梅雨時の装束たるや…
- カテゴリ:ファッション
- 2010/06/12 12:56:52
(※読めない方がいらっしゃるようなので、訳つけてみました。
読める方には釈迦に説法ですが、ご了承くださいね。)
梅雨時の装束たるや、いみじうこちたきものにて、うとまし。
今こそ、ふぁっしょなぶるなる種々のぐっずもあるべけれど、
平安の世こそ、いとどうとましかるべけれと、思ひやる。
梅雨時の衣装ときたら、たいそうかさばって仰々しいもので、嫌です。
今でこそ、ファッショナブルな様々なグッズもあるようなのですが、
平安時代は、ますます嫌だったにちがいないと、思いやられます。
いと小さき時は、長靴、からふるなる傘、ひよこ色のびにーるの合羽など、
ぶかぶかしたるものを装束きたてられてありくぞ、
また、傘などの石突きでふぇんすを打ち鳴らしつつ行くも、
水たまりなど、わざとに入りて水はねなどして興に入るが、
本人も、また、周りの者も、おもしろかりし。
たいそう小さいときは、長靴、カラフルな傘、ひよこ色のビニール合羽など、
ぶかぶかしたものを着飾らされて歩き回るのが、
また、傘などの石突きでフェンスを打ち鳴らしながら行くのも、
水たまりなど、わざと入って水をはねなどして面白がっているのが、
本人も、また、周りの者もおもしろかったです。
大人になりぬれば、革製品など、濡るるはゆゆしき物の多くて、
また、うつくしくらうたきぐっずなども、使ふ時はよけれど、
その後の手入れ、取り置きのやかましければ、なほうとまし。
大人になってしまうと、革製品など、濡れたら大変な物が多くて、
また、かわいいグッズなども、使う時はいいんだけれど、
その後の手入れ、保管が面倒くさいので、やっぱり嫌です。
湿気多くて髪の広ごりぬ、何よりこちたきものにて、いとどうとまし。
手入れうるさがりて、まとめて結いなどすれど、なかなかまとまらず、
くちをしきことこそ、我も、他の人も多かめれ。
湿気が多くて髪が広がっちゃうのは、何よりかさばって、ますます嫌です。
手入れを面倒くさがって、まとめ髪なんかに結ってみても、かえってまとまらず、
残念な状態なことが、自分も、他人も多いように見えます。
人の装束はさておき、
梅雨時の森羅万象はとりどりによきものなり。
人間のファッションはさておき、
梅雨時の自然界はそれぞれ最高のものです。
雲行きの怪しくなりて、
あまがえるなど、楽しげに鳴くも、
また、夏の雨のびい玉のごとき香ぞ、いとよし。
遠く静やかに神鳴るも、いとをかし。
雨にうたれて頭重たげに紫陽花のえも言はれぬ様々なる色にて咲くは、
言ふべきにもあらず。
雲行きが怪しくなって、
あまがえるなどが楽しそうに鳴くのも、
また、夏の雨がビー玉のような香りなのも、大変いいです。
遠く静かに雷鳴が響くのも、とても素敵です。
雨にうたれて頭が重たそうに
紫陽花がえも言われぬ様々な色で咲いているのは、
言うまでもありません。
(ま、ちょっと、枕草子をかじってたら、
元ネタも分かって、読みやすいと思うんですが、ね。^^)
装備も装備ですが、この時期、濡れるのもまた一興です。
子供の時のように、女性はいけないのがつらいですね・・・
結局、雨に制約されてるのではなくて、世の中に束縛されてるのでしょうか。
私は男性ということもあって、子供の時とさして変わらず、気楽なままです。
えっと、カメラは濡らせないですが。