創作小説?「魔王の森 -森の真実-」3/3最終話
- カテゴリ:自作小説
- 2010/08/28 23:01:04
魔王の森 -森の真実- 最初は私のホームページの掲示板で連載小説として「カキコ」したモノです。 青年魔法士と少年が魔王の森を目指すストーリーです。……ふと思った…なんか最近ハマった「少年陰陽師」のような容姿関係だなぁ…でもこっちの設定の方が先に出来ていたのでよしとしよう。
第3話(最終話)
△魔王の意志
『話して良かったのだろうか……』
想いが揺れる。
キュウと見上げた聖竜に、
「彼の元へ行ってあげて」
と、声をかける。
竜を見送ってから魔王、いや、ダレスは椅子に腰をおろした。
400年前のことは今でも鮮明に覚えていた。
世界を巻き込んでの大きな争いが起きていた。
それに拍車をかけるように森が大地を侵食していった。
陸の半分以上は森に包まれ、森に侵されていない国も、自らの身を守るため、また争いに身を投じていく。
人々の恐怖や不安がまた森を広げていく。
最悪の悪循環の中、聖獣と剣を手に森へと踏み込んだ。
魔王、かつての勇者の姿は凄まじいものだった。
抱えきれない《瘴気》を一身に受けて。
狂気に身を委ね、自我を失い突然襲ってきた彼に、反射的に破魔の剣の刃を向けていた。
《瘴気》を消し去る激しい光と共に地に彼の切り落とされた片腕が転がった。
夢中でもう一振り降ろそうとした所で、飛び込んできた聖獣によって踏みとどまった。
傷口を押さえ、地に膝をついている彼が目を開ける。
「すまない、俺にはこれ以上《瘴気》を受け止めきれない」
痛みと破魔の力のせいか、正気に戻った彼が言った言葉の意味をまだ全く理解できていなかった。
「俺がまだ正気を保ってた時に記した物がこの森のどこかに残してある。それを見つけてくれ」
やけに早口で言う彼の傷口からは血が流れていなかった。しかも傷口はどんどん大きくなっていき、肉体を蝕んでいっている。
「剣を地に突き立てろ。俺が死ねば森も浄化される」
言われた通り剣を地に刺した所に、彼は最後の力を振り絞って腕を掴んできた。
「後を頼む」
そう言って閃光と共に掻き消えた人影。
森も魔物も一斉に成長を止め、禍々しい気配は浄化され退化していった。
広大な森の跡で見つけた手記は風化され読めなくなっている所が数多くあったが、少し理解することができた。
自分も、彼と同じ運命を歩みはじめていることを。
そして、今。
目前にあの時の自分と酷似した聖剣を持った青年が、
意志を持った瞳で立つのを、見た。
△森の消滅
消えてしまった魔王の森。
ただっ広い草原が目前に広がった。
残ったのは聖剣と呼ばれる剣が一本。
明日にでも森の消滅は世界中に広まり、人々は皆、歓喜の声をあげるだろう。
もう不安で怯える日々は終わったのだと。
すべての原因を魔王のせいにして。
溢れ出る涙は止まることなく頬を伝って地に落ちていく。
思いっきり泣きたかった。
広い世界にたった一人だけ存在しているような孤独感。
いつか必ずやってくる未来の不安。
またいずれ現れるだろう魔王の森。
自らが魔王を名乗ることになると判っていても。
世界を救いたかった。
人々を助けたかった。
身近な人を幸福にしたかった。
――自分が、幸せになりたかった。
涙を拭い、広い草原にひとり立つ。 待っている人のいる場所へと、足を踏み出した。
繰り返される事象。
それでも。
『不安と恐怖が世界からなくなれば、『魔王の森』は現れることはないよ』
消える前に言ったダレスの言葉。
未来を夢見た勇者は、笑った。
はい、最終話です。
以前に書いてた文章があったので、そのまま載っけてみました。
↓↓
ちょっと変わった散文詩風小説でしたけどいかがでしたか?私自身、結構こういう雰囲気の文章が好きなので遊んでみました。
タイトルは「魔王の森 ~赤眼の魔法士~」。
↑↑
7年近く前のあとがきでした。
んで、現在、「赤眼の魔法士」出来上がっておりません(爆)
普通の小説風だったんだけど、散文詩風で描いてみようかな。
その方が早く出来上がりそうだから(笑)←手抜きか!?
魔王とはどんな存在?ってなことを考えてこの話を思いつきました。
今までの魔王の中には、「こんな世界なぞ、滅ぼしてやる!」といった過激なヤツもいたことでしょう。
続編への伏線は…いっぱいあるのかな。うん。
先代魔王を倒した後、どんな風に魔王になっていくんだろう?
『待っている人のいる場所へと、足を踏み出した。』ってあるから、いったんは自分の生活に戻ることができるんですよね?
まだまだ語られない伏線がいっぱいあって想像が膨らみますっ!
続編期待しちゃいますっ!!
思ったことをどんどん書いてくださいませ。勉強になりますっ
けなされると落ち込みますが←おいっ(泣)
結局続きは、執筆停止中で頭にはありますが、小説としてのカタチはありません。
原稿用紙15枚くらいで止まっています。
コレを機に、仕上げてみるかー???
今日、自分の物語の書き方がこういう雰囲気のものだと初めて知りました。
さっき書いてきたんですけど、やはり小娘が書くのとは大いに違いますね。
あ、こんな奴が評価しちゃ失礼ですね。なんか褒めるのも失礼に思える。どうしようか((((
とりあえず、面白かったです。
結局、続きはあるのか...?