Nicotto Town



チベットおまけーカトマンドゥまで


5時半起床。
6時にバスが出ると聞いていたからだ。
だが一人250ルピーもするというので、いったん載せた荷物も降ろし、交渉。
だってこのバス、途中までしか行かないのが明白なのだ。
そのうちトラックが通りかかったので、それに乗る。
10分くらい乗ったところで検問。
パスポートを見せると帳面になにやら細かく書いている。
私の写真をじっと見て「M」と書くとは失礼な。
「Fだ、F」と訂正させる。
それからネパール人の荷物調べ。
袋の全部開ける厳しさに驚いてしまう。
10分くらいぐちゃぐちゃにして、やっとOK。
と思ったら橋を渡ったところでまた検問。
こちらはそんなに厳しくなかったが。

その先少し行ったところで止まる。
ここからはポーターの道だ。
ポーターが荷物の取り合いになったので「私が担ぐ!」とリュックを背負うとちょっとおとなしくなった。
最初はこっちが何も知らないと思って50ドルとか50元(1000円くらい)とか言うんだから舐められたもんだ。
日本人はちょろい相手だと思われているんだろうな。
もめていると英語のできる斡旋屋みたいな人が出てきて、結局8元で頼むことになった。

荷物を運んでくれるのは、革ジャンを着た男の子だ。
こういう所で荷物を掏り取られるという噂があったが、彼は正直な若者だった。
私はこの道を荷物を背負ったままでは歩けなかったな、と思う。
正直、道とも言えない道だ。
急斜面に足の踏み跡として存在する道は、幅10センチほどしかない。
それが斜面を上ったり下ったりしながら続くのだが、下は激流。
それが足元1メートルから10メートルくらいのところを轟々と流れている。
足元は岩だらけだったり、滑りやすかったり。
時々少し滑ったが、彼が片手を引いてくれるおかげで事なきを得た。
ありがとう。

トラックに乗り継ぐが、こちらは5分ほどでまた崩落。
最初乗り賃50ルピーと言われていたが、断固20ルピーに下げさせる。

今度はポーターを雇わず歩く。
ネパール人もそうしていたからだ。
親切なおじさんが「私はただだよ」と貴重品袋を持ってくれた。
ちょっとどきどきしたが、危ない所では手を引いてくれ、バスに乗せてくれた。
バスは人が集まらないのでなかなか出ない。
9時ごろ出発し、10時ごろまた検問。
パスポートチェックとネパール人の荷物検査だ。
いつもこんなに厳しいのだろうか。
それとも密輸とか、何かあるのだろうか。

バスはバラビゼで止まり、次のバスを待つ。
親切なネパール人が私たちの分のチケットも買ってくれたので、安く済んだ。
出発は30分後だというので、早いお昼を食べる。
昨晩と同じターリー(カレーの定食)だ。
バスは11時ごろ出た。
Kさんは2歳の子供を膝に乗せてしまう。
おばあさんに頼まれたからというが、この座席、ひどく狭い。
「苦しいから、ちょっと乗せて」とO君に頼んでいるが、苦しいくらいなら「もう無理です」と返したらいいのに。
そう言っても彼女は「どうせ後ちょっとでしょう。確かガイドブックにカトマンドゥまで2時間って書いてあったし」と笑う。
うーん、おばあさんも無理になったらいいけどちょっとだけ、という気分だと思うのだが、まあ、私が冷たいだけなんだろう。
ちなみに私も一度お願いされて、仕方なく少しだけ乗せたが、この子、子泣き爺では? と思うほど重かった。
最初は平気なのだが、10分もすると脂汗が出てくる。
すみませんが、私はもうご免こうむります。

結局バスは5時近くになってやっと着いた。

バスの中でPUSKAというホテルのオーナーに声を掛けられたので、今晩の宿が決まる。
トイレ、シャワーつきツイン150ルピーだ。
久々のホットシャワーに感激し、同宿の日本人に誘われて食事をしにいく。
MEGIレストランは和食もあるというので楽しみだ。

MEGIのカツどんセットは漬物が妙に甘く、味噌汁はすっぱく、カツどんはわけのわからない味だったが、一応どんぶりに入っていた。
海外の日本食はこんなものなのだろうか。
でも同宿者が「うまいだろう、ネパールは日本食があるのが最高だ」と言っているので、黙って食べる。
私も数ヵ月後にはこのカツどんに感激するのかもしれないし。

みんなで宿に帰ると、食事に来ていなかったO君はマリファナを吸って寝ていた。
彼はおなかが痛いのでちょっと寝てから食事に来る約束だったのだが、外に出て5分もしないうちに売人に誘われ、10ドル買ってしまったのだそうだ。
早業だな!
彼はすでに4本ほどやって「気持ちいいっすよ」と言っていた。
確かにこの町、その手の誘惑は多そうである。
何しろ「チェンジマネー? マリファナ? 葉っぱ?」というのがこの町のチェンジマネー屋の常套句だ。
この町ではマリファナもチェンジマネーと同程度の悪徳でしかないのか?

