桃チワ・・・なんちゃってスピンオフ~チワ美~
- カテゴリ:日記
- 2009/02/25 00:39:05
果てしなく、青い、青い、空。
岩場に打ち寄せる波に、白い泡が浮かんでは消え、
消えてはまた現れる。
水平線の先に、うっすらと残る、飛行機雲。
平日の江ノ島は、昼間でも人の気配がない。
防波堤を、ゆっくり、ゆっくり、歩きながら、潮風を
独り占めで楽しむなんて、滅多にない幸運。
「やっぱり、来ないか。」
チワ美は、ひとり呟くと、傍らに置いてあった
ボストンバッグを取り上げた。
「ここって、シラスが美味しいんだっけ。」
長野で生まれ育ったチワ美には、海はとんと馴染みがない。
TVの特集などで「生シラスの美味しい店!」なんて
報道されるまで、シラスは白いものだと思っていた。
ヨットハーバーを横目に見ながら、ふと、思い立って
海と反対側の狭い路地に入り込む。
「にゃあ♪」
空き地のような駐車場で、野良猫がチワ美に向かって
短いしっぽをチョイと動かした。
「ふふ。猫ちゃん、慣れてるのね。」
チワ美はかがんで、三毛猫の柔らかな毛並みを優しく撫でてやった。
「私ね、フラれちゃったんだ。」
「素敵な人だったんだけどね、無理だったみたい。」
チワ美の目から、不意に大粒の涙があふれ出し、コンクリートに
落ちて、小さな水たまりを作った。
「にゃ~あ♪」
三毛猫は、ゆっくりとあくびをすると、大きな伸びをして、
チワ美から離れた。
「ごめんね、猫ちゃんには、こんなのカンケイないよね。」
チワ美は、大きく息を吸い込むと、立ち上がった。
「しっかりしなくちゃ!」自分に言い聞かせるように呟く。
「美味しいものを食べて帰ろう、うん、きっと大丈夫!!」
声に出せば、いつか心もついてくる。今までだって、そうやって
乗り切ってきた。今回もきっと、大丈夫!
「大丈夫、だよ・・・。」声にならない声をあげながら、チワ美は
必死で路地を歩いた。
「にゃあ~。」
ふと見ると、先ほどの三毛猫が、1Mほど先に座っている。
「どうしたの、猫ちゃん。まだ撫でて欲しいの?」
チワ美に背を向けると、三毛猫は、右手にある家の扉を
カリカリと引っ掻いた。
「・・・こんな所に・・・喫茶店???」
観光客が滅多に通らない裏通りの路地。
商売ッ気の全くない物好きでなければ、こんな場所に
お店なんか出さないだろうと思える、が・・・。
「確かに、看板だわ。」
チワ美が立っていると、扉が少し開けられた。
「あら、ミケミイ、お帰りなさい♪」
どうやら、三毛猫は野良ではなく、ここの喫茶店の人の
飼いネコらしい。
「にゃあ♪」三毛猫がチワ美に合図を送るように振り返って
鳴くと、お店の主人らしき人が、気づいて笑顔を向けた。
「お客様を連れてきてくれたの?ミケミイ♪」
扉の奥から流れてくるコーヒーの香りに誘われたこともあり、
チワ美は、すんなりと店内に招かれたのだった。
「素敵なお店ですね。」コーヒーを注文してから、チワ美は
ゆったりと店内を見回した。
決して広くはない、イヤ、有り体に言えばとっても狭いお店
だけれど、シックな色合いのアンティーク家具で統一され、
初めて入ったチワ美でも、くつろげる雰囲気。
ミケミイと呼ばれた三毛猫は、フカフカの絨毯にゆったりと
身体を横たえ、楽しそうに毛繕いを始めた。
「そう?ありがと。」
コポコポコポ・・・コーヒー豆が、時間をたっぷりとかけて、
熱いお湯と共に、一杯の飲み物に仕上げられてゆく。
壁に飾られた、昭和初期のおもちゃを眺めているうちに、
