下北沢南口 ~chapter02~
- カテゴリ:自作小説
- 2010/06/23 19:48:00
あれから、どれだけの月日が経ったのか、全くわからない。
僕の心は、小人の屋の一斉攻撃を受けて、ズタズタになっていた。
君との想い出は、セピア色になっても、
ずぅっと、手の届くところにあったから、よけい辛かった。
運命の神様は、どこかの国のわがまま王女よりだいぶ気まぐれなようだ。
受験の合格通知があった。僕の番号は、そこになかった。
私立の高校へ向かう駅。扉が開くと、見覚えのある赤味がかった
肩までの髪とおそろいのスティッチのストラップが付いた、
同じ通学カバンが僕の目に飛び込んだ。
「あのぉ・・・」
声は出なかった。
向こうも、こっちの存在に気付いた。それから、学校近くの駅までの
23分間、驚きと、戸惑いと、気まずさと、ほんの少しの喜び。
たくさんの矛盾が入り混じった僕の頭の中は、
カラッポに見えたけど、すみっちょの方には、
呼び方さえ知れない思いが居座っていた。
ホントに言い回しが上手いと思うしなんと言ってもおもしろい!!
急に何かに覚醒したの?