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2010/08/06 11:06
のめさん
カラチとラホール!
両方とも行く気満々だったのですが、当時治安悪化で南方行きの飛行機が軒並み欠航のため行けませんでした。
ラホール博物館、行きたかったなあ。
確かに貧富の差はすごいですね。
富裕層の結婚式、さぞかし豪華絢爛だったことでしょうね。
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2010/08/06 08:29

僕は仕事でしたのでカラチとラホールしか行っていません。古代史に興味があるので仕事の合間にでかけたラホール博物館のシャカ苦行像とインダス文明の円筒印章がみれてよかったです。宿泊していたホテルで富裕層の結婚式を見たことも記憶に残っています。貧富の差はすごすぎですね。
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2010/08/06 07:30
スロウ・ガラスさん
ケニヤ! 憧れの地でしたが資金に余裕がなく、アフリカはモロッコだけ踏んできました^^;
やはりパキスタンは男性に人気がありますね。
私は胸もないのですが、現地の女性と同じ服を着ても男性と見まがう服装でも市場などでのボディタッチが異様に多いし、宿を取れば「ここは物騒だから私が一緒に寝てあげよう」と主人が布団を運んでこようとするしでペシャワールとタキシラ遺跡しか観光できなかったので、そう言えば「誰かと結婚したらリベンジ!」と思っていたのでした。
インド、ネパールはおそろいですね。
お話できる機会があったら、ぜひよろしくお願いします。

ちょっと量が多いので、ごゆっくりどうぞ^^
またどこかで突っ込みいただけたら嬉しいです。
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2010/08/06 02:20
私も、数十年前にケニヤ、パキスタン、インド、ネパールを6ヵ月貧乏旅行しました。
少し自分の記憶とも重なり、たくさん写真を撮ったことなど思い出しました。

ちょっとずつ、読ませてください・・・
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2010/08/05 22:49
まあくん
肺炎・・・われわれの歳も多いらしいですから、お互い気をつけましょう。
何より私たちが子供の頃は30過ぎたら中年だから無理はきかなくなってくる、体をいたわれ、といわれていたのですから、医療が進歩したって40過ぎたらやっぱり体の構造変わってくると思います。

アバと違って本物はほぼ男ですが、パスポートの性別欄よりショートカット=男というのが彼の性別識別法だったようです^^
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
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2010/08/05 15:32
冒険心をそそりますねえ。
え?マリファナ?・・・懐かし・・・いやいや。

それにしても、こんな美人をMと判断するとは・・・。いやはや。

ま、文化の違いですな。

ここの所、病床にふせっておりましたが、何とか復帰できました。

肺炎一歩手前だったようで。

トシですなー。
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2010/08/05 13:38
のめさん
おお、インドとパキスタン!
この後パキスタンにも行きましたが、あそこは厳格なイスラムの国なので女性の一人旅は悪目立ちし、失敗したなと思いました。
男性には旅しやすい国だそうですね。
のめさんはどんなことが印象に残っていますか?
私は今度パキスタンに行く時には付け髭をつけようと思います。

確かに、インド、ネパール料理店は増えてきましたね。
学校の給食にもナンが出たりするようですよ。
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2010/08/05 08:19
旅行記を面白く読ませていただきました。インド、パキスタンは行ったことがあるのですが、チベットなどいったことがないところはノンフィクションの物語が一番よいですね。
最近、日本にインド、ネパール料理店が増えてきたような気がしてます。
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2010/08/04 22:28
Rinoさん
どうもありがとうございます^^
ポーターは本当に大変な仕事だと思います。
足場なんて、本当に靴の幅くらいしかないんですから。
私も高所恐怖気味なので、怖かったです。
とにかく前を歩く人の背中だけみるようにして乗り切りました。

