Nicotto Town



チェ・ゲバラを観て…(1)

Tシャツにもなっている有名な革命家チェ・ゲバラ。
その実像は日本人の間であまり知られていない。かくいう私もその中のひとりだ。ドキュメンタリータッチで、観た人が良いと悪いで分かれている本作、
長編ゆえ、キューバ革命を成し遂げるまでを描いた前篇「チェ・28歳の革命」
新たな革命を目指した地、ボリビアで命を落とすまでの後編「チェ・39歳別れの手紙」の二部構成で公開されている。
チェ・ゲバラを知るには絶好の機会だと映画館に足を運んだ。

なかなか分かりにくい映画である。それは、米国人なら普通に知っているはず?であろうキューバとの歴史的関わりが、私達(少なくとも私)に馴染みが薄い点だ。米国の情報なら溢れるほどあるが、キューバーやボリビア南米の情報は非常に少ない。南米大陸は距離的にも文化的にもあまりにも遠い。
革命ものは歴史と政治体制の知識がなければ、映画で語られる状況がわかりにくくなる。
それで、どうせなら映画のパンフレット購入をお勧めする。補足説明として歴史状況をなど、ジャーナリストの方が書いておられるので、ああ、なるほど、あのシーンね、と納得することが多い。

登場人物が多い。、ゲリラ活動で髭をはやし、制服で、おまけに汚れていて、
カストロとチェはわかるが、誰が誰でと判別しにくい点がある。前後編で間があけばますますわからない^^;(基本的にはどうでもよいことだが…)
エンタではないので、どちらかといえば単調だ。会話だけで語られる政治状況など、それが重要だが、知識がないと、これまたわかりづらいだろう。

キューバ、ボリビア国民がいかに底辺で苦しんでいたか、映像、視覚的シーンが少ないので、なかなか心理的に入っていけないのかなと思う点もある。

以上が難点かなと思う個人的意見だ。
それでも、史実に基づいて作られた本作は、随所にいろいろと考えさせられる
点が多い秀作だ。

昨年、これまたよく知らないからという理由で「連合赤軍 あさま山荘への道程」を観た。過激派と呼ばれたが革命に憧れ、未熟さゆえに悲劇に流れていく痛ましい若者たち。日本人の実話で身に沁み、げっそりと疲れてしまった。

イスラムで悪の代名詞になったかのようなタリバン、ターレバンとも呼ぶれる組織だが、現地(アフガニスタン)の言葉で「学生たち」という意味になる。イスラム神学校の学生主体の組織なのだ。

ともに志があった若者たち。、暴力を伴う革命で、良き指導者なしに、道をゆくことがいかに悲しい結果を招くのかを物語っているようだ。

前篇は革命家として目覚め勝利していくチェの姿が語られる。
ここで補足説明。
アルゼンチンの裕福な家庭に生まれ育ったチェはラテンアメリカを旅行した際に貧富の格差に愕然とした。
米国の後盾で独裁体制をしいてるキューバーは、米国マフィアによってカジノと売春街になっていた。それを打破しようと立ち上がったカストロ兄弟だが、
失敗し拿捕され、のちに恩赦でメキシコに亡命した。そこでチェとカストロが
出会う。

チェは従軍医師としてカストロと同行するが、道程で革命家への意思を固めていく。裏切った仲間を処刑する時だろう。医師とは命を救うものだが、革命では人の血が流される。それを受けれねば進めないと決断する苦悩が静かに描かれている。自らも喘息であるがゆえ、人の苦しみは熟知していたであろう。そして、部下に勉強せよと折にふれ叱咤する。国を存続させるのは銃ではなく知性であると…。
革命が成功したのは、何度も独立闘争しているキューバ国民が真に自治を望んで協力したからに他ならない。

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2009/02/16 22:57
プラさん

コメントありがとうございます。

確かに、わかりにくい面がありましたね。
カストロ、似ていましたね。登場人物が多く、チェの存在感も若干薄かった気もします。
まだ、若かったですからね。
後編の方が、プラさんの期待した心情が表れているかもしれませんね。
でも今週19日で終わってしまうみたいです。
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2009/02/16 10:27
私も革命の方を観ました!
大好きな俳優でしたし、チェに関しても、かなり勉強してからいきました!

