自作小説倶楽部8月お題…「ひまわり」
- カテゴリ:小説/詩
- 2010/07/23 12:18:41
≪おじいちゃんちのひまわり≫
おじいちゃんちの庭は広い。
テニスコート3面くらいはゆうにあるだろう。
ただし、そこは9割方が畑になっていて、時期ものの果物からジャガイモ・ニンジン・ネギ・タマネギ・カボチャなどなど実に様々なものが栽培されており、ほとんど隙間なく耕されている。
おじいちゃんは、収穫したものを近所に配ると同時にいつもウチへ送ってくれるので、おかげで日持ちする野菜などウチではほとんど買ったことがなく大いに助かっている。
畑は、周囲の3方を田んぼに囲まれており、夏になると満面水をたたえた中に緑の稲草がすくすくと伸びた風景になる。
そんな畑の一番端っこに一輪だけひまわりが咲いていた。
別に誰が植えた訳でもないのに自然と生えてきたそうで、小学生の時に初めて見た時は、当時の私の胸くらいの高さしかなかったのを憶えていた。
そんな記憶の中で、昨年7年ぶりにおじいちゃんちに遊びに行ったところ、あの頃一輪しかなかったひまわりが畑の片端一帯を黄色く染め上げるように咲き誇っているのに驚いてしまった。
その大きくて黄色い花たちは、縁側から見た私の目にも鮮やかなのはもちろん、田んぼをはさんだ向かい側の道の上から眺めた時には、まるでおじいちゃんちがひまわりの中に建っているように見えるほどだった。
夏の花「ひまわり」・・・その生命力の強さに私はとても感服した思いに駆られた。
すると、『ほら、タケ坊、ヒロちゃん、食べな!』と、おばあちゃんが木皿に塩炒りした【ひまわりのタネ】を山盛りにして出してくれた。
『こうして取って食べないとどんどん広がってっちゃうからね。それに秋になると落ちた種をイタチが食べに来て、ついでに畑を荒らすから本当は困ってるんだけどね・・・』
そう言いながら別にひまわりを無くそうとは思ってないらしいく、私は「人間も充分強いんだな」と思わずにいられなかった。
今年の梅雨時、田舎は記録的な豪雨に見舞われたそうだが、ひまわりは畑の一角を力強く占領しているようである・・・
一帯を埋め尽くすひまわり。力強いです。
おばあちゃんの言葉、『困ってるんだけどね』の裏側にある思いが、優しくていいですね^^
これからよろしくお願いします!
大きく空に向かって咲く向日葵と、
困った顔をしながら笑うおじいちゃんおばあちゃんが
見えてくるようなお話でした。
ひまわりの中に建つ家…
すごくキレイな絵になりそうですねw
でも、全く違うんですよね。
ひまわりは、やっぱり太陽に向かって力強く咲いているというイメージですね。
生命力の象徴のようなヒマワリの種を食べることで、二人の中にもその強さが流れ込んだのでは…なんて思ってしまいます。
(○´・д・)ノ〔● ォ'`ョゥ○〕ヽ(・д・`●)
暑ぃねww
ステポだょw
追記
自作小説蔵倶楽部にバニラさんが入会されました
よろしくお願いします
世代間ギャップがあるのだすよね。 ウンウン
ある程度の年齢以上なら
ひまわりとは 空まで届くような背の高く 大きな花を咲かす植物と 認識されるのだすが
最近のこどもなどだと
ひまわりとは 自分の背丈とさほど変わらない それほど大きくもない花を咲かす植物 と
されることもあるかと・・・
ということで
今回は 前者なのでしょうだすね♪www
BENクーさんの表現するひまわりは精一杯生きているという主張が伝わってきますね。
やっぱりひまわりはこうでないとな。
太陽に向かう笑顔が見えてくるようです。
BENクーさんが とても優しい気持ちで思い出しておられるのが伝わってきました。
とても良いと思います。
関係ないですが、小学生の頃
ひまわりの種をよく食べていたことを思い出しました。
こういった一人称は自分は書けないので、
とても参考になります。
食物連鎖のなかで共存している、生物のすごさが感じられました。
…ひまわりの種って食べれるんですね。(←知らなかった)
正直、うちのインコに分けてください~~~と言いたくなる
のは批評感想とまったく関係ない
ーこともないです(^^;。
ひまわりが非常にリアリティーに感じられるからこそ、
つい言いたくなっちゃうんですよね
おばあちゃんの作ってくれた、塩入りのひまわりのタネ、おいしそうですねぇ~。
ひまわりもおばあちゃんもイタチも・・・みんな元気に力強く、そして、優しく生きているように感じました。
田舎の畑の片端を埋め尽くす、ひまわりの元気な姿が想像できて、なんだか懐かしい気分になりました。
ひまわりの強さには惹かれてしまいます。