Nicotto Town



ビルマVJ


2007年、ビルマ(ミャンマー)における反政府デモの記録です。
大阪、十三、第七藝術劇場で観てきました。

VJとはビデオジャーナリスト。
ビルマではデモなど、反政府的な意見を述べただけで連行、
投獄の危険が伴います。
小型のハンディカムで世界にビルマの現状を伝えたいと
無名のVJ「ビルマ民主の声」メンバーたちが命がけで撮影しました。

わたしたちはこの行く末を知っています。
右目の目頭に落ちない涙が溜まったまま、時折、逃げる為に揺れる画面に
見入り続けました。

政治未介入だった僧侶が、燃料に値上げに伴う物価上昇に抗議しデモ
軍が暴力的な行動を取ったために、僧侶たちが本格的に立ち上がりました。

みんな若い。柿色の僧衣を纏った僧侶たちは少年と呼んでもいい年格好も多い。
僧侶二千人が非武装で行進。民衆たちは拍手で迎え、デモに加わっていく。

敬愛するアウンサンスーチーさん
彼女がいかにビルマ民衆の希望の光であるのか。
軍の恐怖を忘れさせる力を持った人であることが痛いほど分かる。

暴力と死を恐れず行進する若い僧侶たちの勇気に胸が震えるとともに
痛ましさも走る。

9月27日、デモ隊を取り囲むように軍が発砲。
日本人ジャーナリスト長井健司さんが射殺される。
その姿をビルマVJが偶然撮影していました。

後ろから至近距離で撃たれました。
何度もニュースに流されました。
この映像がなければ、軍報道の「流れ弾被害」となってしまったかもしれません。

彼は「そこで何が起きているのか、社会に伝えなければならない。
誰も行かなければ、誰かが行かなければならない」
言っておられたそうです。

民衆、僧たちへの発砲、拉致、で事態は収束していきます。
もう3年も経ってしまったんですね。

最後は川に浮かぶ、焼け焦げた若い僧侶の遺体が写ります。
信仰篤きビルマの人々には耐えられない事でしょう。

日本はビルマ支援に多額の資金を提供しているそうです。
そして、軍事政権も承認しています。
発足後すぐで、今ほど圧政ではなかった時代ですが。。

ビジネスでも多くの企業が係わっています。
ミャンマー産のゴマなどは見かけがことがあります。

日本政府も、そしてわたしたちも何かできないものか
深く問いかけてきます。

機会があれば、是非見て欲しい作品です。

アカデミー賞ドキュメンタリー部門候補作品でもありました。
で、なんで受賞作が「ザ・コーヴ」なんだろう。
なぜ?と思うのはわたしだけではないはずですが。。

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2010/06/09 15:02
西の魔女さん★コメントありがとうございます。

イルカ、って「わんぱくフリッパー」ですからね。
そちらの方が受けがいいんですもんね。
刺身だって残酷だと反発しておきながら、ヘルシーだと知ると
もてはやされている。
娯楽的な部分が優先されたのは悲しいことです。

観始める前から、分かってしまっている未来に突き進む。
その哀しさがありました。

長井健司さん。本当に銃声にも恐れることなく
最前列でカメラを手にしておられた。
在留邦人の方に「もし、死んだら、フィルムを日本に届けて欲しい」
という伝言があったそうです。

そのビデオカメラは現在も行方不明。

彼が西洋人だったら、また変わっていたかもしれませんね。
それは考え過ぎかな。
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2010/06/09 14:57
らてぃあさん★コメントありがとうございます。

街中に秘密警察が紛れ込んでいて、批判する者に目を光らせている
監視社会のようです。

下層兵士の暮らし向きも大変なようですが、
反旗を翻すことがないのは、よほどの恐怖を植え付けているからでしょう。

貧しい兵士が貧しい国民を迫害し、殺す。この構図。

軍内部から反発が起こらない限り、本当の変化は訪れないかもしれません。
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2010/06/09 14:53
アッシュさん★コメントありがとうございます。

そうですね。
小学校の推薦図書に「ビルマの竪琴」が必ず入ってましたもんね。

本国ではあまりこだわりがないそうです。

ただ、ミャンマーとなってからは軍、独裁制になってしまったので
それに意を唱える意味でも、「ビルマ」ですね^^
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2010/06/09 14:51
南の島のヒロさん★コメントありがとうございます。

そうですかぁ^^;そういう見方もあるんですね。

基本的にアジアは豊かな土壌だと思うんです。
資源や動植物も。だからこそ、生きて生き易かった。そのせいで怠け者的でも
大丈夫だった。危機意識が薄い。良く言えば、おっとりとしていて、西欧人にやられてしまったんでしょうね。

