シンドラーのリスト
- カテゴリ:日記
- 2010/08/11 09:51:56
ゆうべ、たまたま点けたらNHKでドキュメンタリー番組をやっていて、
もう眠かったし、途中までで寝てしまおうかと思っていたのですが、
内容の深刻さにひきこまれて最後までみてしまいました。
スピルバーグの「シンドラーのリスト」は見たときショックを受けた映画でしたが、全部が全部本当のこととは思っていませんでした。
特に残酷な収容所所長アモン・ゲートが気分次第で
ライフルでユダヤ人たちを銃殺するシーンなど、いくらか脚色があるのではないかとさえ思っていました。
でも、あれは実際にあったことなのですね。
しかもほんの1例で実際はもっと悪魔のように残酷だったらしい。
番組にアモン・ゲートの実の娘が登場したのもびっくりしました。
彼女の母親、アモン・ゲートの愛人が某番組のインタビュー後自殺していたことを知ったのも驚きでした。
娘についてはこちらに
http://atsukokudomm.com/pdf/047_20040401.pdf
ゆうべの番組で見えていなかった収容所からの生還者ヤンとの事情も理解できました。
(敵のようにアモン・ゲートとその娘も憎んでいたヤンと親密になった関係)
彼女には父親がどんな人物だったかずっと知らされてなかったようで、
シンドラーのリストを見て衝撃を受けたそうです。
(自分の父親のしてきたことを見て)
以前、養子だった男性が、自分の本当の父親を探したら
なんとあの殺人者のマンソンだった、という番組を見た事がありますが、
彼女が自分の父親が悪魔のような殺人鬼で、しかも多くのユダヤ人から
憎まれているのを知ったとき、どんな気持ちだったでしょう?(;ω;)
アモン・ゲートの収容所から生還した当時14歳だったヤンも、
最初彼女を憎んで対面を拒否していたようですが、彼女の素直で純粋な態度に
「あなたが悪いわけではない」と態度を軟化させたようです。
アモン・ゲートはSSの内部調査でも強奪や囚人の殺人であげられていたようです。
こうした悪徳所長は他にもいたようです。
(ここは映画では指摘されていませんでした)
シンドラーも戦後、ユダヤ人をかばったということで、
リンチに近い目にあっていたようです。
それで(あの1200人を救わなければこんな目にあうこともなかったろう)
ともらしていたとか..
戦争終了後、ユダヤ人が解放された後にもユダヤ人の惨殺が依然としてあったというのには愕然としました。
「私たちはあの当時、人間ではなかったのです」と語る生還者に共通する光のない
暗い眼差し、死を見てきた聖書のラザロの話を思い出しでぞっとしました。*・*
番組は最後に同じ収容所の生還者兄弟の兄の告白でしめくくっていました。
ソ連が侵攻してきて、収容所が解放されたとき、同胞のユダヤ人を裏切って売って死に至らしめていた裏切り者のユダヤ人をどうするか、
ソ連兵にきいたところ、同じ目に合わせればいい、といわれ、で、結局そうした(殺した)。と。
そういって彼はつらそうに涙を流しました。
彼はそうすることで自分の魂に深い傷を負ってしまったようです。
「時間がたてばたつほど、記憶が重くなっていってよりつらくなる」
原爆被害者の方も、あまりの凄惨な体験に口をつぐんでらっしゃる方が多いと
ききますが、戦争が終わって何十年経っても戦争は終わるどころか一生ついてまわっているのだな〜と改めて戦争の恐ろしさを思い知らされました(;ω;)
せっかく生還したのに一生苦しむなんて・・・
私にもやはり遠い、というかナチスの強制収容所とか非現実的な世界のお話のように思ってきましたが、
もう戦争終了、解放から数十年経っているのに、
体験者がその過去の話をしだすと共通して目の光がなくなって真っ暗な目に変わっていくのを
見てなんともいえない気持ちになりました。
知人で満州からの引き揚げ船でぎりぎりのところで日本へ生還した方がいらっしゃるのですが、
その方が引き揚げ船で日本人をいじめていた憲兵隊とかが、リンチにあっているのを見たとおっしゃっていました。
戦争中も戦争後も価値観や理性が破壊されて恐ろしい事になってしまうのだな~とそのお話を聞いて
感じましたが、同じ人間なのに、どうしてこう争いの種が絶えないのでしょうかね?
なぞです*・*
>>こえだ さん
アメリカの帰還兵の番組なんかでも、知ったことなのですが、
普通の人だったのに、戦争で一度殺戮に手をそめたら、その快感でもっと殺したい、
さらに残酷で残忍なことをしたい、という衝動から抜け出せなくなって帰還して普通の生活に戻っても
抜け出せず、犯罪者になってしまう人もいるようです。
逆に自分の良心に逆らって人を殺したり拷問したりしたことで自分自身の心が傷ついてしまって
その苦しみから心の病に陥ってしまう人もいるようですし..
いずれにしても、戦争は起こしてはならないし、戦争が終わって平和になったとしても、
取り返しがつかないものが残るということなのでしょうね・・*・*
戦争というものは、人を変えてしまうんですね。
怖いです。
祖父は、満州から無事生還しましたが、
その時の話はほとんどしませんでした。
どんなことがあったのか・・
原爆といい、戦争は二度と起こってほしくないです。
でも、今もどこかで戦いは続いているのですよね・・・
悲しいことです。
アモン・ゲートの娘さんは、きっと誰かに守られて生きてこられたのでしょうね。
自分の罪だけど、子供もその罪を負って生きていくなどという、深い考えは、
アモン・ゲートにはないですよね。目の前の苦しむ人を見ても、心が動かなかったのだから。
父としては愛して、罪を恨む気持ち・・一生背負って生きるにはあまりにも辛いでしょうね。
恨みはまた、次の恨みを呼びます。こうして、人の罪が重なると、どうにもならなくなりそうです。
そして、シンドラーも、ユダヤ人を助けたことで、自分も辛い目にあう。
それを教訓に、自分を守るために・・・と動く人がいれば、戦争や争いは増える一方ですよね。
戦争って・・ 人の誤った考えって・・・本当にこわいです。
でも、そういう時は、間違っていることには、きっと、気づかないでしょうね。