全体のイメージとして、手毬さんも書かれているとおり正直わかりにくいです。
一緒にいった相方は、ずーっとポッカーンとしてました。
史実に忠実なのかもしれませんが、せっかくいい俳優さんをキャスティングしているので、
もうちょっと心情的な部分に迫ってもいいんじゃないのかなぁ・・・と思いました。

知りたいのは革命の歴史ではなく、その裏の人間の生々しい感情だったんですが・・・
潔癖と言われるほど理想を掲げたチェの生き方をもっと知りたかったなぁー

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2009/02/14 00:42
小チゲさん

来週で終わりそうですよ。
知りたい欲求は満たされるかもしれません。
パンフも買って、文字もぎっしりですが
あるとないでは、かなり違うような気がします。
後編のパンフにはチェ語録の一部が載っています。

「もしわれわれが空想家のようだと言われるならば
救いがたい理想主義者だと言われるならば
できもしないことを考えると言われるならば
何千回でも答えよう
そのとおりだ、と」
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2009/02/14 00:34
これ観たかったんですよね~。
顔や名前はよく知ってるけど他は詳しく知らないので。

知りたい欲求です。
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2009/02/14 00:32
かるかんさん

これを観に行くに先駆けて、録画していたマイケル・ムーアの「Sicko」(シッコ)を観ました。
米国の医療難民がキューバで、適切な治療を無料で受けられ涙を流していました。
昔、キューバは怖い国のイメージがありましたが、なぜか国民が貧しいながらも幸せそうに
見えたのが不思議でした。今では情報も行き届き、なぜかよく分かるようになりました。
予防医療が発達しているようですね^^。日本も医療の現場が危うくなってきています。
医療だけは誰もが受けられる権利として残さねばならないと強く思います。
キューバの海域は世界一美しい海が残されているとダイバーをする人たちの間では
評判なんだそうです^^
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2009/02/14 00:23
お邪魔します<(_ _)>

 ターレバンが「学生たち」という意味だとは知りませんでした^^;
 
 キューバの乳幼児死亡率は世界でも最少で最高水準であり、
医療福祉の根底には、チェの思想があると、本に載っていました^^
 迫害され、また革命で血を流した分、命を大切にする国へと育った
んですね^^
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2009/02/14 00:14
ルルさん

そうなんです。このブログも後編を書かねば^^;;

書きながら、アフガンのマスードを思い出します。
アフガンを愛した伝説的指導者でした。
国を解放しTら図書館を作るのだと、数千冊の本と共に
移動していたといいます。この国でわたしの娘たちが
普通に暮らせるようにしたいと望んでいました。
それには、今のアフガンに起っていることを知ってもらわなければならないと
ジャーナリストには率先して合っていました。それを知ってテレビ記者を
装った自爆テロに倒れたのです。残念ながら彼に続く人は現れず
アフガンの現状は厳しくなるばかりです。
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2009/02/14 00:05
みもざ姫さん

『いちご白書』はユーミンも歌になり、わたしよりも少し上の世代にはファンが多い
ようですね^^ 残念ながら、観たことがないのです。もともと政治も歴史も疎く
学生運動自体、暴力的でしたから、なおさら興味がなかったのです。
わたしは興味を持ち始めたのはやはり、9・11からです。なぜ起こったのか
それを知るには、基礎的な歴史認識と簡単でも世界地図、とくに中東関係
を知らなければ、何一つ理解できないことがわかりました。
そうして、今更ながら何も知らないことに改めて気づきました。
知れば知るほど、おぞましいくらい残酷なものです。劣化ウラン弾もそに一つと
いえるでしょう。なぜ、廃止にできないのか…、人道を語る国は多いのですが…。

すべてとは言えませんが、よく見聞きします。日本は原爆を落とされたのに
米国にすり寄るんだという考えのようです。
わたしたちは彼らのことをよく知りませんが、彼らがわたしたちのことを知らないとは
限らない。とくに政治や外交に無関心でいることは大国には都合がよくても、
小さな国々の人はちゃんと見ているので、誤解を受けることになりかねない。
考えさせられます。
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2009/02/13 23:39
2部作だっんですね~(o^-^o)
チェはスカパーの番組で特集を見たくらいで、詳しくは知りませんでした。。
黒猫手毬さんの書いて下さったあらすじを見て、DVDが出たら見たいと思いました^^

