相撲協会特別調査委員会の勧告案について
- カテゴリ:スポーツ
- 2010/06/30 16:56:31
野球賭博をめぐる問題に関する相撲協会特別調査委員会の勧告案が出され、相撲協会はその勧告案を受け入れ名古屋場所中止の危機を乗り越え、文部省からの要求に応えて行こうとしているようにみえます。
その勧告案は僕にはあまりにも警察・検察官僚的な発想が強すぎ、相撲協会の改革の妨げとなるような案であると思われます。
学校卒業後まもなくの少年、若者たちを預かり、閉ざされた部屋での生活以外では相撲教習所での教習しか教育を受けないままに育ってきた力士や新米親方に罪をなすりつけて、浄化を行ったように見せかけるのではなく、そのような体制を大変革するような措置こそが必要だと思います。
警察官僚・検察官僚OBの権威を借りて、一番の被害者である力士や、新米親方を罰するのではなく、そのような体制を改めようとしなかった相撲協会幹部や文部科学省の役人たちこそが厳しく裁かれるべきです。文部科学省は今まで相撲協会を公益法人として認可してきた責任を免れようとして、名古屋場所中止を何とか避けなさい、開催できないなら、益法人としての認可は難しいとの圧力をかけたようですが、そのような圧力にこたえようとして出された今回の処分は安易で若手にとっては余りに過酷過ぎます。
警察官僚OBを外部理事に向かえ、警察的発想のみからの勧告にただ従うだけでは、真の相撲協会の改革はできません。
タニマチの財力に頼らなくても充実した部屋の経営、力士教育が行えるような部屋制度の改革、協会幹部の部屋に多くの収入がもたらされる相撲茶屋制度の廃止、高額な金で年寄株を買った力士しか親方になれない制度を改めることが必要です。
そして、親方(=相撲指導者)の本格的育成・選抜制度の創生、弟子よりは師匠の責任が、新米親方よりは協会幹部の方の責任がより厳しく問われる体制の確立が必要だと思います。特別調査委員会からの今回の勧告はそのような抜本的改革の必要性を不明瞭にする提案だったと考えます。警察官僚出身の委員やパチンコ業界とのつながりの経歴を有する委員は、でしゃばらず、暴力団に対する用心棒的役割を果たすぐらいでとどまるべきです。
外部理事に迎えた警察官僚OBとは元警視総監・吉野準氏です。特別調査委員会が協会理事長代行として想定している外部理事は元東京高検検事長の村山弘義氏です。
記者会見で、琴光喜の処分が免れがたいと嬉しそうに口走っていた早稲田大学特別教授の伊藤滋氏はパチンコ業界とのつながりの経歴を有する胡散臭い委員です。正確に言えば、パチンコ台の特許料が転がり込んで来る、警察天下り官僚癒着の総本山と呼ばれている「社会安全研究財団 」の理事長だった方です。
パチンコ業界と警察とのつながりの経歴も古くからあります。そのような彼らにでしゃばらせる改革には疑問を覚えます。このような外部理事の構成を見るならば、砂かぶり席のチケットが暴力団幹部に渡ったのが報道され、相撲協会が焦ったのは、暴力団幹部と元警視総監がそろってテレビで放映される事態を恐れたからじゃないかと疑われてもしかたがないとさえ思ってしまいます^^。
役人に改革という意識があるのなら、日本はこれほどの財政危機には陥っていないはずです。
大嶽親方が琴光喜を庇う発言をしていますが、あれがトップの責任の取り方だと思います。
将来ある若者に将来を閉ざすような処分は、如何なものかと思いますね。
理事会はトカゲの尻尾切りで事を収拾しようとしているように見えますが、それこそがこれまでの改革の失敗だとの認識はないのだろうか・・・
yot2000さんに言われるまで、調査委員会のメンバにどのような人がいるのか知りませんでした。
何故そういうメンバを調査委員に選んだのか・・・その辺も気になりますね・・・