下北沢南口 ~chapter03~
- カテゴリ:自作小説
- 2010/06/26 13:57:06
沈黙を破ったのは、僕だった。
「ここ、志願してたんだ」。
「将来の話なんて、したこともなかったよね」。
君の溌剌とした顔に現れた、小さな戸惑いを、
僕は見逃さなかった。
「なんだかフシギだな、未来のことを考えたりしなかったから、
分かれようって思ったんだぁ・・・」。
「そうだったんだ・・・」。
今度は、こっちの戸惑いを見破られたみたいだった。
学校に着き、クラス発表。
思わず、白くてムダに大きな紙の一点を見つめた。
キミと同じクラスとは・・・。
「運命って、こんなもんなんだよ。きっと」。
苦笑しながら、キミも同じ点を見ていた。
そして、教室で新入生オリエンテーションをぼんやり聞きながら、
ある考えを、頭の中で整理していた。
これが功を奏すか、傷口に塩を盛るか、
まだ、わからなかった。
楽しみな展開♪