Nicotto Town



夏の日と病院と祈りと

夏と病院は いつの頃からか セット
私自身の事よりも
夏にお見舞いに行くことが 多いから

いや、冬にも行っているはずなんですが
なぜだか 想い出の中で夏・病室・蝉時雨は セット

15年前
私もちょうど病気で仕事を休まないといけなくなった頃に
遠くにお嫁に行った幼なじみが もっと大きな病に倒れ
最後の最後、ほんの限られた貴重なときを
ホスピスの病室でいっしょに過ごせました。

土日はご家族が来るだろうから
平日に。毎日行けば 彼女は負担に思うだろうし
私も無理なので
火曜日と金曜日に。
当時住んでいた西宮から京都の病院までは2時間半ぐらいだったか・・・

いつも夏になると思い出すのは彼女のことや
その他の入院生活を送っていた友達・知人たち
そんな折り・・

つい最近、また別の友達が 異常を感じて相談の電話が。
えっ それは大変だ、と
病院を調べる検索エンジンなどを探してみたり。

「何でもなければいいけど、やっぱり診てもらったほうがいいよ・・」
「やっぱりそうだよね・・」

こういう相談は 元気いっぱいの人よりも
病気慣れ(?)している人のほうがしやすいという傾向があります
私はその意味では適任者だった。
弱いこの身をも感謝でした。

最初は、心配なさそうな、先生や検査技師さんの反応だったらしいのが
再検査になり、あっというまに入院・手術が決まったと
電話で報告を聞きながら、つとめて冷静に、冷静に
と自分に言い聞かせながらも
あやうく涙がでそうになり
(だめだ、私が泣いたりしちゃ、だめっ 今はだめっ)
と内心自分を叱りつけました。

神様、彼女をいやしてください
どうか 彼女の不安をとりのぞいて
平安にかえてください
私にできること、教えてください
してはいけないことや かけてはいけない言葉も
教えてください
私の口に扉をたててください

そんな祈りをしながら <その日>がくるのを待っていました。
次々とやってくるいろんな思い・恐れと闘う彼女の前に
自分の無力さを覚えながら。

私にはインターネットでしりあった心の友というべき特別な友達がいます。
ワシントンに住む彼女とは ずっと お互いの試練の時に
わかちあい、祈りあい 支え合ってきました。
それは自分たち自身のことだけでなく
双方の友達のことや家族の問題なんかも たくさんありました。
会ったことはなくても
彼女が大切に思う人のことを 私も同じように思えるから
一生懸命祈ってきたし
彼女もまた、直接は知らない私の友人・家族のために
今まで多くの祈りを捧げてくれました。
言葉や人種の違いは 私たちには何の壁にもならなかった
時差もメールならどうってことありません。

最近、ちょっと連絡がとだえがちになっていたので
気になってはいましたが
とにかくご無沙汰の挨拶もそこそこに
「お願いがあります。友達のために祈ってください」
とメールを書きました。
オペの前日です。

するとたちまち 半日後には返事が来ました。
「歯医者さんの予約があって待っている間
なぜだかあなたのことが気になってしかたなくて。
こういうわけだったのね。」

彼女もご家族の問題で、試練のさなかにありました。
あまりにつらくて誰にも話せなかった、と。
そうした一連の出来事を分かち合いつつ
「あなたの友達のために、そしてあなたのためにも祈るわ」
「私も痛みの中にあるけど 祈ることはできるわ。」
と 胸をうつような返事が返ってきました。
自分の痛みや悩みはあるけど 脇にどけて
支えの手をのばしてくれていました。
(前のブログの<包容力>について書いたときには
この友人のありようが背景にありました)

当初はオペ当日、私も病院にいくつもりでしたが
術後の翌日に来て欲しいとの友達のリクエストにより
その日は自宅で 何度も祈りつつ待っていました。
付き添いにいっている筈のご家族から
私の携帯にメールが入る事になっていたので
「自宅で待ってなくていいよー」と言われていたけど
やっぱり一歩も出られませんでした(^^;

手術は成功。そして 考えられる限りの良いデータ。

ほっとしました。

結果を待っているワシントンの友達や
他にも知らせを待っている人にメールをして・・・

土曜日に約束どおり 会いに行ってきました。

ベッドに寝ているかと思いきや
とっても元気そうで 前日オペをした人とは思えないほど
明るく病院の廊下まで迎えに出てくれました。
背景が病院でなかったら、彼女の家に遊びに行ったのと変わらないぐらい、
早い回復ぶりでした!

手術は、闘病生活の始まりにしかすぎないけど
彼女は良いスタートを切ることができた・・・

本当に本当に感謝でした。
それに、彼女が私を必要としているときに
いくらかは助けになれたことも・・・。

久しぶりに日曜の夜はしっかり眠れて
月曜日、朝 一人でラジオを聞いていると
やっと実感が湧いてきて ほっとして涙が出ました。

彼女は闘いに勝てる。そう思います。


この夏は 15年前とは違った別な意味で
忘れられない夏になりそうです。














 

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2010/08/04 14:36
無造さん

個人差もあるだろうし、病状にも 病気の種類にも左右されるとは思いますが
来て欲しくないタイプや相手
来てもらって嬉しい相手
って確かにありますね
病気で入院していると 普段は考えないようなことにも
敏感になっているし。

15年前の友達は、私が部屋にはいったら
ぱああっ と顔が明るくなってました。
隣のベッドの患者さんからも「良かったねえ、良かったねえ」
と繰り返し。
行くまでに、私のことを話していたのかもしれません

先週の友達も ほんとに喜んでくれました。
嬉しくても お見舞いに来られると 結構疲れちゃうものだから
疲れてないと いいんだけど
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2010/08/04 14:28
お見舞いに来てもらうのって、元気や勇気、希望などをたくさん得ることができるんでしょうね。
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2010/08/04 09:52
ばやさん

朝から泣かしてしまった ごめんなさい
でも、友達や私のために
涙をながしてくれて ありがとうございます(^^)
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2010/08/04 09:50
nagataさん

祈り、たくさんの人の祈りが 届きました。
これからも 続きます

ありがとうございます(^^)
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2010/08/04 09:49
ぜんざい公社さん

時々 関わり合いの煩わしさや
自分の問題とに疲れて
孤立してしまうことは 人として生きていると
起きてくるんだと思います。

傷つくことはつらいけど、
生きていることの一部だと思う
仲間との関係で傷ついた心は
やはり同じ仲間かあるいは 別の仲間との関わりで
癒されるものだと思います(^^)

友達は いいものです(^^)

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2010/08/04 09:47
なんだかな~朝から涙がポロリン(@_@。
お友だちの病気回復を心よりお祈りいたします。。。
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2010/08/04 09:11
祈りが届いたようですね。
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2010/08/04 08:34
その狼はずっと独りで生きているそうです。
昔は群れで行動していたらしいですが、他愛のない『プライド』が原因で、
助け合うことができず、仲間を傷つけたり、傷をつけらりたり……、
それが嫌になり、ある日から独りで生きていこうと決意したそうです。

でも、そんな狼も最近疲れてきたそうです。
今まで仲間で背負い込んできたものを、ひとりで背負い込んでいるからだそうです。

いいですね、友達って。




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