Nicotto Town



チベットにて11


7時起床。
腹痛あり。
でも歩けないこともなかろうと歩き始める。
麦畑の中の道を30分ほど歩いたところで、耕運機の後ろに乗せてもらえた。
郊外に出るところに公安のチェックがあって外国人は金を取られると聞いていたが、気づかないうちに通過していた。

昌珠寺に着いたのは9時前。
持参のバター入れを取り出し、お参りをする。
入場は9時からだったらしく、おじさんが追いかけてきた。
入場料を払わないといけなかったらしい。
でも払ったらおじさん自らいろんな場所の鍵を開けて、ここの見所のパールタンカや、ふだん日が当たらないように布で隠してある古いタンカを見せてくれた。
1階の部屋も説明してくれ、仏像を写真に撮ってはいけないはずなのに「撮りなさい」と勧めてくれた。

町から15キロのところにあるユンブラカンにも行けた。
耕運機2台と車1台を乗り継いでである。
1本道を歩いていくと後ろからエンジンの音がする。
耕運機を運転している人は英語なんてわからないけど、ゼスチャーで「こっちいくなら乗せて」とお願いすると乗せてくれ、自分の畑に着くと「ここまでだよ」と手を振って曲がっていってしまう。
そんなのの、繰り返し。
最後にユンブラカンまで乗せてくれた自家用車は「1時過ぎにまた通るから、ここにいなさい。帰りも拾ってあげるから」と言いながら去っていった。

ユンブラカンは古城だ。
話によると、チベット最古の城らしい。
ツェタン自体、ここからチベット族が始まったという言い伝えのある町だというが、町にそんな面影はまるでなかった。
城も何度も壊され、特に文革の時には完膚なきまで壊されたから、今の城は新しい。
城は高みにあった。
苦しいのを1歩ずつ登る。
上に着いたら番人がいて、中を見せてくれた。
がらんとした城だけど、眺めは良かった。
山でさえぎられるまでのすべてが見える。

ところでトイレはどこだろうか。
もちろんさっきの寺できちんと入ってきたのだが、腹痛のためまた行きたくてたまらず、そのためここまで登ってきたようなものなのだが。
城の中をすべて見回してもわからず、番人に聞くと、城の裏を指された。
何だ、外トイレだったか。
と思って外に出たが何も・・・ない・・・
これはもしや、君の決めた所がトイレなんだよ、ということなんだろうか。

ツェタンの空はとても青く、ぽっかりと浮かんだ雲は白く、とても美しいものだったが、ここはもうちょっとさえぎるものが何かあってもいいかなと思いました。
物音が自分の立てるものくらいしかなくて、あれは本当に恥ずかしかった・・・

1時まではまだ間があるけれど、本当にあの車、来るんだろうか。
道の脇に座り込みながらぼんやりしていると、遠くから砂埃が立つのが見え、それが車の形になった。
おじさんは助手席に私以外の人も拾っていた。
行きはあんなに時間がかかったのに、自動車だとたった20分で町に着いた。
お礼を、と言ったのに、いいんだよ、と手を振って行ってしまったおじさん、ありがとう。

バスの時間を聞きに行くと、3時発のラサ行きがあった。
抗生剤は、ラサにある。
この町にも病院はあったが、なるべくなら行きたくなかった。
ラサですら、血液検査の注射の針を何度も使い回ししているという。
この町は、ラサよりももっと貧しい。
それは昨日のバザールの品物を見てもわかる。
品物はみんな日に焼け、靴下なんて2,3回履いたら穴が開きそうなのしかなかった。
ちょっとベッドで休んだから、と体をだましながらバス停に行ったが、バスに乗り込もうとして吐いてしまう。
乗客の誰かが緑色のカプセルをくれたので、いただく。
あと1日休んでいけばいいんだ、とわかってはいるのだが、とにかくラサに帰りたいのは今後のことが心配だからかもしれない。

帰りは5時間かかった。
自業自得だが、つらくて仕方なかった。
水を飲んでも吐きそうになるので、我慢できなくなった時、一口だけ飲んだ。
川を渡ればラサが近いとわかっていたが、時々視界から見えなくなる川は次に顔を上げたとき必ず右側にあり、まだなんだと思い知らされた。
8時着。

バスから降りると、一緒に乗っていたチベット人の夫妻が「耕運機タクシーに一緒に乗っていきなさい」と言ってくれ、その前に、とミルクティーと薬をくれた。
なんか正露丸を大きくしたみたいな丸薬。
もしかしてチベットの薬だろうか。
タクシーは何かもめたようで少々歩くことになったが、広場の外でリクシャーをとめて乗せてくれた。
「もうお金は払ってあるからね」と言われ、あわてて払おうとしたら「あなた、バナクショーの子でしょ。いいのよ」と言われた。
どうも宿の中のカイラシュレストランの人らしい。
またバナクショーにチェックインをしたころには薬が効いたのか、楽になっていた。

http://tabj.web.fc2.com/shasin/tetan.html

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2010/07/23 11:43
ジョバンニさん
トイレのないところで腹痛に襲われると、どうしようかって思いますね^^;
本当はもっと美しい仏様がたくさんあるのですが、なかなか写真に取れなくて残念でした。

イチゴイチエさん
尾篭な話、失礼しました。
チベットの仏様は本当に色鮮やかで、しかも寄進の美しい着物を着てカタをたくさん巻いて・・・
それだけでなく、たくさんの信者が真剣にお参りしているところがとてもいいです。
チベットの空は、チベットブルーというそうですよ。
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2010/07/23 00:20
ぼくもよくおなかこわしちゃうから、つらいのよくわかります><
でもその中でも、いい人たちに出会って、そしてあっさり別れて行って・・
お城の自然のトイレ、大変だったですねっ><
仏像のお写真、日本の仏像とかも、昔はこんなふうに色鮮やかだったって
テレビでやってたのを見ました、やっぱり、日本の仏教は確かに
チベットからやってきたんだって思いました!!

あと、チベットの空って、雲が、空がなんか近くに感じますね^^
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2010/07/22 23:20
腹痛は辛いですよね…(^-^;

なかなか綺麗な仏像ですね(^-^)
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2010/07/22 22:55
グレープさん
まったくお勧めできない話ですが、どうも旅に出ると動かずにいられなくて、時々ぶっ倒れたり倒れそうになって周りの方に迷惑をかけていました^^;
若気の至り、そのものです。
ニーハオトイレもいいのですが、体調が悪い時には個室が一番ですね。
私も音姫はいりませんが、衝立は欲しいです・・・
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2010/07/22 20:22
不調をおしてでかけて、親切な人たちとの出会いがあってよかったです。
こういうときこそ、トイレ事情は切実ですね。
日本のトイレによくある、「音姫」なんてものは、なんでいるんだろうって
いっつも思いますけど。



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