ドラマ【科捜研の女】【警視庁継続捜査班】
- カテゴリ:テレビ
- 2010/08/27 01:08:26
【あらすじ】安芸津という画家が草むらで死体となって発見される。頭部を木槌のような凶器で殴られたのが死因だった。所持品から、彼が数日前に病院で末期癌であることを宣告されたことや、最後に降りた駅が判明する。妻の話によると、彼は前日絵を持って出かけて行ったという。また、生前彼が、同窓会を開きたいからという理由で、大学時代の同級生・橘の住所を知りたがっていたため、土門が大学で名簿を調べさせてもらったところ、安芸津が在学中、女性の同級生が行方不明になっていたことがわかる。科捜研で調べた安芸津の靴に付着していた土から、安芸津は画材が置いてある場所で殺された可能性が高い。橘は安芸津が最後に降りた駅の近辺で、絵画修復の工房を構えていた。
【感想】今日はよかったなー。絵画修復という言ってみれば証拠隠滅のプロと科捜研との一騎打ち。推理など差し挟む隙はなく、まさに戦いでしたね。油絵に手をつけないという厳しい条件で、赤外線や紫外線などを使って血痕や下に描かれていた絵を浮き上がらせるところなんか、ぞっとしましたね。てか、あそこまで鮮明に浮き上がるものなんでしょうか? 額縁についていた汚れから、絵が置かれていた場所を突き止めるとか、さすがにちょっとないだろうとか思いましたけど、どうなんでしょうね。でもなかなか落ちない犯人に有無を言わさぬ証拠を突きつけるため、科学捜査の粋を極めた感があり、多少フィクション混じっててもいいかと思わせる勢いがあったからいいんです。ドラマは勢いだよね! にしても、放っといたら数ヶ月で死んでしまう男を、そうとは知らず殺してしまった犯人はちょっとかわいそうでした。被害者の方も、自分の死期が近いと知って、過去の罪を告白しようとしたんでしょうに。犯人は、 カラヴァッジョを安芸津と重ね合わせ、殺人犯だろうがなお彼の才能は世間から求められるであろうと思われることに、嫉妬を覚えたのでしょうね。彼女を殺されたという恨みと、同じ美術に携わる者としての嫉妬が、彼の振り下ろす木槌にこめられていた気がします。私には絵画はよくわかりませんが、あの百合の絵は確かに、えもいえぬ毒々しさと強かな生命力に溢れていたように思います。普通百合の花を描くのにあんな描き方はしない。きっと思い人を殺めてしまった悔恨の念とバレたらヤバいという邪念が筆を動かしたのでしょうね。本当は誰がどんな状況で描いたのか知りませんが。
【あらすじ】1年前、ボウガンで4人の会社員を殺害した連続殺人犯・梅野が、裁判所に護送される途中で護送車が事故を起こしたため、拳銃を奪って逃走した。1年前に梅野を逮捕したのが、継続捜査班の岩瀬だったが、梅野が岩瀬の家に忍び込んだという情報があり、岩瀬を逆恨みして狙っていると見た真奈美たちは、岩瀬に連絡を取る。岩瀬はちょうど、娘の彩那の婚約者とその家族とで、ホテルで会食をしている最中だった。真奈美たちがホテルに駆けつけると銃声が。矢吹と真奈美はホテルの非常階段で、梅野と撃たれた男性を発見。梅野には逃げられてしまうが、撃たれた男は真奈美に「まくべ…」と最期に言い残して息絶える。
【感想】えーとですね、ツカミは非常によかったです。今までの中では一番いい出だしではなかったでしょうか。ただ、赤い通り魔と黒い鼠男の事件は、実はまったく関係なく、普通に鼠男が偶然梅野の被害にあったというだけだったのは、つまらなかったですねぇ。何らかの関係があり、そのせいで梅野が落ち着いた態度を取っているものとばかり思ってましたから。梅野はまぁ、しょうがないですね。同情できる点もなくはないですが、4人+護送車の警官2人?と鼠男の合計7人殺してますから、裁判ができていたとしても死刑でしょうし。でも梅野の演技はよかったな。ドラマで大抵ああいう事件を起こす犯人は、人質に横暴だし見ていてマジ殺したくなる態度を取る場合が多いですが、梅野の冷静沈着なところが彼を思慮深く計画性のある犯人に見せていました。でも実は死を覚悟していたのね…。まぁ裁判で死刑になるのくらい、自分でもわかるわな。それならいっそ…てことか。かくして梅野編はよかったのですが(バカな娘は除いて)、その後がよろしくなかった。「まくべ」がマクベスとかwww しかもなんで都合よく梅野の父親がマクベって名前なんだ。あの死にそうな状況で、自分の死とは関係ない人物を、しかも役名で呼ぶとか、ありえないと思うんですけど。結局彼は何が言いたかったのか、さっぱりワカラナーイヽ(´ー`)ノ で、そのマクベスがとってつけたように岩瀬の婚約者の父親とかさぁ。まああれが布施博だったから、何かあるなとは思ってましたけどね。どうにも、話の構築に失敗してる気がします。正直梅野の事件だけでよかったんじゃないんかいと。あと、佐戸井けん太の無駄使い。