もうとっくに、心の中に仕舞ったはずだったのに。。不意に君のことを思い出したよ。君の言葉を思い出したよ。

久しぶりだね。。

去年の秋以来かな。


…急に心が苦しくなった。
震えているのは、携帯だけじゃなかった。
講義中なのに、なにもできなくなった。

君の笑顔、君のぬくもり、君の優しさ。それらの全てが、頭の中を駆け巡る。


それは、恋と呼ぶにはあまりに単純な願望だった。
それは、愛と呼ぶにはあまりに不釣合いな感情だった。

でも、心を締め付ける切なさは「ただの…」の先を紡ぐのを許してくれなかった。。



君と出逢えたから、今の自分がここにいる。　今の自分が、自分でいることのきっかけ。そしてそのカケラ。君がくれたもの全てが、今の自分のどこかで生きている。

君は、決して純ではなかった。それでも君は、誰よりもきれいだった。

いろんなものが混ざって、いろんなものを取り入れて。時には自身の「タネ」である心をかき回され、かきむしられるようなこともあったんだろう。

でも君は、それらを全部、自分の魅力に変えていったんだね。だからどんな過去があったとしても、君のタネは、きれいなままだった。


いろんなものを取り入れて、それを魅力に変えられるって、すごい。
例えば果物みたいに、純粋なままで輝けることもあるけれど、それは稀なこと。
みんな、望んでいてもいなくても、必ず何かと一緒になるんだよ。
でも、それらを受け入れて、自分と共に歩いて行くのは、すごくすごく難しい。

君はその切なさも、そして受け入れる優しさも教えてくれたね。


そんな君だから、ずっと一緒にいたかった。。
ずっと君と向き合っていたかった。
君の笑顔、君のぬくもり、君の優しさ、それらが真実でなかったとしても。未来を悟った君の、精一杯の偽りだったとしても。。信じてる。君はあの時、すてきな笑顔を向けてくれたね。

でも、やっぱりそれは、人の夢。いつか終わってしまうもの。
時が、世界が、誰かが、それを許してくれない。
だから、今という瞬間を、大切に大切に過ごすよ。


君は僕をあたためてくれた。
君は僕の心を潤してくれた。

焦げてしまいそうなくらいに、焼け付くような思いもしたんだよね。ちぎれるくらいに傷ついたこともあったよね。つぶれてしまうような思いも、無理やり形を変えられることも、凹まされることも、あったんだね。。辛かったよね。。


でも、君はそれらをそのまま認めて、優しさに変えていったんだね。。…それが君の「うまみ」なんだよね。。



僕も君に伝えたいよ。
そのままだけど、でも、それが今の自分なんだ。
ごめんね。まだまだこれ以上の言い方が見つからないんだ。。


ねぇ、そうやっていろんなことを感じられる人になりたいよ。いろんな思いや経験をそのまま認めて、自分の中に取り入れられるようになりたい。

君からいろんなものを感じさせてもらったよ。
それで温められてる。あのときから、これからも。


君との全てを、自分のものとして飲み込んで。。
君が僕のどこかで頑張っているのを想像して、自分も頑張るよ。
僕と一緒に誰かと泣いたり笑ったりしていろいろ感じて過ごしてるんだってことを想像して、その尊さをずっと思い描くよ。。


　　ありがとう。



消え行く君の面影を見つめながら、僕は現実に戻った。



君との想い出を大切に仕舞って、心の中に飾って、新たな一歩を踏み出すんだ。

新たな出逢いを求めて、すてきな出逢いを夢見て。


君の面影に「さよなら」を言いながら、僕もそっとつぶやいた。。
























「ハンバーグが食べたい…」




…お腹空いたなぁ。。