「明日の景色」
- カテゴリ:小説/詩
- 2010/06/14 04:45:03
幼い少女が そこにいた
仲間に いれてもらえずに
あなたがいると
みっともないのよ
あっちいって
どこかへ隠れてなさいよね
幼い少女は ひとり
隠れていました
大仰に個室を与えられ
好き放題 わめきちらして
その声は
外にいる姉さんたちに
苛立ちを あたえ
成長を とめてしまった少女
いつまでも いつまでたっても
幼い少女のままだった
姉さんたちが
なにかしようとするたびに
足をひっぱり
ひきずりおろす
少女の恨みは深くって
姉さんたちが何かしようと試みるたび
突然に 泣き出し 困らせて
だいなしにするのでした
幼い少女は ひとり
いえ何人いたかはわかりません
成長をとめたまま
姉さんたちから のけものにされ
けして 外には出てこないようにと
言いつけられて
ある時 ひとりが抜け出した
この目で世界をみるんだ と
空の高みに 駆け出した
姉さんたちと幼い少女たちが住む
たった その小さな世界の高みへと
少女はイカロスの羽根
落っこちて
そこには姉さんたちの姿はなかった
絶対安静
だれも近づけなかったという
傷ついた羽根が とても悲しくて
みてきた景色を夢にみながら
くる日もくる日も 待ちわびて
羽根は壊れてしまったけれども
絶望の底から はいだしてきた
年月が また姉さんたちを呼び戻し
幼い少女は そこで
ようやく仲間になれた
姉さんたちと 共にゆく
幼い少女は言った
明日は とても晴れるよと
すると
そのようになるのだった
明日をすこし みてきた少女
それは内緒
だれにも知られないように
明日の景色を見にゆこう
こっそりと
姉さんたちは知らないの
幼い少女 ただひとり



























