらり
水面はキラキラ
ゆらゆら揺れて
その姿を美しく映し出す
蝶はひらひら
美しい姿をもっと見ようと
ひらりひらりと水面に近付く
もっと近く
もう少し近くで
そうしているうちに
ふと触れたくなったりして
でもね 蝶々さん
あなたは知っているのかしら
水面に近付き
それに触れた瞬間
水中に引き込まれてしまうということを
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キラキラする水面に誘われ
美しい姿を見る
輝く幻影に近付き
ひらひらと
それに触れようと
すうっと降りていく
刹那
液体に触れる感触
顔を濡らし
身体を濡らし
もがけば羽にまで水は触れ
背中に覆い被さるそれは
重しとなり水中へと誘う
沈んでいく蝶
もがく力もなく
ただ水底をじっと見つめる
後に残るは
輝く水面
それに漂う蝶の名残のみ
人間の収集癖には困ったものです。
綺麗だからと集めて
数が少なくて珍しいと言って集める
まったく人間というやつは・・・
なんて言う私も人間でした。
因みに蝶も蛾も苦手ですー
他の虫や鳥には食われるわと
蝶の生活もなかなか大変。
それでも生態系の範疇なら
まだましなのかもしれないけど。
鑑賞目的で人間なんぞに採集されまくって
絶滅しちゃった種もいたりするのが
なんともやりきれない感じがする。
基本的に同じ生物なのに
毛嫌いされてあまり採集の対象にならない
蛾のほうがなんぼか幸せなのかもしれぬ。