NATOがソマリア給油支援を要求ねじれの壁に当る
- カテゴリ:ニュース
- 2010/07/22 19:13:57
政府は、アフリカ・ソマリア沖での海上自衛隊による海賊対処活動に補給艦を新たに派遣し、外国艦船への洋上給油を行うことの検討を始めた。
各国から給油の要請が出ていることに加え、鳩山前政権が取りやめたインド洋での給油活動に代わる新たな国際貢献策としたい思惑もあるようだ。ただ、先の参院選の結果、国会では衆参の「ねじれ」が生じており、必要な法改正を行うのは容易ではない。
ソマリア沖では現在、約30か国が艦船を派遣して海賊対処を行っており、日本の海上自衛隊はソマリアとイエメンに挟まれたアデン湾で、護衛艦2隻が民間船団を護衛航行している。国際海事局(IMB)によると、海賊事件は14日の時点で101件と昨年並みの頻度で起き、発生海域はソマリア東方やセーシェル周辺などに拡大してきている。
このため、パトロールを行う各国艦船は、給油のたびに補給地点に帰港する必要が生じている。海賊被害対策を協議する関係国の会合では洋上給油の必要性が指摘され、北大西洋条約機構(NATO)や欧州連合(EU)、韓国、インドなどから日本に、補給艦による給油の要請が出ている。
しかし、実現へのハードルは高い。最大の問題は、海賊対処法の改正だ。
海賊対処法は自公政権だった09年6月に成立し、同7月に施行された。海上自衛隊の海賊対処活動の根拠が自衛隊法の海上警備行動から海賊対処法に切り替わり、日本と関係ない外国船の警備や海賊行為を制止するための海賊船船体に向けた射撃が可能になった。ただ、外国船への給油は活動内容に入っておらず、実施には改正が必要だ。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100720-OYT1T00606.htm?from=os4
ソマリア自体にはそんなに資源が有る国では無いので、先進国は出来るだけ
お金を使って助けたいと言う訳ではないようですが、事が石油タンカーの航路
に海賊が現れるとなると話しは別です。
現在石油産出国で一番石油を売っている国はロシア。
続いてサウジアラビア、アメリカ合衆国の順。
アメリカは世界で一番石油を使う国なので、1日720万バレルの生産があっても、
1日の石油消費量が1860万バレルと、全然足りていません。
そしてロシアは1日に1003万バレルの生産があるのに自国ではそんなに使わず、
周りの国に安定供給しているので、アメリカや日本には石油が周って来ません。
そこで第二位の石油産出国サウジアラビアから買うのですが、サウジアラビア
は直接太平洋や大西洋に面しておらず、タンカーで石油を買いに行くと
イランとアラブ首長国連邦の間にあるオマーン湾を通るルートか
ソマリアとイエメンの間にあるアデン湾を通らなくてはいけません。
イランとアラブの間は比較的安全な航路と言われていますが、
イランの先にあるクエートやイラクに米軍を派遣している為に、オマーン湾に
米軍が居るからと言うことでもあるようです。
また反対側のサマリア沖にも展開していますが、
海賊の数が多過ぎて全てのタンカーに護衛を付けるのはなかなか難しい状態。
護衛艦も補給する為にいちいち帰っていたのでは間に合わない状態なので、
海の上で食料や水、船の燃料を補充するのですが、
その費用を何処の国が負担するのかが問題になってます。
他の国の軍艦と違って、自衛隊の船は攻撃されなければ反撃できません。
しかも日本の船以外が目の前で攻撃されてSOSを出していても法律上発砲を
許可していません。
他の国からすると「ちっ、自分たちだけ助かればいいのかよ」
と言う様な状態では、石油を売る側のサウジアラビアも国際世論に押されて
石油の販売をえこひいきします。
その状態を打開するべく、法律で何とかギリギリ通せるアメリカ軍への補給
を無理やり国会で承認したのですが、期間限定だったために一度補給中止と
言う状態になり、アメリカ軍からはイージス艦ーへ送られる情報をカットされたり、
イラクやアフガニスタンからは、日本人は酷い奴等だと言われたりした為に、
慌ててアメリカ軍にだけは補給を再開。
そして今回・・・
なんとNATOからも補給してくれと言ってきました。
確かにアメリカ軍だけなら太平洋を渡ればいいのですが、
NATOの殆どの国はアフリカを一周して来なければいけないので、
燃料も食料も、アメリカ軍単体より大変。
NATOに加盟しているアメリカだけ補給が受けれるのに、
他の国は補給なしかよ!
と、突っ込みが入った状態になってしまいました。
ソマリアでは未だに内戦が続いて、少しでも力のある人は海賊になって、
それすら出来ない人は隣の国に逃げているようです。
http://mainichi.jp/select/world/news/20100702k0000e030036000c.html?inb=yt
玉梓はソマリアが平和になる事を祈っています。