チワ美は、徐々に、心が浮き立ってくるのを感じた。
「ふふ・・・単純だなあ、私。」
一生をかけた恋、なんて意気込んでいたのが嘘のよう。
決心なんて、そんなものかもしれない。
三毛猫に目を移せば、ネコは知らん顔で寛いでいる。
「どうぞ♪」香ばしい香りと共に、目の前にカップが置かれた。
「わあ・・・♪」
琥珀色の熱い液体が、チワ美の心にやんわり染みこんでくる。
「ごゆっくり♪」そういうと、女主人は、お店の奥に引っ込んでしまった。
飲み逃げなんて、考えてもいないらしい。
「商売ッ気、ないなあ(笑)!」
珈琲を飲み終わったら、まっすぐ家に帰ろう。
一晩、ぐっすり眠ったら、きっと明日はスッキリ目覚めることが
出来そうな気がする。
「やり直したい?」急に、足下から太い声がして、チワ美は
危うくカップを取り落とすところだった。
「ネコちゃん!?」
いつの間にか、三毛猫が大きな目でチワ美を見上げていた。
「本気でやり直したいかと訊いている。」
「お前の居場所を捜したいなら、ニコットとタウンに来ることだ。」
三毛猫はしっぽをチョイと動かし、チワ美の前から姿を消したのだった。
うわわ♪たらたらとつたない話を読んでくれてありがとうございます~♪♪♪
あまりにマイニチワワが不評で、私的にも「?」ではありましたが、
タレントさん達はなかなか頑張ってはいましたよね(^^;)。
また性懲りもなく書くかもしれませんが、宜しければお付き合い
くださいませ~!!!
でも、あくまでも勝手な妄想ですので、あまりご無理はなさらぬ様に~(笑)!
読んでくださってとっても嬉しいです(^o^)♪
それにしても、発想の元がマイニチワだったとは意外です。
あの大不評(笑)だったマイニチワがこんなに面白いお話になるなんて。
菊丸さんすごーい!
小説なんてそんな大げさなものではないですが~(*^_^*)
チワワたちを部屋にレイアウトしようと考えているうちに、
単なるオモチャとしてじゃなくて、理由があってこの街に来たって
設定が浮かび・・・妄想が始まったワケです(^^;)
マイニチワを毎日見た方は「!」と思うかなあ?
「雪也」は、マイニチワが雪の中をころころ転がる回からの連想で・・・。
「チワ美」は、イチハラさんにきゃあきゃあ言いながら愛の告白するシーンから、
じゃあ「恋愛」モノかな~と妄想したワケで・・・。
最初の、緊急動議は、惚れっぽいチワ美だったら、10年記念のチワワには
きっと一目惚れして一悶着起こすだろうな、なんて思いこみ妄想で~!
そんなチワワたちをまとめて行くのって結構大変だろうから、
リーダーは辛い過去を背負った苦労チワワがいいかな、とか(笑)!
まあ、妄想がふくらんで色々書いてしまったワケなんですが・・・。
今後、トラにエサとか、ヘビのマフラーとかを題材に妄想が浮かぶか
どうかは・・・(^^;)!
この辺が潮時かなあ???長いし(W)!!!
ガンちゃんさん♪
も・・・もう読んでくれたのっっっっ(*^_^*)!?
その方がスゴイ(笑)!
長いのに、読んでくれてありがとーーーー!!!
凄い!!
なんとかあちこち削っておさめたけど、私って整理下手だなあ~!
すいません、勝手に暴走してるので、放置で構いません、
もうほんと、ごめんなさい~、決して事務局に通報とかしないでくださいね~!
はい、これもチワワの物語でございます~!何でチワワが珈琲飲めるのとか、
何でチワワが猫を撫でるのとか、色々ツッコまれても困りますんで~(笑)!!!