Nicotto Town



夢の迷宮・迷宮の夢


『インセプション』観てきました。

予告ではなんだか正体不明でドキワクする要素ってのが感じられなかったんですが、監督が、私にとって超ツボだった『ダークナイト』の人だったんですよねぇ。ってことで、監督に賭けてみました。
観て良かった!
予告の印象とは全然違う話でした。―――予告詐欺は、良くも悪くも映画には付き物なんですが……これは、この話の面白さを正しく伝える予告にしようとしたらネタバレ必須になっちゃうから、あの冴えない予告は仕方ないですね><
3時間近く?が、あっという間でした。

でも、でも、なんだろう?
私、こういうシチュエーションにはデジャヴ……っていうか、ぶっちゃけ「なんか…すごく……押井守っぽい…かも」って思っちゃいました><;
『GHOST IN THE SHELL 』とか『イノセンス』とか……から、私が「微妙~~ん;」って感じた要素を取り除いて「微妙じゃない」スッキリした良作にするとこんな感じ?
みたいな。
ええ~!?
でも~?
『マトリックス』の監督の押井好きは有名だけど、この人にそんな噂聞いてないよ??質的には『マトリックス』よりもはるかに近接してる感じなんだけど?
あと、「キサマ!江戸川乱歩にかぶれてるな!?」と問い詰めたくなる部分も―――うつし世はゆめ、よるの夢こそまこと。
パンフには、その辺のことは1mmも触れてませんでしたけど。アリアドネなんて元ネタがメジャーすぎる件についても全く触れてなかったからどうだか。私がライターだったら、少なくともアリアドネには絶対言及するのに。
だからまあ、「こんな話見たことない!」的な圧倒され方は、私はしませんでした。でしたけど、別に文句をつけてるのではないですよ?なんつーか、ユングが言うみたいに、無意識の最深部で人は皆繋がってるのかしら?みたいな感覚。無意識に繋がる『夢』の話だけに。
そんなわけで、夢を操り夢に操られる話で、その夢の中をファム・ファタールが徘徊して予定調和を突き崩しては再構築するんですが、押井守のファム・ファタールは「女神様」だけど、『インセプション』のは、さながら悪鬼羅刹といった風情で、そういう部分は、似てるようでベクトルは真逆。
主人公のやってる事は他人の無意識を蹂躙する行為で、一言で言っちゃえば「悪い事」なんだけど、一方で、妙に良心的だったり、自縄自縛で行き詰まってるわりには前向きなところもあったりとか、人間ってそんなものよね、な、バランス感覚が、ストーリー上の仕掛けとは別の面で面白かったです。
ただ、ラストが……、「お好きな方をお選びください」は、巧いけど意地悪だと思いましたわ。

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