検問、でもネパールに入る側が厳しいんですよね。
カトマンドゥ側に入れたくないものがあったんでしょうか。

チベットのこと、少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。
書いた甲斐がありました♪
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2010/08/04 12:49
おぉお~とうとう最終回でしたか~!
お疲れ様でした&ありがとうございました(≧▽≦)
(丸々1日遅れですケド。。。)

足場の幅が10センチくらいって、
ポーターも命がけの仕事ですね(>_<)
私は高所恐怖症気味なので、荷物を持って無くても歩けないかも。。。^^;

検問が厳しいのはやっぱり葉っぱのせいなんでしょうか?
気軽に国外に持ち出せては、国に悪い印象がつきますもんね。。。

今までチベットの事、何も知らず特に興味もなかったんですケド
glycogenさんのブログで好きになってしまいました(*^-^*)♡
改めて、ありがとうございました~☆
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2010/08/04 08:18
グレープさん
パリに行ったときとか、日本人観光客は異彩を放っていましたしね。
なんか、まったく警戒心のない歩き方が遠目でもわかりました。
他の国の人にとって、アメリカ人と日本人はほんのちょっと話すとすぐわかるらしいですよ。

つるまつさん
とりあえず、チベットのお話はおしまいです。
なんか夏になると誰かに伝えて、と言われたことを思い出してしまって。
また気まぐれにどこかの思い出をつぶやくことがあったら、またよろしくお願いします^^

ジョバンニさん
気持ちいいもんなんですかね。
マタタビも猫によってすごく効き方が違って、うちの猫はちょっとごろごろするだけだけど、その舐め跡でよだれたらしてトリップしちゃう野良猫ちゃんもいますから、あれも個人差があるのかもしれませんね。
うちのは全然喜ばないので皿を外に出しておいたら野良猫たちの大宴会が始まってしまってびっくりしたことがあります^^;

イチゴイチエさん
味噌汁が酸っぱいのは、何故なんでしょうね。
醗酵が進みやすいのか、当時のネパールではどこの味噌汁もそんな風でした。
最後の質問については、私は本当に買ったことも誰かにねだった事もないのに、何故感想書いているんでしょうか。
不思議なことですねえ。
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2010/08/03 23:44
やっぱり日本人って見ると
いっぱいぼろうとしちゃうんですね・・(*@v@。)

カツ丼セット侮りがたし><おみそ汁酸っぱいの怖いし><

あっマリファナ、グリコさんも吸ったの?(*@v@;)?
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2010/08/03 22:17
マリファナってそんなに気持ちいいもんなんですね(笑)

それにしてもすっぱい味噌汁は勘弁してもらいたいです(^-^;
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2010/08/03 20:48
お話、今回で終わりでしょうか?
毎回、すっげー楽しみにしてました。

自分でもこういう旅をしてみたいですが、元々がインドア派なもんで中々起動かかんないです。
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2010/08/03 19:52
おまけ編、おつかれさまです^^

日本人は、どこでも金になるんでしょうかね。
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2010/08/03 10:08
文字数が足りなくなったのでここで。
当時、ネパール側は雨季が終わるところで、登山のオフシーズン。
こんなときにネパール来る奴は、葉っぱ目当てのやつしかいないよ、というのがネパリの常識だったらしい。
何しろ私、インドでも1度しか売人に声をかけられたことがなかったのに、ここではチェンジマネーと同じ回数声をかけられたわけだ。
無差別攻撃なのである。
当時のネパールはそういうのに寛容な感じだったが、飛行機だけは別。
荷物チェックがすごく厳しくて、国内線でも見つかれば即牢屋です。
でも、はまった子はそういう認識がどんどん欠如しちゃって、せっかく買ったから、と捨てられずに乗ってあいつは捕まったらしい、とかそんな噂もよく聞きました。

はっきり言うと、葉っぱはそんなに効くものじゃない。
タバコをしばらく断ってからまた吸うとすごくくらくらするけど、あんな感じに近い。
それか、山登りして頂上に立った時の、なんか妙に充実した気持ち。
けど、山登りすれば思い出が残るし体力もつくけど、葉っぱには何も残らない。
だからたいていの人は、そこでやめる。
けれど一部の人は苦労せずに味わえるその感覚をまた味わいたくなってしまう。
もっと刺激が欲しくなって、精製されたものに手を出したくなっていく。
また、そのうまいタイミングで売人もカプセルなんかをちらつかせ始めるという話。
旅っていうのは自己責任の世界だから、何を取るのも自分の自由だけど、ちょっとした快楽がすごいリスクを伴うことがあるのも忘れたくない。



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