>>>>国を存続させるのは銃ではなく知性である
本当に思いますよ~。人が動物と違う唯一のトコロですから^^
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2009/02/13 23:31
私も見たいと思っていた映画でした。情報、ありがとうございます。
カストロとかチェ・ゲバラって、名前ばかり知っていますが、私も詳しい事はあまり知りません。ご紹介頂いた様な内容なら、是非見たいと思います。
ちょっと前に、深夜のテレビで、『いちご白書』という映画をやっていました。
ご存知かも知れませんが、1970年頃のアメリカの学生運動を描いた映画です。
特別に政治的な見解を持っている訳でもない、ごく普通ののゆるめの学生が、お祭り気分の様に学生運動に関わって行く有り様や、カリスマ、チェ・ゲバラを信奉する学生運動家達の様子などが、とても興味深かったです。
その映画も、昔から名前だけは知っている映画でした。

ところで、イスラム圏で、「原爆被害が広く知られている気がします」とおっしゃるのは本当ですか?
私は、イラクあたりで、劣化ウラン弾が平気で使われてしまった事にとても心が痛むのですが・・・
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2009/02/13 23:09
さきもりさん

できるだけ史実に近づけた、ドキュメンタリータッチの映画です^^

後編では、サルトルに手紙を書いて資金援助を頼もう、という
セリフもでてきます。
ボリビアのゲリラ活動の中でもたくさんの本を携えていたみたい
ですね。ボリビアノートでも、びっしりと読書予定の書物が
5ページにわたって綴られていたとか…。
革命家というと銃撃戦など兵士的イメージを持ちがちでしたが
深遠で知的な人だったことが窺われます。
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2009/02/13 23:02
雨柳さん

おお、DVDですか。やっぱりお家映画は主流になりつつ
あるのね。

モーターサイクル・ダイアリーは南米旅行した若きゲバラの
原点ですもんね。

チェは面白かったというより、お勉強的な部分が、たぶん
わたしにとっては強いかなぁ。そう言う点ではお勧めなん
だけれどね。
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2009/02/13 22:58
しぃさん

ワルキューレの予告編やっていました。
なかなか、おもしろそうでしたよ。こちらはエンタメも考えて
作られているので、結構、ドキドキと楽しめそうです。
ヒットラー暗殺計画ですもんね。

DVDになるのも早いですからね。
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2009/02/13 22:54
アッシュさん

そうなのですか…。
雑誌とか取り上げたのは、よく目にしました。
革命家は、若い男子が一度は憧れる対象ですからね。
それに、アッシュさん、大学での専門は確か、国際政治
でしたね^^
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2009/02/13 22:49
コロさん

はい^^ぜひ。
でも19日で終了するようなのです。これは後編かも…。
前篇はいつまでやっているのかな^^;
映画の上映期間も早いですから…。
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2009/02/13 22:32
観てみたいなぁ と思うドキュメンタリー ^-^

John Lennon 派なσ(・・*)は、ゲバラについて、Johnが「もっとも輝かしい革命家」と、

言っていたのを聞いて、何となくしか知識はないけど、まず間違った人ではないんだろうと・・・。

レボリューション と言う歌の中で、「破壊するなら、参加しないよ」だったり

「毛沢東主席の写真を掲げるのなら、誰にも何も望んじゃいけないよ」と唄って見たりしている人だから、

それなりにポリシーを持った人だと思っています。その人が認めた人・・・。

少し風変わりな人だけど、見る目は確かじゃないかなぁ?と思っていますから

きっと、ゲバラさんもすごいんだろうな と言うくらいの知識m(_ _)m

キューバは大変な歴史を持っているのは聞いたことあるけど・・・。

まだまだ勉強することは山ほどありますね♪

(=^. .^=) m(_ _)m (=^. .^=)
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2009/02/13 22:27
DVD出てからから、モーターサイクル・ダイアリー→28歳→39歳の順で
2日間くらいで一気に観てみようかと思っていたのですが・・・。
結構気力がいりそうですね。でも観たい。
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2009/02/13 22:11
チェ・ゲバラ観てきたんや。
実は私もキューバ革命家を題材にしたこの映画には、
以前から興味があったんやけど、
なんせ今は外出できないもんで…。
DVD化を待ちたいなと。

