印中軍人交流中断ビザ発給で対立
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- 2010/08/27 21:33:54
【ムンバイ=黒沼勇史】インド政府が中国と続けてきた軍人交流を中断したことが27日、明らかになった。印PTI通信によると、同交流の一環で訪中を予定していた印陸軍幹部1人に対し、中国がビザ(査証)を発給しなかったため。
幹部は印北部ジャム・カシミール州配属のジャスワル陸軍中将。インドは同州の帰属を巡りパキスタンと争う。インドがこのほど中国側に同中将の派遣を伝えたところ、中国側は「地球のその地域から来る人物は異なるビザが必要」と書面で返答。インド国籍の人物を同州から受け入れられない意向を伝えたという。
中国は軍事・外交面でパキスタンに接近。同国の原子力発電所の建設計画でも、中国は支援する方向。今回のビザ発給問題ではパキスタン側への配慮を示したとみられる。
印外務省のスポークスマンは27日、「中国との交流は重要だが、お互いが持つ(印パ関係などの)問題には慎重な対応が必要」と中国側を非難するコメントを発表。同中将の訪中が実現していないことも確認した。PTIはインドが対抗措置として人民解放軍2人の訪印許可を見合わせていると伝えた。
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9381959FE0E5E2E1E38DE0E5E2EAE0E2E3E29494E3E2E2E2;at=ALL
インドと中国は領土問題で対立しており、余り仲の良い国ではありません。
1959年にはインドに中国が進行した印中国境紛争もありました。
現在でもアルナーチャル・プラデーシュ州とシャンムー・カシミール州の2箇所をめぐって
両国の対立が続いています。
そんな仲の悪い国ですが、インドと中国は上海協力機構を通じて両国の軍人交流を
しています。
2001年に対テロ協力軍事機構として、ロシア、タジキスタン、キルギスタン、カザフスタン、
ウズベキスタン、と中国が上海協力機構を設立し、オブザーバーとしてインドが参加した形
をとっているので、軍人の交流が少なからず存在しているようなのです。
なぜこうなったのかと言えば、第二次世界大戦後暫くの間、ロシアと中国は仲が良かった
のですが、1960年に入りフルシチョフさんの発言で中ソが対立する事になり軍事援助が
ストップしてしまい、中国の兵器は新しく開発される事も無く維持されていた所に、ソビエトが
崩壊して、中国とアメリカの対立が大きくなり、中国も新しい兵器を開発する必要に迫られて
来たために、中国がロシアと軍事協力を望んで、新しい機構軍の設立となりました。
しかしロシアはインドと仲がよく、中国がインドに軍事侵攻したときも援助をしていた事も
あり、ロシアと機構軍を設立した際にインドがオブザーバーとして参加する事になったのです。
今回対立した国の軍人交流で、紛争地域の指揮官が交流に参加したことが今回は問題に
なっているようですが、ロシアは何も言ってないようです。
玉梓は民族問題が解決する事を願っています。