自作9月/「月」/『月は見ていた』
- カテゴリ:小説/詩
- 2010/09/02 14:15:30
兄弟なのにこうも違うものかと、月は自分の容姿を見つめて溜息をついた。
『相変わらず綺麗だなぁ…地球は!』
月はそう言うと、最近出来たばかりのクレーター痕を気にしていた。最近といっても2万年ほど前のものなのだが。
対して、地球はここ数千年の間こう考えていた。
『変わらなくて良いなぁ…月は!』
そんな二人が、とある日食の日に久しぶりに言葉を交わした。まず兄である地球が口を切った。
「なあ月よ、お前は今オレのことをどう思ってる?やっぱり綺麗だとか思っているのか?」
すると、その通りだと言わんばかりに月は一つ大きく頷いた。言葉にしなかった分、逆にその思いの強さを表していた。
その瞬間、月の頭の影から太陽の光が漏れ、綺麗なダイヤモンド・リングになった。
その姿を見た地球は、大きく溜息をつくとこう言葉を続けた。
「なあ月よ、オレから見たらお前の方が羨ましいよ。お前はずっと変わることなくこの宇宙と綺麗に融合しているじゃないか。今のダイヤモンド・リングだってすごく綺麗だったよ!・・・たしかにオレの姿は惑星としては綺麗かもしれないけど、見てみろよこの周りに漂うゴミの山を。それに今のオレは体調不良なんだ。ずっと熱っぽくてさ・・・」
月は改めて地球を見直した。たしかに、数千年前よりも今の地球の顔には赤みと白みが増えていた。昔は緑だったところが荒れ地と電気の光に変わっていたからだ。
月は思った。そう言えば地球は色んな姿に変わっていたんだと・・・
最初は灼熱の星として赤々と燃える姿。次に大量の雨水に覆われた青い姿に変わった。そして、急激に凍りついて全身が真っ白になった後、今の彩り溢れる星へと変わった。
変化する間の地球はいつも苦しがっていた。すぐそばにいる月はその苦しい喘ぎ声をいつも耳にし、目にしていた。
もうすぐ日食が終わろうとする頃、別れ際に地球が一言つぶやいた。
「太陽にお願いしてリセットしてもらおうかなぁ・・・」
印象に残ったのはきっと私が悲しませている張本人だからでしょうね。。。。
リセットしないとダメなぐらい、結構深刻ですよね、、、、、現在って。
地球の口調がどこか優しくて、
最後の言葉も、何気ない愚痴に過ぎな、、、、、、かったらいいなあ。
そのお話を聞いたことを思い出しました^^
環境を悪くしたのは私たち人間ですよね。新天地を目指し宇宙に出るのもいいですが・・・。
もし、他の惑星に私たちと同じくらいの知能を持つ生命体がいたらさぞかし怒っているのだろうな。
と、読んでいて思いました。
「なあ月よ、オレから見たらお前の方が羨ましいよ。お前はずっと変わることなくこの宇宙と綺麗に融合しているじゃないか。今のダイヤモンド・リングだってすごく綺麗だったよ!・・・たしかにオレの姿は惑星としては綺麗かもしれないけど、見てみろよこの周りに漂うゴミの山を。それに今のオレは体調不良なんだ。ずっと熱っぽくてさ・・・」
地球の体調不良にしてしまったのは私達、人間。
ちゃんと、環境問題を解決してみるからリセットは堪忍して~と思いました。
特に地球の最後の一言が印象的でした。
環境問題にちゃんと向き合い、考えなくてはと思いました。
急ぎ足でごめんなさい。
月と地球を擬人化しての会話は、
すごい面白いと思います。
個人的に人間はバグ、あるいはガンのようなものだと思ってます。
人間が滅びれば、地球は良くなるかも…?
人間の一員である私。少しいい子にならないと。(笑)
ぶろぐで教えてくらはぃ(*´Д`(*´Д`(*´Д`
うなづくとダイヤモンドリングってのも、
面白い発想だと思います。
地球がいつも苦しがっている、擬人化した地球の
設定が読み手に近い存在として読めました
熱が出たり自浄作用が出たりしているんでしょうね。
地球も生きているから