すべてはそこから始まっていますね。
アフリカもそう。風土にあった国造りや、国民の教育や意識ができぬまま
武力だけが流れ込んできた。
昔からあった温厚な信仰も輪廻転生も、独裁者となった支配者にはゴミに等しいのでしょう。

ODA、この資金がいったい何に使われ、どう流れているのか
そしてたくさんの日本企業が進出してます。
日本人がビルマの内情を知り、そして支援の在り方を考えるようになれば
少しは変わっていくのでしょうが。。。

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2010/06/09 14:42
カルカンさん★コメントありがとうございます。

力があるからこそ「美しき服従」を忘れてはならないのが
軍なんですね。

力によっての支配は、己を見失い、国の未来を奪います。

暴力によって人々を支配し始めると、反発があるのが当然だから
どんどんエスカレートして歯止めがなくなっていきますね。

国があれます。気が付けば自身も。。だと思うのですが。。
そんな隣国との付き合いの仕方、日本も明確にせねばなりませんね。
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2010/06/09 01:18
かえささん★コメントありがとうございます。

そうですか。かえささんは世界を飛び回っているので、外交官や商社の人と
接する機会があるんですね。

それは一理ある、とは思うんです。が、建前でしょうね。。
軍を維持するだけの武器と資金、
そこに、資源外交の得意な中国という大国がいるわけですね。

欧米諸国が経済制裁を科している中、
日本に外交ルートがあることは、悪い面ばかりではない部分もある気はするんですが。。

たとえば、今回の台風被害でも、支援物資を直接国民に届ける場合
ビルマに進出している企業であれば可能のようです。
ただ、現状を外部に漏らさないという条件付きのようですが。。

結果的には軍部に資金が流れて、存続させている手助けにもなっており。。
なんとかならんのか。。と

「ザ・コーヴ」に関しては全くです!
わたしもイルカは大好き。食べることには抵抗がもちろんあります。
クジラ問題も、歴史的には、絶滅に追い込んだのは欧米諸国。油が必要だった時代
獲りに獲りまくり、肉は捨てていたんです。
日本はすべて使う。ひげまでも。
歴史も知らずして、攻撃してくるから、御都合主義もいいところです。
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2010/06/09 01:00
かりんさん★コメントありがとうございます。

グローバル化となってしまった世界。
商品市場が世界規模。その調達も世界のあらやる地域の及びます。

政府が混乱していた方が
資源調達には都合良い場合もある
そんな企業が、軍事政権維持の底にあるんですね。

実は日本企業もたくさん軍事政権と取引しているわけです。
それがどこか、どんな商品か。
それを知れば企業の社会的責任を問える方法は
わたし達にもあるなぁと思うんですね。

彼らの命がけの活動で
一時、バラバラになっていた「ビルマ民主の声」
十数名しかいなかったVJが
現在ではかなり増えてきているそうです。

何度も流された長井健司さん殺害シーンは
苦しいものでした。
銃声や混乱の最中、最前列でビデオカメラを回し続けていた姿
胸に残ります。

そのビデオカメラは現在も行方不明。

是非ね、機会があれば観てくださいね。

アカデミー賞受賞となれば、上映してくれる場所が増えたかもしれないのになぁ。。と。

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2010/06/09 00:47
亀吉さん★コメントありがとうございます。

おぉ。。お好み焼き、なかなかの腕なんですね^^

敬虔な仏教徒の国が
危機に瀕する場合が多いですね。
それが少し気になっているんです。

タイ、チベット、ミャンマー
仏教の基本は政治に関与しないことと、非暴力。
迫害されても抵抗しない部分にあるんだろうか。

日本の仏教は葬式に偏ってしまい
信仰という感じは薄れているような気がします。
それでも土壌は同じ。

ミャンマーの人とは出会ったことがありませんが
ものすごく親近感を持っています。
やっぱり「ビルマの竪琴」かなぁ。。。

個人的なふれあいがあると
想いを馳せてしまいますね。

台風被害が大きかったから、ますます気になるところですね。
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2010/06/09 00:39
ハレルヤさん★コメントありがとうございます。

良質のドキュメンタリーは、メジャーな映画館で上映される機会が
ない等しいのがとても残念。

第七藝術劇場は、一時閉館となったんですが
市民の要望で再開となった経緯があるようです(詳しくは知らないんだけれど)

「靖国」上映問題
右翼の陰に、上映中止でトラブルを避けようとする映画館が続出する中
「うち、やりますよ」
と唯一公言していたのが第七劇場です(拍手)

