Nicotto Town


-full coller program-


下北沢南口 ~chapter02~

あれから、どれだけの月日が経ったのか、全くわからない。
僕の心は、小人の屋の一斉攻撃を受けて、ズタズタになっていた。
君との想い出は、セピア色になっても、
ずぅっと、手の届くところにあったから、よけい辛かった。

 

運命の神様は、どこかの国のわがまま王女よりだいぶ気まぐれなようだ。


受験の合格通知があった。僕の番号は、そこになかった。
私立の高校へ向かう駅。扉が開くと、見覚えのある赤味がかった
肩までの髪とおそろいのスティッチのストラップが付いた、
同じ通学カバンが僕の目に飛び込んだ。

「あのぉ・・・」

声は出なかった。
向こうも、こっちの存在に気付いた。それから、学校近くの駅までの
23分間、驚きと、戸惑いと、気まずさと、ほんの少しの喜び。
たくさんの矛盾が入り混じった僕の頭の中は、
カラッポに見えたけど、すみっちょの方には、
呼び方さえ知れない思いが居座っていた。

アバター
2010/06/25 21:15
かっこいい!
アバター
2010/06/23 22:03
表現力が半端ないね!!
ホントに言い回しが上手いと思うしなんと言ってもおもしろい!!
アバター
2010/06/23 20:35
なんかすごい!

急に何かに覚醒したの?



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