Nicotto Town


アフォカツ


夏休み・20日目 8月7日

日本刀。

それは人を斬る事を追究した刃物の頂点に存在する武器である。

昨今の日本では、日本刀は美術的な観点から切れ味より刀身の美しさとかを重宝されている。

しかし、日本刀は人を斬る為に生まれたもの。人を斬るのが運命”さだめ”なんだ!

と爺ちゃんの数振りの1振りを借りて色々斬ってみよう。

まずはキッチン。冷蔵庫にあった適当な食材共を斬っていこう。

しかし、1つ1つ斬るのはめんどうだ。食材を1塊の山状にしてそこから振り下ろしてみた。

「おぉ!」

食材を乗せたまな板とそのまな板を置いていたテーブルごと斬れてもうた!

「す、すごい!さすが伝村正!ジジイが2000万で買ったと言ってきたときはついにボケたと思っていたが、この切れ味ならそれも頷けるな。さて、次は何を斬ろうか。」

居間に行くとこのご時世には似合わないでかいアナログテレビが1つ。

「次はアレ斬るか。壊れたらさすがにデジタルテレビに買い換えるだろ」

シュバッ・・・バリバリバリ。

一刀両断にした後、電気が放電してしまった。

コンセントつけっぱなしだ。

「テレビというのは電源ボタンを押して消してもコンセントが抜けてなかったら電気は自動的に流れるものだ。節約したいならまず家の家電のコンセントを全部抜くのがいいだろう!」

と刀を通じて節約術。今、真逆の消費をしたけど。

 

さーて、どんどん斬るぞー。

………

……

あーもう斬るものねーや。

倒れ行く家を目の前にそう思った。

「まさか家の前で横薙ぎしたら家もすっぱりイッちゃうなんてな。すげーよ。でももう斬るもんなくなっちまったよ・・・そうだ!街へ行こう!」

 

刀に魅せられた男・・・切れ味だけを求めた男の末路は言うまでもない。




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