去る２月１７日、東日本旅客鉄道の説明会のためにはるばる東京まで行って来た。ここでは、その移動手段での話を書こうと思う。

　往路は、ムーンライトながらを利用した。この列車は、東京訪問の際には毎回利用している列車である。今回の座席は７号車８D。名古屋方面からの東京行きであるので、前から３両目の車両の、真ん中やや後ろ（後方より８番目）よりの、左側の窓際ということになる。ちなみに、この車両にはモーターがついていないため、深夜時間帯は静かで快適である。（テツの中には、モータ音を好むものもいる。私はこの列車のVVVFの音が好きである）

　この日の７号車の乗客は１５～２０人ほど。半分ほどの乗車率である。私の隣の席及び前の席は空席であった。（隣席が空席なのはこれで６回連続である。）乗車直後に、まずは靴を脱いだ。そして、スーツがしわにならないように帽子掛けにかけた。その後はリクライニングを全開（と、言っても申し訳程度）に倒し、ジャガビーを、他の乗客の安眠妨害にならないように早い段階で食べた。（しかし、夜行快速にスナック菓子を持ち込むこと自体妨害に近いが・・・）そして、車掌が検札に来るのを待った。これがこないと寝ることもままならない。なぜならば、寝ている乗客に対し車掌は起きるまでねちねちと声をかけ続け、たった数秒のために乗客をたたき起こすのである。（まぁ、起きない場合は諦めるみたいだが・・・）そんなことをされては気分が悪いので、いつも起きているのである。２時過ぎまでこなかったかと思うと、あるときには乗って１０分ほどで来たこともある。この差は何とかして欲しいものだ。しかし、今回は、通りはしたが改札はなかった。私が寝ている間にやってきたが、気づかなかったので諦めて行ってしまったのかもしれない。
　
　私は豊橋あたりから、隣は乗ってこないと判断し、身を横たえることにした。前の席が空いていたので、その席を回転させ向かい合わせにして足を投げ出し、体をくの字型にして寝たかったが、前の前の席の乗客がリクライニングを倒しており、回転の際に座席が干渉してしまい回すことが出来ないのと、経験上から乗ってこないことは判っているが、万が一にも乗ってきた場合のことを考えて諦めた。ちなみに、がらがらであれば空いてる席を占拠して寝ても車掌のお咎めはない。さらには、指定券と違う所で寝ていても何も言われない事がある。そして、浜松あたりから飛行機でもらったアイマスクを装着し、臨戦態勢に入る。

　しかし熟睡は難しく、途中、静岡、沼津、熱海、小田原で目が覚めた。特に、沼津では、車内保温のためにドアをいったん閉める旨のアナウンスが、３時過ぎにもかかわらずデカデカと流された。快速とはいえ、さすがに夜中にうるさいと毎回思う。だったらデッキと客室の間に仕切りドアのある特急型車両使えよ。（使用されている車両は、普通列車でも特急列車でも使える車両として開発されたため、扉は山手線のように両側に開き、デッキと客室の間には仕切り扉がないという、特急列車らしからぬつくりをしているのである。）そして熱海から先では、発車ベルが真夜中から明け方のホームに鳴り響く。これも少々うるさく感じるのだが、JR東日本管内に入ったことを感じさせてくれるので、そこまで気にはしていない。むしろ近所迷惑ではないかという方が気になってしまう。

　そんなこんなで、次に目を覚ますと大船あたりだった。ただ、目が悪いのではっきりとは判らない。そしてうつらうつらしていると、車内放送が入った。後５分ほどで横浜に着くとの事。今日の車掌はチャイムを鳴らさなかったと、少し不満に思った。しかしながら、かわいい声の女性の車掌さんだったので許した。
　横浜を過ぎると、右手に京浜急行の線路が見えるのだが、今回は席番を指定しなかったがゆえに左側だったので見ることはできなかった。そして、夜も明けぬうちから走り出す京浜東北線を横目にしながら、列車は次なる停車駅、品川を目指していく。どうやらまたしても眠ってしまったらしい。気づいたら品川であった。いつもならぼんやりと川崎を通過し、多摩川を渡るのだが、全く気づかなかった。

　品川を過ぎると、山手線が回送で走っている所を見ることができる。なかなか珍しい光景である。

　新橋あたりから車内放送があり、身支度を始める。この列車は東京駅に到着すると、１５分後に静岡行きの列車として発車する。その間にスタッフが乗り込んで、座席の転換や清掃を行うので、なるべく早く降車しなければならない。

　午前５時５分、列車は定刻どおり東京駅に到着。私は降車後にトイレへ行き、洗面等の車内で出来なかった身支度を済ますと、山手線外回りに乗車して新宿へと向かったのであった・・・