春への幻想②
- カテゴリ:自作小説
- 2009/02/14 07:13:21
2、猫
3年前、私はこの河川敷に猫を埋めた。
その猫は、私と半年間一緒に暮らした。
私はある雨の晩、彼女と出会った。
私の住むマンションと隣の家の間で、白い小さな命が鳴いていた。
仔猫だった彼女はお腹が空いていたのか、私が与えた餌を涙を流しながら食べた。
後でわかった事だが、猫は感情によって涙は流さない。
その時流していた涙は、空腹を満たして嬉しかったわけではなかった。
彼女の身体は、その時から病に犯されていたのだろう。
私は彼女を“ミント”と名づけた。
私はミントを風呂に入れ、一緒に暮らす事にした。
仕事に疲れた私は、ミントの愛らしい仕草に癒された。
ミントとの生活も半年が過ぎ、ミントは美しく成長した。
ところが、次第にミントは痩せていき、やがて餌を食べなくなった。
私は仕事から帰った後、ミントを近所の動物病院に連れて行った。
獣医の診断は、猫白血病だった。
ミントは次第に痩せていき、ある日曜日の夕方、私の腕の中で息を引き取った。
私はミントを抱き抱えながら、この川の河川敷にやって来た。
私は穴を掘ってミントを埋めた。
ミントは川の一部になった。
川は静かに流れてる。
失意のまま、私はここへやって来てしまった。
思えば、ミントを埋めたとき以来だ。
そう言えば、あの時も季節は春だった。
私はふと、川の上流に目をやった。
私のいる場所から10メートルほど上流から、白いビニール袋のようなゴミが流れてきた。
人影など全くない、真夜中の河川敷。
先ほど川上に飛んでいった水鳥が、今度は川下に飛んでいった。
春とはいえ、まだ肌寒い空気だったはずが、少し生暖かい風が吹いてきたような気がした。
そして、さっき見えていた小さな白いゴミは、だんだん大きく見えるようになってきた。
おもいのほか、大きいものだったのであろうか?。
そして、そのゴミは水の中を流れているものだとばかり思っていたのだが、それは私の見間違いだった。
ゴミと思われる者は実は陸にいて、次第に私に近づいてくる。
やがてその姿がはっきり確認できるほどになった。
それはゴミなどではなく、白いワンピースを着た若い女性だった。
私は驚きを隠せないでいた。
つづく
う~ん、KINACOさん鋭いなぁ・・・。
まぁ微妙なノンフィクションの部分もあるかもです。
まぁ結末はおぉ!って感じを出しますんで、もし良かったら読んでやってください。
春一番、吹きましたねぇ。
今日なんか初夏みたい。。。
日向は暑いっすよ~!
そそ、藤棚ちゃんとやっとかないとね、5月にご褒美見れなくなっちゃうし。。。
結構不思議な経験って、人間するもんでして、
経験者が、肯定する?肯定する?って話だよね。
そうね、もうすぐ春ね。
昨日、春一番が吹いたわ。
【3】楽しみにしてます。
出張は、延期に急遽なったし、山に帰って明日は村人総出の【藤棚掃除】だわ。