まともな科学番組が無い!
- カテゴリ:テレビ
- 2010/07/18 22:10:33
NHKスペシャル「恐竜絶滅_ほ乳類の戦い_前編」が、ひどいできだった。
これは科学番組ではない。ファンタジーだ。
母と子、という感傷の側から話しを進めていて、架空の物語になってしまっている。
演出した人は、「ほ乳類」を「母と子」というキーワードから描けば良いとひらめいたのだろう。
きっと、良いアイディアをひらめいたと、自分で信じているに違いない。
でも、科学とはそういうものではない。
まず、観察しなければならない。
観察の中から発見が産まれる。
発見を根拠に、仮説を組み立て、さらに観察を繰り返し、仮説の証拠を発見し、学説の根拠を作り上げる。
根拠の無い仮説は、ただの空想の世界。
科学を科学として語るためには、観察された事実を説明することが重要だ。
今回のNHKスペシャルは、「仮説」だけを物語にしていて、根拠の説明が少ない。
もし「かたい科学番組は視聴者が離れる」などという理由で、根拠を説明しないのなら、本末転倒だ。
科学を捨てた娯楽番組では意味が無い。
視聴率が低くても、その少数の視聴者は、真剣に視ているのだ。
なんとなく眺めている多数よりも価値がある。
日本人の学力低下は、ゆとり教育の問題ではなくて、社会全体の雰囲気の問題だ。