機動戦士ガンダム 公国の威信04
- カテゴリ:自作小説
- 2010/08/03 18:29:49
U.C.0087 3.5
「スラスター出力70%突破」
「繋留ワイヤ解除完了」
「舵稼動正常」
ライプツィヒ級は、格納庫の床が競りあがっていたため、地面に垂直になり、
出撃のときを待っていた。
「よぉし、エンジン出力全開、進路サイド4、出撃する!」
ロザリオの掛け声で艦は2機の熱核ジェットエンジンをうならせ、月の重力圏を突破した。
「よくこのボロ舟を上げれたな!」
「ジョゼフか。頼むぜェ、こっちはアンタに指揮権預けてんだ」
「仰せの通りに」
程なくサイド4付近の宙域へ着いた。
「3番、5番カタパルト用意!」
2つに伸びる艦首の下側2つのハッチがゆっくり開いた。2機のゲルググは逆さに
フットパットに固定されていた。
「O.P.U.(オーグジュラリィ・パワー・ユニット)起動!」
ゲルググに電力の供給が始まる。
「3番のマーチスが先発、レイリーは後に続け。タイミングはそっち持ちな」
「イエス・サー!ジョゼフ、ミッションプランを開始する!」
3番カタパルトがありったけの力を振り絞り、ゲルググを加速させ、飛び立たせた。
間髪いれず、レイリーの機体も発進した。
「さて、と」
ジョゼフは本来、グレネードが装備されているピストルをコロニーに向け、撃った。
ペイント弾のピンクのインクがコロニー外壁を染めた。
「よぉし、一気に片すか」
「いつでもどうぞ」
「レン!そっちはいいか?」
「バッチリでーす★」
3番カタパルトの上にある2番カタパルトには、
ドッキングしたケンプファーとウラノスが出撃の瞬間を待っていた。
この形態は、クルーの間でウイング・ケンプファーと呼ばれていた。
「GO!」
ジョゼフの合図で2機のゲルググの両肩のビームキャノンと両足のミサイルポッド、
そして、ジョゼフ機のビームピストルとレイリー機のビームスナイパーライフルが、
ペイント目掛け、一斉に火を噴いた。
「レン、ウイングケンプファー、行きまーす!」
同時に2番カタパルトのウイングが、ペイント目掛けて跳び立った。
ゲルググの攻撃で、サイド4の外壁は粉々になっていた。
その穴に向かってウイングは飛んだ。煙を振りほどいて、コロニーに侵入すると、
ウイングは分離し、ケンプファーは着地した。そこではティターンズの次期主力試作型MS、
「ハンブラビ」が、一部始終を呆然と眺めていた。
ここに、A.E,R.の戦いが始まるのであった。
カッコいいだろ!絶対に!