Nicotto Town


アフォカツ


夏休み・16日目 8月3日

この日、正義は敗れた。

燃え盛る肢体を這わせる少女の瞳はただ俺だけを睨み上げていた。

決着は着いた。

焼かれ爛れる彼女の恨めしい目を見て予言めいた確信を得た。

「ゆるさ・な・・・い・」

多分、決着は着いていない。彼女の身体を燃やす炎はそのうち消えるだろう。しかし、俺への復讐の業火はそれを果たすまで消えないであろう。両手足を失って全身が火傷に侵されようと戦おうとするだろう。

「いつか、いつか殺してやる・・・!」

どうしてこうなったのだろう。という自答さえもはや許されないのであった。

「無心」「無感」「無考」「無思」「夢想」

正義に勝るにはそれ以上の正義や悪が必要だと思っていた。しかし、それすら捨てた存在になるほうが簡単であった。

もうこの武器は要らないな。

宗家に代々伝わる刀、鳴き切りを彼女の横に打ち捨てる。彼女の獲物を先の戦いで断ち切ったからちょうどいいかもしれないな。

うっへっへはっははは・・・!

今日もいい天気だな!




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