後もう一つ注目してるのが、
トム・クルーズのワルキューレ。
こちらはヒトラーに反旗翻した歴史人物。

誰かの引率でレボリューションが起こり、
そうして今の世の中になったんやね。
歴史を変えてきた人たちの映画や本は大好きです^^
アバター
2009/02/13 21:54
うん。
顔は良く知ってるけど、その実、どのようなことをした人なのかは、把握してなかったですね。
今回の映画の公開にあたって、いろんなメディアに情報が一気に流れましたね。
僕も、ちょっと勉強しちゃいましたよんww
アバター
2009/02/13 21:48
2部作のですね!
観に行こうかなぁ・・・。
アバター
2009/02/13 21:34
ぢゅんぢゅんさん

ああ、後編も書くのですが…。やっぱり長いかな^^;;

いろいろと考えたのです。アフリカも独立は果たしたけれど、次に続く指導者が
現れなかったため、ひどい有様になってしまいました。

音楽、ギターがね、後編、入ってきて、良かったです^^
アバター
2009/02/13 21:27
ああ、もこもこさん

ごめんなさい。ブログ途中で誤って押してしまいました。
そこそこ長くなります。

異なると思いますが、日本でも一部の若者が本気で革命を目指していたようです。
前に、世代間ギャップを感じつつ、団塊世代の方と話したことがあります。(聞いていただけですが…)
感覚的に分からないので連合を観にいきました。だた、時代が変革を望んでいなかった。
当時の米国の政策がいかに他国を苦しめていたのかは、今となっては周知の事実ですが。
今、団塊の世代の方は燃え尽き症候群のようで、当時の熱さを懐かしんでいますね^^;;

ただ、アフガン情勢も歴史的に複雑で、タリバンも最初は支持されていた点もあるようです。
若い頃は正義のために血を流すことを正当化しがちですが、その正義が歪んでいくと
悲劇だけが残されます。

日本も米国を支援して派遣するのか、もっと違う方法でアフガンの復興を手助けする道を
模索することを願っています。
イスラムの国々の人は、日本人に好意を持っている人が多い気がします。
原爆を受けたのに立ち直り、経済復興を遂げているからです。原爆被害が広く知られて
いる気がします。(米国民はこの点、ほとんど知らないと言っても過言ないのに…)
今のタリバンは、少し前とは違い、あらゆる人が紛れ込んでいるといいます。
いずれにして自衛隊派遣や資金提供、間接的にせよ、かかわっている国のことを
多く知らないのが事実です。
治安のいいイスラム圏を旅することで、西欧の押してくる人々よりも、好意がもてる
と感じ、間違った見解をしていないのか、今、ちょこっとだけ、中東を勉強中です。
アバター
2009/02/13 21:18
レポートご苦労様でした。


 確かにこの映画、エンターテイメントではないので楽しい映画ではないですね。
しかもドキュメンタリータッチで描かれている場面が多いのでやはりお勉強をある程度
しておかないとお話から取り残されてしまう感じがありました。

 がしかしだからこそ、訴えかける事も多かったと思います。僕は特に39才の方は
お目目パッチリでガン見していました。

 内容に関しては黒猫手毬さんが素晴しいレビューを書かれているので・・・、

僕からは・・・
  この映画前編・後編通して非常に映像が綺麗です。とくに森林の緑色の発色の
仕方とかいいと思います。音は無駄にサラウンドを効かせたりせずごく自然で好感が
もてます。音楽も必要最低限で自分がちょっと歴史の目撃者になったような感覚に
なります(ちょっと大げさかなw)


 長文失礼いたしました。
アバター
2009/02/13 20:44
へぇ~!
(今懐かしのヘェ~ボタンが連打されました)

タリバンが学生たちという意味だとは。
じゃあ日本でも昔学生運動が盛んだったけど…あんな感じなんだろうか。<違う気がする




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