Nicotto Town



チベットにて2


少々具合が悪く、トイレに行くだけで息が切れる。
でも今日はあのおんぼろバスの形ばかりについていた3日遊の1日目、ポタラ宮に行く日である。
(当時、チベットにはツアー客でないと入れない決まりになっていたため、あのバスの旅もチベット3日観光つきツアーの帰りを捨てた状態、という形になっていた)
9時半集合。
ツアーというにはバス移動だろうと思っていたが、歩きと聞いてがっかりする。
昨日本屋まで行ったときに見た感じではかなり遠かったからだ。
しかも中国語ができるのを鼻に掛けた女がガイドとべったりでいちいち通訳してみせる。
ガイド、英語が話せるのに。
正直私にはその女の英語より中国人の英語のほうが聞き取りやすいので、いい迷惑。
迷惑なのは私だけではないらしく、ギリシャ人やスイス人も私に目配せしてくる。
日本人なんて、私とI君以外みんな嫌がって止めてしまった。
個人的に後で行くと言っていたけど、みんな行ったんだろうか。

なぜかポタラ宮の入館料は8元と安かった。
西洋人は30元位払っていたような気がしたのだが。
入館料を払ってから切符切りの所に行くまでが大変で、100メートルくらい登らなければならない。
まだ高度に適応していないので、ぶっ倒れるかと思った。

中に入ってしばらくはツアーガイドの話を聞いていたが、よく聞くとほかのガイドと違うことを言っていることが多い。
どうも適当なことを話しているらしいと判断し、別のガイドについていく。
一人、聞き取りやすい発音で、自分のわからないことは部屋付きの人に聞くガイドがいたので、その人の後をついていったら、その人のツアーの人間でもないのに分け隔てなく質問に答えてくれた。

ポタラ宮の中は暗く、恐ろしく入り組んでいる。
美しいチベット仏や歴代のダライ・ラマの像などをたくさん見た。
暗い中、バターの灯明だけがたくさん灯された中に浮かびあがるチベット仏の目は青い。
そこここには五体投地を繰り返すチベットの巡礼者たち。
彼らが腰につけた鐘の音。
燃えるバターの匂い(チベットではバターを灯明に使う)。
人ごみ。
なんともいえない空間だった。

ポタラ宮を出て、その前のMUSIUMというのに入る。
つまりは土産やだが、チベット現代作家の作品がたくさん置いてある。
細密画にすばらしいものが多く、欲しいが1枚4000元では無理だ。
と当時の日記に書いてあるが、あのすばらしい作品が8万円弱で買えたのなら買えばよかった、と今でも思う。
本当にすばらしい曼荼羅だったのだ。

Iさんと別れて八角街に向かう。
チェンジマネーをしたかったのだが、昨日した人も誰もいない。
ヤクホテルの近くならいるかな、と行ってみたら、門の前で堂々とたむろしていた。
ここのダフ屋、大胆だな。
以前に比べて駅前なんかのわかりやすい所にダフ屋がいるようになったと思っていたけれど、さすがにこんなにゆるゆるの所は初めてだ。
日本人の一部がバナクショーからこちらに引っ越していた。
私も誘われたけど、どうしようかな。
ヤクホテルは日本人だらけ。
知り合いばかりの中にいるのにも飽きてきたところだ。

ホテルまでリクシャーを使う。
ヤクホテル<=>バナクショーホテル間は1.5元くらいかな。
慣れればもうちょっと安くなっていくんだろうか。

帰るとぐったり。
でも長いことじっとはしていられなくて、チベット料理の店で甘い三宝茶をすすりつつ葉書を書く。
明日は郵便局に行けるだろうか。

夕食にヤクバーガーなるものを食べる。
ここバナクショーホテル内、カイラスレストランの名物料理ということだったが、まずい。
これはある外人が厨房で作ったのが始まりだというが、作ったのはア○○○人だなと思うほどのまずさだった。
私だったらこんな「ぱさぱさだけれど形だけは西洋パン」など使わずホテルの前で売っている清真パンを使うし、古くなったパンとか卵をつなぎに入れる。
ア○○○人でなければ、家でほとんど料理をしたことがなかった人間が適当にイメージで作ったものに違いない。

夜12時に消灯したのだが、寝言を言う人がいたり、ねずみが団体で走ったりして笑ってしまい、胸が苦しくなる。
苦しくて眠れなくてごろごろしていたら、IT君が外のほうが気持ちいいというのでベランダに座り、話をした。
彼は今大学3年で、就職や家庭のことで悩んでいるらしい。
つい2時間も話してしまい、就寝3時。

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2010/07/09 08:27
ジョバンニさん
つい○メリカ人に偏見持ってしまいました。
すっごくおいしいアップルパイをご馳走になったことがあるのでおいしいものを作る方もいらっしゃると知っているはずなのに><
でもあの塩のみしか使ってないような味付けはやはり・・・

グレープさん
チベットの匂いは、あのバター灯明の匂いに尽きると思います。
ちょっと癖のある独特のバターは、ヤク乳からのもの。
しょっぱいバター茶の香りも懐かしいです。

イチゴイチエさん
ポタラ宮は人いきれもすごいし、仏像もバター灯明の明かりでしか見えないので、写真のように鮮明に見えるわけではないのですが、その陰影のまとわり具合がとてもいいのです。
仏様って、その前に座ったときにちょうど見下ろされるお姿が一番美しく、本当に目が合うと、不思議な気持ちがしました。
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2010/07/08 23:32
ポタラ宮の中の描写、異空間って感じです・・♪
すばらしい曼荼羅画との出会い、八角街の門のダフ屋・・
甘い三法茶に、まずいヤクバーガー(ア○○○人作w)
ねずみの団体さんに、大学3年生のIT君との出会い・・

すごく濃密で、こういうたび、あこがれちゃうです・・☆(*@v@*)
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2010/07/08 22:48
その国を語るのに、においって、けっこう重要ですよね。
空港を降り立ったときに、感じた空気のにおい、いつまでも忘れないもんですね。
一度訪れてみたくなりました。機会は作らなくっちゃね。
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2010/07/08 22:39
ア○○○人って(笑)
どんなまずさなのか…あまり体験したくはないですが、そういわれると逆に興味がわきますね(^-^)
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2010/07/08 22:35
まあくん
ありがとうございます。
これもチベットという地が魅力的だからでしょうね。
プロフィールの所にサイトの写真アドレスを載せておきましたので、よろしければこちらもどうぞ^^
私は絵など欲しいと思ったことがない人間なのですが、あの絵だけはすばらしかった、と今でも思うのがあったのです。
自分じゃうまく保管できないだろうとあきらめましたが、今考えればどこかに寄付して飾ってもらうという手もあったのですよねえ。
部屋にあったら・・・子供に引き裂かれないよう頑丈な額に入れないといけなかっただろうな^^;
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2010/07/08 20:28
うーむ。素晴らしい表現。勉強になります。光景がくっきりと浮かんでくる。
しばしの間、空間を飛び越えて現地に行けました!感謝です。
・・・それにしても、8万円・・・。結構しますね。
でも、部屋にあったらいいだろーなー。
きっと、家内は困る事でしょう。・・・・私の魂が帰ってこないから・・・。うけけ。

次回、更に期待します。



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