Nicotto Town


じぇんとるの日常~思考回路図~


~firefly~③

~~~~~


とうとう「約束の日」が訪れた。

レポートが仕上がったのだ。

ファイの希望で、自宅近くの駅まで歩いて向かうことになった。

…外は、バケツをひっくり返したような豪雨だった。


「…何故?今日に限って、こんな天気なの???」


少し泣きそうになりながらヨウが呟くと、困ったような声でファイが、


「ウン・・・ボクノセイカモシレナイネ・・・」


それが、あまりにも落ち込んだような声だったのと、

これしきの雨にひるんで、ファイへの気持ちを台無しにしたような気がして、

ヨウは、お気に入りの傘を開いて、駅まで思い切りよく走った。

全ての迷いを振り切るように…濃密な時間の変化に、少しの恐れも抱きつつ。


駅に着いたヨウは、急にソワソワと身だしなみを気にし始めた。

すると、ファイの笑うような声が頭の中に響く。


「ヨウ、ソンナニ緊張シナクテモ良イヨ・・・イツモノ、ソノママノ君ノママデ・・・」


「・・・行クヨ?・・・少シ、目ヲ瞑ッテテ・・・?」


必要以上に、ぎゅっと目を閉じたヨウの頭の中で、雨が一層激しく打ちつける。

それが、次第にガンガンとした頭痛になり、立っていられないほどの眩暈に変わる。

思わず腰を抜かしたヨウの前に、サイケデリックなメカニズムが見える。

それが、段々と人の形になり、暖かなオレンジの光に包まれた、

満面の笑みのファイが、ヨウの方に向かって歩いてくる。


「・・・ヤット逢エタネ・・・サァ、行コウ・・・?」


どこへ?と聞き返す間もなく、手を引かれるまま、歩きだす。

そのまま、二人の影は、夕闇の中へと溶け込んでいった。。。


~~~~~


…そう、運命とは、あらかじめ、定められたもの。

多くの選択を自分自身がして生きていると感じさせている、

いわゆる、天使か悪魔の悪戯が、私達の存在なのだろう。

あの時、私がファイに出逢ったのも、全て必然だった。

憧れ、尊敬、依存、恋心、愛情…その気持ちは何だったのか、

今でも、はっきりとは、よくわからないけれど。

確かに、ファイは、そこに「いた」のだから。

この「心」が、セピアに色褪せようとも、捨てることはない。

もしも、色が鮮やか過ぎて辛いなら、泣いて、叫んで、精一杯、もがいて…。

そうやって、今日も私は、生き続けている。想いを綴り続けている。

いつか、お互いの笑顔を誇れる日が来ることを祈って。。。。。


~~~~~
END
~~~~~

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2010/09/12 13:51
琴丸さん>おぉ…もっとシッカリ読ませろ、ときましたか^^;
そして、気になるのは、やはり、その間の部分…。
確かに自分でも、急展開すぎるかな~?とは思ったけども!(笑)
そこだけで2000字かぁ…大変やな、それはwww
ちなみに、モデルになった話から考えると…書けにゃい~~~;;←
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2010/09/12 13:42
1つだけあれば、変われる。変えられる。変わってしまう。
世界観とか設定とか面白いよね。オレけっこう好きだよ。こーいうの。
だから、もっとシッカリ読ませろてww

溶け込んでいった。。。から …そう、運命とは、 の間読ませろww
2000くらい書け。'`,、'`,、'`,、(ノ∀`) '`,、'`,、'`,、
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2010/09/07 23:01
大熊猫さん>えぇ~~~???
秘密って…余計気になるやないですか!!!www
あー、何だか、こっぱずかしいです^^;←
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2010/09/07 22:15
2日越しで、全部読んでみました。
感想は・・・秘密。(フフフッ)
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2010/09/06 23:00
とーやさん>ふふふ…敢えて、微妙な終わり方でw
そう、多分、一緒に溶けて消えたんでしょうが、その後の、ヨウとファイの存在は不確かです^^;
ふむ…なるほど、その時間が、記憶の中の思い出として色褪せず残ってる限りは、
傍に、その存在はあった、と言い切って良いのかな…何だか、今の私にも、少し楽になる言葉ですね^^

3部作というか、一気にガーッと書いて、字数制限を考えつつ長さを整えて、
3つに分けただけ~って感じなんですけどねw
次回は…う~ん、いつになることやら。
まぁ、時間と気の向く限り、わりと書くのも楽しかったので、また書いてみようかなと思ってます♪
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2010/09/06 22:35
ふわ・・・//
最後は全く意見が分かれそうな終わり方ですね・・・><
2人して消えてしまったのか・・・ ファイと会ったあとヨウは戻ってきたのか。
不思議な感じがします・・///
ただわかるのは、そこにファイがいたのかいなかったのかは別として、
はっきりその存在はあったんでしょうね・・・。
その時間がヨウの中に残っている限り、やっぱりファイは傍にいたんだと思います^^
初の3部作小説? おつかれさま♪
すごく読みやすくて楽しかったです// また次回作や以前の短編続き? 楽しみにしてますねv(にこ
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2010/09/06 20:18
ジョバンニさん>うん…ファイさんは、そこに「いる」んですが、
ハッキリした形は、ぼやけた感じで存在するように、意識して書きましたw
無理に実体化させなくても、意思を持った電脳のように、不確かな存在であっても、
それに支えられて生きて、それこそ自分の世界観さえも180度変わってしまうとか、
そういう経験の物語~って感じでしょうか?^^;
何となく、自分自身の中で、少し思い入れの深い作品になったかもしれません^^
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2010/09/06 20:12
ファイさんはどういう存在なのでしょうね?
幽霊ではなさそうだし、意思を持った電脳が実体化したものなのかな…。

実際、私たちが見ているこの世界も実存と認識しつつも、不確かな世界といえなくないですからね(^-^;

色即是空 空即是色 この世は全て 夢幻よ(爆)



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