見れなかったDVD
- カテゴリ:日記
- 2010/06/10 00:54:04
4月のとある朝。
まだひまわりは元気で、完治を目指して抗がん剤治療をしていた頃です。
彼女は一枚の新聞広告を持って、私の所に駆け寄ります。
「ねぇねぇ、コレ欲しい。」
手には DVD BOX の広告。
さて、彼女が欲しがっている作品は・・・。
刑事コロンボ
そもそも、彼女が刑事コロンボを始めて観たのは、私の影響からでした。
コロンボ役のピーター・フォークの
「ウチのカミさんがねぇ・・・」
というフレーズが大好きだった私。
〇曜洋画劇場で放送があると、必ず見ていたものです。
一緒に見ていたひまわりも、ピーター・フォークのあのとぼけた魅力に取り付かれてしまったのです。
「どうせ治療で仕事できないから、コレ全部観てやるんだ!」
そう言えば、4月の30日はひまわりの誕生日。
「よーし、俺がコレを買ってやろう。誕生日プレゼントだ。」
「え~だってアンタもコレ観たいんでしょう?どうしてアタシのプレゼントなのよ!」
我女房ながら、鋭い突っ込みだったのです・・・。
結局、注文したのはいいですが、ひまわりの誕生日には間に合わず、5月になってからの商品の到着になりました。
もう、半分くらい忘れてましたよ!
忘れてしまう程の到着とあって、少々熱が冷め気味のひまわりさん。
そのうちゆっくり観ようと言うことで、しばらく放置プレー。
しかし6月の半ば頃になると、彼女の身体の具合が悪くなってきてしまったのです。
何をしてもすぐに疲れてしまい、ベッドに引きこもってしまいます。
「ベッドにノートPC持ち込んで、それでDVD見ようか、俺も一緒に観るからさ。」
「うん、でもリビングの大きいテレビで観たいなぁ。もう少し具合がよくなったら、一緒に観ようよ。」
そうこうしているうちに、6月が去り悪夢のような7月がやってきてしまいました。
入院生活の中で観れればいいと思い、ノートPCとDVDを2枚だけ、病室に持っていってあげました。
しかしとうとう、ひまわりは一枚も観る事が出来ませんでした・・・。
いつか一緒に見観ようと思って買った、刑事コロンボのDVD BOX。
ひまわり・・・
まぁ、これから1枚ずつ一緒に観ようや。
http://blufiles.storage.live.com/y1pZwyf8FMQ_mRtxv-cxCBU_0fT15wj_jcgP-0LeQ312XeKjoFxoKllkJELK8PfVGfQm8CdLHTT_lc
あ、もう一つだけよろしいでしょうか?・・・
ウチのカミさんがねぇ・・・
おぉ!「別れのワイン」ですな。
エンディングでは追い詰めたコロンボと犯人の
妙な友情や尊敬の念まで感じさせられました。
間違いなく、私のベスト3に入る作品ですよ。
そうそう、ひまわりは洋画は絶対に字幕で見る派でした。
しかし、コロンボは吹き替えがいいって言ってました。
小池朝雄さん。。。はまっていましたねぇ~。
あの、ワインの話のラストのとことか、泣けませんでした?
ひまわりさんのことですから、声優の小池朝雄さんのサインとかねだってるかもしれませんw
ピーター・フォークも、最近は魂だけ自由に天界へ出入りしているという噂ですし・・・
いろんな情報を集めて、準備万端、お菓子も持って一緒に観てくれるでしょう。
本当に、見事に一枚も見せられませんでした。
心残りですねぇ・・・。
あ、参考にしちゃいます?
喧嘩なさらないようにね~。
コロンボ、いいですよね。
現代のドラマ、古畑や相棒のルーツになっている気がします。
きっと一緒に見てくれていると思います。
だから大切に持っていなきゃですね~。
ひまわりさんの鋭い突っ込み、参考にさせてもらいます!
その人のために、用意したものが、残ってしまうのは悲しいですね。
天国のひまわりさんと、いっしょに見てくださいね。