タケシの武勇伝…第二部(16)
- カテゴリ:自作小説
- 2010/06/29 02:00:39
---第1部、あらすじ---
野球少年の北野健(タケシ)は、中学3年の冬、利き腕に銃弾を受けて野球ができなくなってしまう。
仕方なく進んだ地元高校で夏休みの補習授業を受けるハメになったタケシは、そこで佐々木真也(シンさん)と出会い、彼の勧めでもう一度野球をするための手術を受けることとなった。
---第2部、前回まで---
2学期初日の昼休み、タケシと仲間たちは野球部に誘われたがその場で返答することはできなかった。
その日の放課後、タケシはシローの父親を説得するため彼の家を訪れ、リョウとマサミは誰もいない教室で話し合っていた。その頃、ゴリ山さんは一人の教師と連れ立って校長室を訪れていた・・・
≪新任教師と新任校長≫
「校長先生。私は小野塚先生の意見に賛成します……生徒に共通の目的意識を持ってもらうためにも必要なことですから」
ゴリ山さんの言葉を聞き、校長は納得したように何度も大きく頷いた。
「では、運動部は富山先生を中心に生徒の管理をお願いします。文化部は教頭先生に管理してもらうよう私から話しておきますので……何としても学校を改善させましょう」
谷岡校長は今年4月に着任したばかりの新任校長で、穏かな物腰と丁寧な言葉遣いで生徒に接するのが特徴的な人物だった。そんな人の好さそうな感じに加え、一見すると背の低いメタボなオッサンの風貌もあいまって、生徒たちからは【タニケイ】とあだ名されていた。
しかしながら、学校の改善を期待されて送られてきた人だけのことはあり、豊かな経験から発する言葉には腹の据わった人間の重みが感じられた。
そんな校長が小野塚の意見を取り上げ、他の教員に影響力を持つゴリ山さんを中心に新しい校則の実施を図ろうとした。それが生徒の部活動必修化であった・・・本来、義務教育でない高校においてはありえない校則だったが、修学すらまともに終えられない現状を改善するために下した苦肉の決断であった。
「富山先生。どうかよろしくお願いします……先生の協力がないと学校は変えられないですから」
校長室を辞し、ゴリ山さんと連れ立って教官室に向かいながら小野塚はこう言って礼を述べた。小野塚も今年の4月、隣接する中学校からやってきた新任の体育教員だったが、彼はこの高校のOBであり、荒廃した母校の姿に苦慮する一人でもあった。
「小野塚先生……先生には是非とも野球部の面倒をみていただきたいと思います。先生には申し訳ないですがゼロ以下からのスタートになります。ですが、中心になってくれそうな生徒もいますのでどうかよろしくお願いします」
タケシたちがいたら絶対に目を丸くしたことだろう。なぜなら、あのゴリ山さんが丁寧な口調と態度で話している姿など絶対にお目にかかれないからだ。
ゴリ山さんの言葉に、小野塚は真剣な面持ちで一言『はい』と応えた。それは校長と同じく重みを感じさせる返事であった・・・
※※つづく※※
人生は長いけれども
なにかにうちこむ
──という体験を早くにすることは
けっこう貴重なことですよね
いつの時代でしょう~~~?www
野球部の顧問の先生が見つかったみたいですね。
(・・・て、ゴリ山先生が野球部の先生になるんじゃないんだぁ~)
ものすごい懐かしい話だすねぇ・・・いえいえ、お互い様なのだすが。www
ちなみに
定期更新だすか!? それとも・・・www