満席になるのが少ないのですが、「靖国」上映はチケット完売が出てました^^

アカデミーに関しては
ものすごいブレがありますね。
基本商業主義だから仕方ないかとも思うんですが。

マイケル・ムーアなどが受賞した時は
捨てたもんじゃないとも思ったんですが。

要するにアメリカ人にウケル問題が
受賞するわけだ。

アカデミー受賞となれば
知名度も上がり、日頃興味のない人の関心も引く。
その必要性がドキュメンタリーの真髄であるはずなのに
ちょっとアジア人蔑視が見え隠れ。。


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2010/06/08 15:24
映画と言うカテゴリーの中の話だから仕方ないのかもしれないけど
同じ土俵で競うものではなかったですね・・・

表現の自由に立ち向かうにしても、覚悟が違う。
命懸けの告発と、商業主義の偽善の告発は
同じ告発ドキュメントとして、並べてはいけませんね。

競うというより、広く知らしめる必要があったのは
どっちなんだ?という話・・・
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2010/06/07 21:55
貧しい社会でどれだけの弱者が苦しむことか・・。

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2010/06/07 17:16
ミャンマーねえ。
ビルマってのがしっくりくるお年頃な俺ですw
それにしても、軍政ってのは・・・
ろくなことがないですね。
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2010/06/07 11:32
こんにちわ。

 ワテ、そのドキュメンタリーは見ていませんけど、日記で映像が浮かびましたわ。
 全く違う見方ですけど、この軍事圧制のミャンマーがあるおかげで、南の島はアジアのどん尻にならずに済んでるんですわ。 人権を無視して永続した政権は無いのだけど・・・・・・・・ 日本政府も援助凍結に踏み切らないと、節操の無い国だといわれますよ。
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2010/06/07 09:46
軍事力によっての政権、進むべき方向を決め
進む分には御しやすいですが・・・
国を形作る人に対する虐殺は、どこかが違う
気がします。。
国を豊かにすること、支援の仕方
政治は難しいですね(。。)
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2010/06/07 05:57
そのドキュメンタリー・・手毬さんのブログからもミャンマーの悲惨さが伝わってきます。
ミャンマーの軍事政権の一番の支援国は中国で 日本もほかの国々も中国への対抗上 政府を承認して 経済活動に関わらないといけない って外交官や商社の方が言ってました。・・経済制裁をして中国の属国になる方が怖いとか。・・でも 結局はお金が優先しているような気がしますけど・・


私もイルカはかわいいと思いますし 彼らを食用にするなんてひどいとは思いますけど・・他人の食生活や嗜好にまで口を出すなんて・・そのイルカが絶滅危惧種じゃなければ・・とんでもない思い上がりだと思います。
あの映画をつくった人も賞を与えた人ももっともらしいことを言ってても 日本人への差別意識と日本をたたけば儲かるというビジネスモデルが垣間見えちゃって 腹が立ってます。\/=3
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2010/06/06 21:20
黒猫手毬さん、こんばんは。

覚悟を決められた僧侶さんの描写に、辛くなります。
そうまでして、戦争で得られるものはなんなのだろう。
けれども、わたしたちは意志がある。
意志があるから、考えることができるし、対立することもある。

また、時間が流れることで、時代が変わり…忘れられるのが怖いです。
忘れられる前に、多くの人に伝えてほしいです。

タイの日本人カメラマンが亡くなったニュース、思い出しました。
記憶に新しいせいかもしれません。
人間一人の力は、決して大きくないはずです。
けれども時間が過ぎて彼らの顔が忘れられても、映像はずっと残るはずです。

わたしも、見つけたいです……。
しばらく、ドキュメンタリー、見ていないです。
命を賭してまで映し出された、その人の想いと現実。
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2010/06/06 09:33
15年前に日本にいた頃、お好み焼きやさんで数年バイトしていました。
私は週3回だったのですが、ミャンマー人が3人位働いていました。
仏教の国の人らしく、皆優しくて、礼儀正しくて、お茶目な人たちでした。
外国の人という感性の違いをまったく感じさせない国の人でした。

時々、思い出すんですよね。
彼らは、今自国で元気にやっているのかなと。
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2010/06/06 08:21
十三がそんなアカデミックな町になる前の住人です。
(や、今もちがうけどね。)
ほんとのジャーナリズム魂のこめられた作品は少なくて。。

結局キャッチーでエキセントリックに見えるもんが金を呼ぶから
「アカデミー賞」なんじゃないのかな。
権威はいらないけど、多くの人の眼に触れる機会を
真の作品には得て欲しいですよね。

ザ・コーヴに関しては盗撮だのなんだのってマスヒステリア
なんらかの眼差しは作り手側にはあったんだろうけど
すでに一人歩きしてしまっておる。
あれは「世界に知らせたいドキュメント」ではないよ。うん。
人とイルカとどっちが重大なんだよって
原点を忘れてなければいきつく単純な矛盾。




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